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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

肘当ての活法

かつて北信一帯に塚原卜伝流の柔術が伝承されていた。

その柔術では活法に肘当てを用いるという。
随分と荒っぽい活法である。
気絶者を俯せに寝かせて施術するのだろう。
当てる急所(活点)は「七九」(シッチク)のつぼ。

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日本柔術においてはかなり普遍的に用いられる活点である。
筆者が伝承する流儀では、この活点に蹴りを入れて蘇生させる。
活法もいろいろある。

ちなみに伝書の左に立っているのは塚原大明神である。





(完)
# by japanbujutsu | 2017-12-15 21:56 | 技法研究の部屋 Skill
技法「ためる」

昨日は支部長クラスが参加する今年最後の伝達講習会となった。

水月塾制定柔術 (甲陽水月流) の奥伝を主として稽古した。
奥伝の形の特徴として 「腕逆」 の取り方と 「ためる」 技法がある。

この 「ためる」 技法は表の腕逆と締めを同時に掛ける楊心流のオリジナル技法であり、締めは襟締めと手締めがある。

写真は 「手締め」 による極めの部分。

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水月塾制定柔術にはすべての形に共通するいくつかの重要な原則があり、それらを考えずに自然に身体が応じるまで稽古を積む必要がある。

柔術はあらゆる武術の基幹をなすものであり、すべての古流修行者に稽古を勧めるものである。
実際に技の効力・可否を体験、実証できる武術は柔術以外にないのだから。
はっきり言って、柔術の稽古は 「痛い」 し 「怖い」。





(完)
# by japanbujutsu | 2017-12-11 20:49 | 技法研究の部屋 Skill
提刀について

今の日本では、古流武術の正しいあり方、姿、そして正しい歴史と文化について、それを発表する人が極めて少ない。
本家日本の武術の姿が歪んでいるから、正しい判断ができない外国人は、その技法や所作を伝統的なものだと信じ込んで稽古している。
これほど哀れなことはない。
いや、外国人に限ったことではない。
日本人でさえ、自分が稽古している武術がねつ造されたものであることを知らずに稽古している者がほとんどである。
筆者が以前にこのブログで書いた全国の現存する武術流儀に名前のない流儀はすべてねつ造である。

さて、今回は居合における刀の持ち方について述べる。
全日本○○○連盟などで行われている提刀法はいつ、だれが始めたものだろうか。
少なくとも江戸時代には見られない方法である。
すなわち、右手で刀尖を前に、柄を後方に、刃を下にして持つ方法である。
こんな持ち方をしていたら背後の敵に刀を抜かれてしまう。
筆者は演武会の式典でこの方法を強要されると非常に腹が立つ。
あらゆる礼法において柄が自分の死角になる位置に刀を置いたり、持ったりしてはならない。
そんな所作のある流儀はすべて近年の創作であると考えてよい。

下の画像は正しい持ち方
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下の画像は古流にあり得ない持ち方
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(完)
# by japanbujutsu | 2017-12-03 21:51 | 武術論考の部屋 Study
山梨近県の武術

大学を卒業した筆者は、山梨県およびその近県に江戸時代から伝わる古武道はないものか、と静岡県や長野県まで含めて徹底的に調べたことがあった。

その結果、山梨県と長野県、それに静岡県は全滅であることが判明した。

静岡県には、筆者が相伝している力信流が明治時代から伝わり、他に水鴎流、柳生流、香取神道流があったが、いずれも近代になって入った流儀であった。

長野県には熊本の二天一流を相伝している筆者の恩師荒関がおり、また、長野市には広島で佐分利流を学んだ島田氏が当時は健在だった。

しかし、松代や松本などの大藩の武術は悉く絶伝していた。
現在、信州の旧藩武術を伝承しているという道場(流派)を数カ所(数流派)知っているが、すべてその来歴はねつ造である。

それを知ってか知らぬか、一部は公的団体に加盟して演武をしているのだから、最早、その団体は無知無教養の烏合の衆と化している。

いつになったら日本の武術界は浄化されるのだろうか。
そんな望みが叶うことは1%の可能性より低い。

ヨーロッパでは、どこの国でも黒い空手着に、黒い地下足袋を履いた「忍者」が畳の上を飛び交っている。
全部、日本人が教えたらしい。






(完)
# by japanbujutsu | 2017-11-28 20:20 | 武術論考の部屋 Study
伝授文と天罰

武術の伝授巻の最後に記される長文を「伝授文」と呼んでいる。
そこには流規に違反すると日本六十余州の大小神祇が結集して天罰を与えるという掟が記されている。
その掟に、

○流規や師に背くこと。

という一文が書かれている。
流規や師範を冒涜したり、背いたりする輩には天罰が下る、というものである。
その流規に背く、一番の例が、

○来歴のねつ造である。

曲がりなりにも「古流」とか「古武道」を標榜するのであれば、自流の来歴を偽ってはいけない。
ないものはない。
自分の師匠が本当に「その藩に伝わっていた武術を稽古し、相伝を受けている証拠」がありますか。
火災で伝書が焼失したなどというのは、真っ赤な嘘であることに気づいてほしい。
自分の師匠が持っている伝書は、かつてその人が所属していた道場の別の来歴が記されている伝書ではないのか。
あなたは自分の師匠と、先代師匠と称する人が稽古(演武)をしている写真を見たことがあるのだろうか。
あなた自身が歴史には興味がないのかもしれないが、ねつ造された歴史こそ流祖やその系統に連なる過去の相伝者に対する最大の冒涜であり、もっともあってはならない神をも冒涜する行為である。

こういう輩は、自らの後ろめたさの故に、必ず、近い将来のうちに「天罰」を蒙るから、弟子はそれをしっかりと見ていることである。







(完)
# by japanbujutsu | 2017-11-26 22:05 | 武術論考の部屋 Study

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