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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

天神真楊流柔術奉納額 Votive tablet of Tenjin-shinyô ryû

北野天満宮 天神真楊流柔術奉納額

京都の北野天満宮は、天神真楊流柔術開祖の磯又右衛門が開眼した場所。

つまり天神真楊流にとっては聖地なのである。

ここで明治時代まで関西方面の天神真楊流柔術師範たちによって奉納演武が行われていたことは想像に難くない。

天神真楊流柔術は現在でも伝えられているが、北野天満宮で奉納演武が行われているということは聞いたことがない。

実はその北野天満宮の絵馬堂に天神真楊流柔術の奉納額が掲げられている。

これを知る人は今ではほとんど皆無であろう。

それに加えて、この奉納額の前には別の大きな額が掲げられていて、額面がほとんど見えないのである。

ここの絵馬堂の額は、八坂神社の絵馬堂の額と同じく京都市の文化財に指定されており、勝手に移動ができないという。移動するためには何と十万円の費用がかかるということ。

それで、社務所の職員に写真の撮影をお願いした。

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前の額が邪魔をしているために、横からカメラを差し入れての苦心の撮影である。

奉納の願主は荻野元之進柳道斎という初見の人物。

道場名は政武館という。

門人として和田宗七郎正秀、藤井好正正清、三木菊治郎正種、倉谷竜蔵正次、上田宗太郎正道、前川善七正忠、森田喜三郎清武、高田定治郎清信、澤木高一郎清虎以下、多数が列記されている。

この奉納額が特異なのは、他の道場の三人の師範が額の左上に名を連ねていることである。

三人の師範とは天神真楊流上田権平柳玉斎、真之神道流中村雄四郎柳力斎、神伝不動流鷺谷平三郎等栄。

他には中村の門人林治左衛門柳雪斎、天神真楊流久野長虎柳有斎、上田の門人奥川信治郎柳好斎の名も見える。

残念なことに社務所職員が額の上部に取り付けてある肝心の木箱の中身を確認せず、巻物が現存しているかどうかわからない。

巻物は天神真楊流の天・地・人の巻に違いない。

古武道を修行する者は単に技術の習得だけではなく、このような文化財の調査も心掛けていただきたいものである。
by japanbujutsu | 2013-04-18 18:06 | 武術論考の部屋 Study

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