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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

一刀に対する見解

一刀に対する見解

現在、伝承されている二天一流は二系統に大別される。

(一) 野田派二天一流
(二) 山東派二天一流
 ※当協会が伝承する二天一流は野田派に属するが、現在熊本に伝承している野田派と区別するために村上派兵法天下一二天一流と名乗っている。

両派ともに流祖宮本武蔵玄信の次代寺尾求馬助信行の流れを汲むが、その次の代から分派しており、その両系統が残ったことは素晴らしいことである。

しかし、残念なことに、この二つの系統は同じ九州にありながら反目を続けており、交流がなされていない。

筆者は今の時代だからこそ、全国の二天一流が一堂に会して演武会を開催することを待ち望んでいる。

さて、本題に入ろう。

山東派は大正期から昭和にかけて、名人青木規矩男により熊本と大分に伝えられた。この山東派には「勢法一刀之太刀」や「勢法一刀小太刀」なる形が伝えられている。しかし、これらの形は宮本武蔵の時代にはなかった。元々二天一流には存在しない形である。兵法二天一流の原形は「五方之形」、これだけである

現在の研究によれば、これらの形は熊本藩伝新陰流からの採用であることが明らかにされている。

武術を藩校の教育として教える場合、流儀の体系がたった五本の形しかないことは、甚だ都合が悪い。二代藩主細川忠利は新陰流の免許皆伝で、晩年の武蔵を招いていることからも、この両方の流儀がその後、藩校で教授される際に、混入したことが考えられる。

泰平な世の中にあって、二天一流だけでは、教授が成り立たないことは、山東派が楊心流柔・居合・薙刀・棒、関口流抜刀などを併伝し、また、野田派が伯耆流居合や当理流小具足などを併伝していたことでもよくわかる。

元来、野田派には五方之形しか存在しないものを、山東派に対抗するためにどこからか一刀の形を持ち込んで、あたかも古伝の如く装飾したり、五方之形しか伝えていない系統を免許皆伝ではないなどと批判をするなど、大変に見苦しい誹謗合戦が行われている。

大体、流祖宮本武蔵は『五輪書』において、「・・・みな片手にて太刀をつかふものなれば、両手にて太刀をかまゆる事、実の道にあらず」と断言しているのであり、一刀勢法を完全に否定している。だから武蔵自身、晩年に創始した二天一流に一刀の形は採用していない。

だから、真の二天一流は「五方之形のみ」である。

筆者は山東派において一刀勢法を伝えているのを批判するつもりは毛頭ない。山東派の人々が野田派を評して「あそこは五方之形しかないじゃないか、それでは二天一流の免許皆伝だとは言えない、云々」と他派を批判する態度が醜いと言っているのである。

松永展幸師範が鶴田三雄師範から学んだ二天一流は何の装飾も増補もない、純粋な五方之形そのものであり、その形は荒関師範から会長に一点も崩さず、伝承されている。

松永展幸が伝えた二天一流は現在、熊本に伝えられている野田派二天一流とは、形・趣・速さ・姿勢のすべてが異なっている。

以下は松永が示す二天一流の正しい勢法

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by japanbujutsu | 2013-05-26 12:14 | 兵法二天一流 Nitenichi ryu

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