鉄尺(双釵)
鉄尺(双釵=日本ではサイという)の我がコレクションは百丁以上になり、日本最大の蔵品となっている。
鉄尺は中国から拳法と同時に沖縄に伝えられ、さらに本土に伝えられた双兵器である。
詳細は拙著『金鷹拳』に述べたが、沖縄でのサイの使い方は誤っている。
この短兵器も古い時代には一本で使い、反転させて棒身を手前に廻し、把部で突く技法は古くは存在しなかった。
鉄尺が実用から隔離し、拳法の兵器として採用されると、芸術性を帯びてきて、上記のような技法も見られるようになった。
鉄尺の鍵は兵器を受けるためのもので、反転して指に掛けるためのものではない。
今回紹介した鉄尺は明末清初の極めて貴重なものであり、すべて一本使いの時代のものである。