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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

居合の画一化傾向について

居合の画一化傾向について

文化というものは交流をすれば純粋な要素が薄められていくのは世の常である。

しかし、今、世界では民族独自のオリジナルな文化を残そうとする気運が高まっている。

日本でも文部科学省は学校教育の場で伝統文化を学ぶ機会を持つよう、指導要領で謳っている。

しかし、それは文字だけの伝達であって、それに真面目に取り組んでいる学校は極めて少数である。

それは具体的な方策を示さない政府に問題があるのであり、こんなことを謳っても日本の文化は衰退の一途を辿るだけである。

純粋な民族文化を残すということで、今回述べるのは、昭和以降の居合術における形・技法の画一化傾向についてである。

各流儀にはそれぞれの個性があってしかるべきである。

個性がなくなったら流儀ではない。

ところが戦後、各武道に連盟組織ができ、いろいろな流派が加盟するようになった。

そのこと自体はたいへん喜ばしいことである。

しかし、やはり影響力の強いものはどのような団体にも存在するのであり、これが居合の場合には英信流と夢想神伝流であったわけである。

何年か前、京都大会の居合の演武を見て、さすがに一時間ほどで武徳殿を出てきたことがある。

次から次へと入れ替わる演武者。

そしてそのほとんどの演武者が、似たり寄ったりの形を行っている。

10分も見ていると、形を覚えてしまうほど、皆同じことをしている。

違う流派もときどき登場はするが、動作はほとんど夢想神伝流と変わらず、何とも個性のない演武である。

これは連盟に所属すると「制定形」をやらされるために、どこの流派も少なからずその影響に染まってしまう。

そのため古流独特の所作を蔑ろにしてしまい、いつしか夢想神伝流とそっくりになっていく。

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だから筆者はどこの連盟にも入らないし、現代人の創った制定形などを稽古するつもりもまったくない。

現在、頑なに古流の所作を墨守して稽古している流儀がどれほどあるだろうか。

少なくとも全日本剣道連盟加入流派には一つも存在しない。
by japanbujutsu | 2013-10-05 17:53 | 技法研究の部屋 Skill

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