ブログトップ

国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

japanbujut.exblog.jp

本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

剣術における「切り結ぶ」技法の意義

剣術における「切り結ぶ」技法の意義

剣術には「切り結ぶ」という技法がある。

b0287744_21453633.jpg


剣術で双方が正眼に構えたときの間合いは六尺が基本である。

だから切り結ぶという互いの「物打」が交わる間合いはそれより少し詰まる。

この切り結ぶという技法は、剣術の形において、互いに手の内を確認し合い、仕太刀が攻撃の間に入る序として行う動作である。

決して攻撃や防御の間合いではない。

ここが大切である。

この未だ、双方が攻防の間に入らず、得物を打ち合う「切り結び」は棒術では「合(ごう)」という。

たとえば、打太刀が攻防の間合いに入り(仮に左足を前とする)、仕太刀が袈裟にその左肩(首)を切ってきたとする。

そのとき、打太刀は左足を引いて切り結ぶ動作となる。

この時の切り結ぶ動作は、仕太刀が「切る」という動作を起こしているのであり、攻防の技法として成立する。

しかし、剣術形などに見られる双方が六尺以上離れた状態で、最初から切り結ぶことを前提として切り結ぶのは、剣術形を構成させる序の動作にすぎないのである。

だからこの双方が離れた状態で切り結ぶとき、仕太刀がその切り込みを外して攻撃をするというような技法は剣術の技として成立しない。

敵の攻撃が自分に届くからそれを外し、あるいは受け流し、受け止めて反撃するから意義がある。

そしてもう一つ。

敵を切ろうとしたとき、我の剣がその軌道の中間地点を過ぎた場合、軌道修正はできない。

双方が切る間合いに入らず、互いに相手のいない場所で切り結ぶのは、互いに仮想の敵を切る動作でもあるわけだから、その途中で軌道修正をして攻撃をするというのは非常に不合理であり、剣の速度は極端に失速する。

形における技の意義を取り違えると、武術の真意はまったく伝わらない。
by japanbujutsu | 2013-10-29 21:50 | 技法研究の部屋 Skill

by japanbujutsu