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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

柔術技法の研究 『拳法図』 その2 太刀対太刀

柔術技法の研究 『拳法図』 その2 太刀対太刀

この技法図は非常にいろいろな示唆を与えてくれる。

現在、古武道を修行している人たちが、本当の古流の所作・構え・姿勢を知らずして、盲目的に稽古をしているのを見るに付け、いろいろなことを考えさせられてしまう。

はたしてそれは本当に古流なのだろうかと。

師範の教え、流儀の教えは絶対的に正しいと言わざるを得ないが、どこかの代(ほとんどは昭和の戦後)で変質している可能性もあり、多数決で多数派に流されるようなことがあってはならないのである。

他流との違いが古流の古流たる所以であり、これこそ他流が何を言おうが、墨守していかなければならない部分である。

古流の体動ができないからといって、容易な所作に変えてしまっているということも、いろいろな流派で見聞しているが、まことに情けない話しである。

また、協会や連盟といった組織に加盟して、他流と演武交流していくと、次第にそれぞれの流派が似た体動になってきてしまうという現象も珍しいことではない。

酷いのになると、自分が以前に学んだ流儀を新たに学んだ流儀に同化させてしまうというような例もいろいろ見聞した。

さて、それでは本題に入る。

次の絵図を見ていただきたい。

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柔術技法であるが、我敵双方が太刀を使った想定である。

黒衣が勝方、すなわち捕りである。絵師のミスで受けの太刀の刃が下を向いている。手の様子からすれば、太刀の刃は右向きの横一文字に抜いた形になっているはずである。

まず双方の腰の位置をみると、尻に踵がついている。これは江戸時代の片膝立ちの姿勢によく現れるのであるが、現在、居合でこのような姿勢で抜き放つ流儀はほとんど見ることがない。

そして捕りの切り下ろした太刀の位置。床に拳と太刀が着くほど深く切り込んでいる。これは現在行われている流儀では、関口流抜刀術がこれに近い形で斬り下ろす。

連盟に所属すると、制定居合をやらされ、切っ先が床から何センチ、などと細かく指導されるため、それが支配的かつ普遍的になってしまい、古流もそれに流されてしまった例を散見する。

この両者はこれからどんな展開になるのだろうか。
by japanbujutsu | 2014-02-02 13:30 | 技法研究の部屋 Skill

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