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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

『柔道にはなぜ黒帯があるの?』の間違い訂正

『柔道にはなぜ黒帯があるの?』の間違い訂正

すでに古書の部類になってしまったが、『先生なぜですか 武道編 柔道にはなぜ黒帯があるの?』(1991、大修館書店)には誤った記述が散見される。
古流柔術の歴史や文化をしっかり研究したことのない者が軽薄な知識と体験無き認識で記述するから、とんでもない誤りを各所で犯している。特に「柔道」の項目に多い。

その誤った認識による誤った記述について、どうしても訂正しなければならない部分を抽出して、正しい解答を解説する。

■柔道Q2 柔道には、なぜ「道」という文字がつくのですか。
この解答の中の一部分。
「また、技の原理として「崩し」、「作り」、「掛け」を明らかにしたことや、それまでの柔術では攻撃と防御によって分類されていた技を、投げ技、固め技、当て身技に大別し、それぞれをさらに技をかけるときに使う身体の部位などによって理論的に体系化したことなどにもその新しさをみることができます」

■訂正解説
まず、古流柔術の技にはすでにしっかりと崩し、作り、掛けの教えがあり、稽古の際には詳細に口伝される。解答者は古流柔術を稽古したことがないと思われる。柔術に見られる柔道が捨てた当身や逆手はすべて崩しや作りのための技であることは、一度でも柔術を稽古すれば誰でも体感できることである。

投げ技、固め技、当て身技はすでに古流柔術各派で大別されている。
たとえば投げ技は、楊心流系統、不遷流、神道北窓流、竹内流傍系、無双流などでしっかりと体系化されているし、固め技もそれらの流儀に加えて、関口流や小栗流では早い時代から体系化されていた。

講道館柔道はそれらを「再編成」したのに過ぎない。

下の画像は豊橋に伝承した一心流柔術の伝書であるが、明治二年に乱捕が制定され、「崩し」と「作り」が厳しく指導された。「一體」、「足裏半強」というのが、その口伝である。

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by japanbujutsu | 2014-03-09 17:09 | 武術論考の部屋 Study

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