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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

撃剣(剣道)の足構えその他

撃剣(剣道)の足構えその他

ここに幕末の撃剣、すなわち竹刀剣術仕合における正眼の構えの古写真がある。
現代競技剣道との違いをみながら説明してみたい。

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まず、間合いが極めて近い。鍔迫り合いの場面ではないから、これが双方正眼で対したときの構えである。
また、竹刀の柄が長く、両手の間隔もかなり広い。
そして一番の特徴は両足の踵が浮かずに、爪先を外に向けた「撞木足」になっていることである。
人間の体構造では、この足構えがもっとも「自然体」なのである。

次に、現代剣道を見てみよう。

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間合いは広く、両手幅は狭く、両足の爪先は前を向いている。
斬るのではなく、飛び込んで当てるにはこの方が便利なのだろう。
しかし、ほとんどの場合は打った後、勢い余ってそのまま前に突進してしまう。
実戦の剣術ではこんなことはありえない。

子どもに剣道を教えるとき、この爪先の向きを矯正するのに、非常に手間がかかる。
それはこの両足の爪先を前を向けることが、人間の自然の行動則とは著しく異なるためである。

真の武術(古武道)を学ばんとする者は、明治以降に創られた不自然で不合理な行動則は捨てなければいけない。
居合でも全日本剣道連盟と関係を持つ流儀の居合や戦後に新作された居合は、両足の爪先が前を向く無双直伝英信流の影響を強く受けたため、本来は撞木足であるはずの古流の足構えでさえも平行足に統一されてしまっている。驚くべきことに斬り方まですべての流派が同じになってしまったのはどういうことだろう。もはやそこには「流派」はない。
by japanbujutsu | 2014-06-01 17:38 | 技法研究の部屋 Skill

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