ブログトップ

国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

japanbujut.exblog.jp

本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

関口流抜刀の内容

関口流抜刀の内容

関口流居合本来の形数は、居合十一本、立合五本の計十六本だけである。

しかし、後世、これだけでは武術教授は成り立たず、諸藩では多くの形を付加していった。

元来の十六本の形は以下のとおりである。

居合
 左剣  手拍子  青柳刀  笹露  雲打  恋剣
中段居合
 流星  横雲  小続松  下藤  車返
立合抜打
 八重垣  蟷螂剣  滝流  腰車  一勺抜

b0287744_1684871.jpg
                              紀州関口流の「笹露」


b0287744_16104448.jpg
                            古伝の居合形を解説した伝書



これらのうち、熊本藩関口流抜刀に伝承されたのは、最初の十一本だけである。
そして、その十一本はかなり早い時代に次のように改称されてしまった。( )内は古伝名称。

抜打先之先身之金之事(左剣)
抜打込三寸金之事(手拍子)
左押飛違(篠露)
左抜打先之先(青柳刀)
右冠込飛違(雲井刀)
右抜打先之先(恋剣)
上ケ太刀(乱星)
車剣(横雲)
立刃押切込(小明松)
左留太刀(下藤)
巡懸切留(車返)

十四代青木規矩男は、この十一本の最後に「後抜打先之先」を加えて十二本とし、さらに小太刀五本、懐剣五本、奥之五本を加えて、これを熊本と大分に伝えた。

また、岐阜の亀谷鎮は八重垣、蟷螂剣、滝流、腰車、一勺抜の五本、袖抜三本、さらに多くの立合・居合形を加えて、流儀の大成化を試みた。これらは現在、静岡県の駿河館が継承している。

これらの改編はいつの時代も達人たちによって行われてきたことであり、流儀の伝承に関して何ら問題のあることではないが、同じ流儀でありながら内容に統一性を欠くために、各派で対立が生じているのも事実である。

改編の例として、例えば彦根藩では、次のように増補がなされている。この系統からは後に藩主井伊直弼が傑出し、新心新流を創始している。

居相表之次第
 左剣  無布施経  青柳刀  手拍子  篠露  恋剣  雲井刀 太刀打之大事
中段
 乱星  横雲  小明松  下藤  車返
四之表
 百花剣  涼風剣   秋月剣  冬雪剣
四ッ之裏
 風露剣  濨衣  生死還  北心剣
立相
 乱左剣  行違  十字  重字剣  心明剣

b0287744_16141148.jpg
                          彦根藩伝新心流居合絵目録

by japanbujutsu | 2014-05-14 15:34 | 関口流抜刀 Sekiguchi ryu

by japanbujutsu