直心影流長巻 jikishinkage ryu nagamaki
今回も『武道図解秘訣』から長巻(長刀、薙刀)の形を紹介する。
男薙刀で図解されているところが非常に興味深く、考証の参考資料としても有益である。
図解されている形は九手を連続して行う非常に見事な技で構成されている。
「礼法」
四間半の間合いから双方進み、長刀と木刀を十文字にして置いて一礼。
「鐺り返」
長刀は右足を進め、右手に鐺を後ろに床に着くようにして提げ、切先は前に刃を下にして構える。
木刀は正眼。
「腹切」
長刀が柄尻で太刀を下に押さえつける。
木刀が上段にとるのを、長刀は左足を進め、右脇腹を刃部で切る。
「片手上段」
木刀は右足を引き袈裟に受ける。
長刀は両足を揃えて上段にとり、左足を引いて真っ向に打つ。
木刀は両足を揃えて木刀を立てて、長刀を受ける。
「明門砕」
長刀は左足を出して陰嚢を鐺で突く。
木刀は右足を引き、太刀で左より右に払う。
「横面切」
長刀は再度右足を進めて木刀の左面を切る。
木刀を立てて両足を揃え、受ける。
「裏手返」
長刀は左足を引いて今度は右横面を切る。
木刀は立てたまま右に返して受ける。
「八艘」
長刀を下げて後方に三、四歩下がる。
木刀を上段に構えて、三、四歩出る。
長刀を体前に立てる。
上段のまま構える。
「車切」
左足を踏み込み、木刀の右足を切る。
木刀は右足を引き、受け止める。
長刀は右足を出し、木刀の左足を切る。
木刀は左足を引き、受ける。
「兜割」
長刀は振りかぶり真っ向に切る。
左足を少し引き上段。
切り込む長刀を体をかわして切先を木刀で押さえる。
このような優れた形は、道場で研修することをお勧めする。