ブログトップ

国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

japanbujut.exblog.jp

本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

柔術と剣術のすすめ

柔術と剣術のすすめ

武術の稽古では実際に敵を殺傷できないので、自分の技術が実戦で有効かどうかを確かめることはできない。
武芸は武士の教養であり、文化であり、体育であるから、実戦よりも形式を重んじて然りである。
しかし、武術の本質が「技術」である以上、有効性を求めるのはあながち間違いでもない。

居合に「試し斬り」というのがあるが、所詮藁は動かない。だからそれを技術の稽古だと勘違いしてはならない。刀の切れ味を試しているだけである。敵が動いていれば、使いものにならない試し斬りばかりである。それは武術の本質とはまったく関係がない。早く抜く稽古は模擬刀でもできる。
試し斬りは人に見せるものではないと思う。むしろ誰もいない場所でするのが本意ではなかろうか。

b0287744_14474460.jpg

                江戸期の試し斬りの様子を描いている珍しい文献(『一掃百態』)


ところが柔術は実際に技ができないと形にならないのである。だから効力が敵に直通するわけである。理論にしたがって技術を駆使しないと敵を倒すことができない。あらゆる武術が受身の稽古をすべきだと思うが、受身を稽古するのは、実際に倒れることが多い柔術だけである。
柔術は身体や力の使い方を学ぶのに最適な武術である。技がかかると痛いし、怪我だって茶飯事である。これを恐れていて稽古はできない。
柔術は力の入れ方(力学)や技を掛ける角度・速さ(物理学)を学ぶ、身体表現文化でもある。
武器術しか稽古していない人たちには、柔術を学ぶべきである。

また、柔術しか興味がない者もダメで、武士の稽古事である以上、少なくても剣術か居合のどちらか一つでも学ぶべきではないだろうか。古い時代の武術の多くは総合武術であったため、一つの流儀で何でも修行できたが、今では単科の流儀が多くなってしまった。

酷い場合には、他の道場に入門したら「破門」だという。
武術が本当に好きな者は複数の道場に「学ぶべき」だと私は思う。
他流を学ぶことで、それまで自分が学んできた武術に関する見識が深められることは間違いない。
by japanbujutsu | 2014-07-28 17:22 | 武術論考の部屋 Study

by japanbujutsu