靖国神社奉納武道大会
昭和四年五月一日、千葉長作を会長とする日本武道会主催の靖国神社春季例大祭・第65回奉納武道大会で、中澤流護身術を演武した五味梅子が優勝した。
今、その賞状を筆者が所蔵している。
五味梅子は開祖中澤蘇伯と同郷の山梨県人と思われ、翌昭和5年に建設された山梨顯修館道場完成に尽力し、顯修館師範浅井氏から感謝状を与えられた五味清重はその父ではなかろうか。
千葉長作
1860-1935 明治-昭和時代前期の武道家。
万延元年生まれ。13歳で全国武者修行にでる。20歳のころ山岡鉄舟に無刀流を学ぶ。甲府に共撃館、横浜に日本講武会を設立。明治40年、矢吹秀一と東京本郷に日本武道会を創立、会長となる。昭和10年1月5日死去。76歳。山梨県身延出身。本姓は地場。号は如山。大正2年、千葉周作の子、東一郎の武門(千葉道場)を継ぎ、自宅道場で多くの門弟を養成した。また、各地で武道大会を開催し、靖国神社で毎年春秋2回の奉納武道大会を開催するなどして、武道の発展に寄与した。しかし、実質的な彼の後継者はいない。