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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

謎多き二つの本とそこに書かれた二刀流

謎多き二つの本とそこに書かれた二刀流

世の中の武道書を批判しても仕方がない。
必要なのは購入する人間が良否を見極めることである。
レベルが低くても、内容が杜撰でも売れるならば、出版社は引き受ける。
たとえそれが文化を阻害するような低俗本であってもである。

さて、ここで紹介する二冊の本は『二刀流を語る』と『宮本武蔵 二刀一流の解説』である。

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ともに謎に包まれた著者による、杜撰な内容の本であるが、ところどころに書かれている「真実」と「意外」は二天一流の参考になることは否めない。

特に筆者が伝承している新免二刀流は、この二著にいろいろなヒントを与えられている。
新免二刀流の戦前までの系譜は明らかではない。
それはこの流儀が純然たる古流ではなく、竹刀剣術を伝える流儀であったためであり、伝書もなく、その師系列を失っているからである。

しかし、偶然にも、この二著の中には新免二刀流の口伝がいろいろと出ている。
特に『二刀流を語る』の著者吉田精顕は越後系の二天一流を解説している向きがあり、これは新免二刀流の原伝承地であるとされる越後に一致している。
『宮本武蔵 二刀一流の解説』については、形を簡易なイラストで描いていて、何となくその技法を察することができるが、吉田ともども経歴が一切書かれていない。

このことからも、両人が二天一流の相伝者ではないことがわかる。
もし、どなたか、この両人のことを何かご存じであったら、情報をいただければ幸甚である。
by japanbujutsu | 2014-09-18 17:56 | 兵法二天一流 Nitenichi ryū

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