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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

関口流抜刀の抜き付け

関口流抜刀の抜き付け

現在、伝承されている関口流抜刀(居合)は和歌山の本家を除けばすべてが熊本伝の青木規矩男が相伝した系統である。

その居合の形の中で、肝心要の動作「抜き付け」が正確に演じられていない向きがある。

何が正確で、何が不正確かということを客観的に判断できる材料(資料)は青木が演じる形の写真である。
幸いなことに、青木は関口流抜刀の全形を写真に撮影して、流儀の相伝と共にこれを授けたのである。
この写真の形と異なる業前を演じていて「これが本当の抜き方だ」と主張するのは真に説得力がない。

青木は「抜打先之先」の形における抜き付けを次のように行っている。
すなわち、柄を顔の真横に引き上げて、右足を出し(出し方は口伝につき省略)、左足を大きく後方に退いて(引き方は口伝)真上に抜き付ける。

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左足を大きく引くので歩幅が広い。残念ながらこの足捌きでさえ、すでにほとんどの道場で失伝している。
また、ほとんどの道場では刀を前に抜き出してから振りかぶっているが、これでは先之先を取ることは不可能である(先之先の取り方も口伝)。
そしてこの足幅の広い構えからは高く跳躍することは不可能である。現在、いくつかの系統では飛び違いの動作を高く跳躍して行っているが、あれでは飛び違いの動作は意味がなく、体に働く力は重力だけになってしまう。
飛び違いの動作は左右の足を踏み換える力で体を右半身から左半身に移し、その変換力で斬るのであって、重力で斬るのではない。
基本的には抜き付けてから斬るまで頭の高さは変えてはいけない。
この一動作を見ても失伝がいくつもあることがわかる。
人によって趣が異なるのは仕方のない現象であるが、技の根本原理だけは崩してはならない。

柄は顔の横まで引き上げる。

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左足を大きく引いて真上に抜き上げる。一切は口伝。

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by japanbujutsu | 2014-10-24 17:19 | 関口流抜刀 Sekiguchi ryu

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