笹之露
関口流居合に「笹之露」という形がある。
肥後伝関口流抜刀術では、この図のときの理合は、切っ先で敵の水月を突くことになっているが、図では水月を突いていない。
抜こうとしている敵の右小手を止めているように見える。
だから切っ先は下に向けて、正中線に立てている。
爪先は前後に向けた完全一重身であり、日本武術の伝統的体構えを正確に書き表している。
『南紀徳川史』では、関口流の居合刀を無反りとしているが、この絵では明らかに反りが見られる。
刀身も三尺以上あるようにはとても思えない。
こうした絵図からはさまざまな日本武術における故実を学ぶことができる。