日本武芸新聞 『水月』 155号 発行
武術を長年修行・愛好されている方々にご購読いただいている日本武芸新聞 『水月 』 の155号が発行された。
真の古武道を理解し、研究されている先生方には創刊号(昭和61年発行)からご講読いただいている。
今号にはまず連載の「関口流抜刀術考(第34回)」、「穴澤流薙刀に関する考察」(山根章氏)、「時代劇考証のデタラメと捏造を糾す 鎖鎌の謎」(平上信行氏)の他、日本綜武道連合会埼玉綜武館長祖父江利久氏の「武田流柔術極秘伝の考察」、そして「伝書講読 不伝流居相」、また、武術論考として「あまりにも醜い居合の鈍化」を載せた。
古武道には文化と歴史がある。
たまたま近所に居合の道場があったから入門した、という人たちは流儀など関係なく、ましてやその文化や歴史などにはまったく興味がないのかもしれない。しかし、長年武術を続け、日本の伝統文化に携わるのなら、少しぐらいは武術の文化や歴史を学ぶ必要があろう。武術はスポーツではないから、技術だけを学べばいいというものではない。武術家の集まりで、周囲にいる人たちの会話を聞いているとデタラメが飛び交っている。そして自分の流派のことでさえも何も知らない。啓蒙したいが、自覚のない人たちには何を説いても無駄である。