ブログトップ

国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

japanbujut.exblog.jp

本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

山伏と武術 Yamabushi and Bujutsu

山伏と武術 Yamabushi and Bujutsu

最近、山伏に憧れているヨーロッパ人がいて、わが協会の会員にもそれらが散見される。
それはそれでいいのであるが、日本で山伏を自称している人たちが、勝手な解釈で山伏の偽情報を海外に発信しているのは困りものである。

その一例。
「山伏が白い装束を着るのは、山伏が死の状態で山に入るため云々」。
どうだろう、この説明。
酷いものだ。

山伏が白い装束を着るのは言うまでもなく、聖域である(神の宿る)山に入るためであり、身の潔白を表しているのである。しかし、古の山伏の装束は白を基調としながらも、かなり派手な装束を身に纏っていたことは諸記録に見えるところである。
b0287744_21432366.jpg

b0287744_2143566.png


また、武術の流祖が山伏から秘伝を受けて開眼する話は多くの流派に見られるところであるが、これは山伏がさまざまな法術を自在に操る力を持っていて、しかも、それら山伏は俗界から隔離された深山で生活しているから、夢想の中で神力を得て開眼するというドラマの制作には都合がよいのである。
竹内流の祖、竹内久盛が夢中に秘術を授けられた山伏は、伊達某という実在人物である。しかし、伊達某が山伏であるかは資料を欠き確証を得ない。

山伏は、上図に見るとおり、頭に頭襟という多角形の小さな帽子のような物を付け、手には錫杖を持つ。袈裟と、篠懸という麻の法衣を身に纏う。また、山中での互いの連絡や合図のために、ほら貝を加工した楽器を持つ。

天狗や烏天狗は、山伏の装束を身に纏うとされた。
武術伝書に天狗や烏天狗がよく描かれているのは、これを山伏と見立てているからである。
下は北信濃伝無双直伝流の伝書に描かれた烏天狗の図である。
大木の切り株に坐している。
b0287744_21552021.jpg

by japanbujutsu | 2015-06-02 17:33 | 武術論考の部屋 Study

by japanbujutsu