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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

伝書釈義 神道無念流目録 ④ 兵法の至極

伝書釈義 神道無念流目録 ④ 兵法の至極

目録の「人心」 の次は兵法の至極について書かれている。
それまでは楷書で書かれているが、この文だけは草書で書かれている。

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兵法の至極は唯こころひとつに工夫肝要なり。然は術の業は色々にあやありて、ととまる処の妙剣は中の一字にきわまりて、別の事さらになし。敵にむかへ勝負の妙道あり。一心常にこころを主人として、うちにあれは実に其屋不能入外容、一大事有之乎

文中にある「中の一字」について『神道無念流剣術免許弁解』では次のように述べている。

離於い強弱柔剛而以中一字体配之也
それ故強き弱き柔か剛きなど云ものには、とんとはなれて論することなし。ただかたよらず、まがらぬ処の中の一字を我身にひたと引受あはせるなり。中の字は一尺の物五寸を中とする意にてはなし。天地の備はりたる処を中と云也。一尺のものにて二寸の処に中の有ることもあるべし。又五寸七寸の処にあることも有べし。物をはかりに掛て、ふんどの留る処先つ中の意なり。それをいつも五寸の処を中と思へば、大なるあやまりなり。体は中庸の体群臣とある処の注に猶接納とあり。まじはるの意なり。又礼記文王世子の篇に体異性と云処の注に猶連結とあり。つらなりむすぶの意なり。配は配偶配合などの熟字ありてならぶとよみ、又あはすの意なり。さすればこの体配は中の一字を我身へまじわりつらねて一つに合すると云ふこと也。

つまり、この「中」を自分の心と一つにすれば歪みもなく、偏りもなく、天理は心にある故に真に「一円」になると説く。自分から切ったり、打ったり、捕らえたりせず、何もすることはない。それは明月が澄み渡り、万物を照らしても別にすることはないのと同じであり、これを「未発」と言って、これが剣術の至極の妙要だと説いている。

よくよく吟味すべし。
by japanbujutsu | 2015-06-12 17:50 | 神道無念流居合 Munen ryu

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