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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

掛け声のこと

掛け声のこと

まず、世間の人たちの大きな誤解を指摘しておく。
武術・武道をする日本国内外の多くの者は掛け声と気合いの区別ができていない。
日本人の指導者が誤ったことを海外で教えるから、彼らはろくな知識を持っていない。
気合いは声を発しなくても掛けることができる。
掛け声は確かに気合いの一部ではあるが、そのすべてではない。
そのところの区別・研究を指導者はしっかりとしてほしい。

筆者はこれまで掛け声のない流派・武術を修行したことがない。
だから、個人的には掛け声のない武術は武術ではないと思っている。
その点、スポーツ競技の剣道などは掛け声を重視しているから、まだ武術の一面を少しは保持しているといえる。

さて、神道無念流では「懸声の事(利)」として次のように説いている。

勇気を増し、太刀の勢を加え敵を威嚇し、其挙動を制す。是によって精神を緊張せしめ、心身の勢力を集注し得るものなり。懸声も一種の武器なり、三つの声と称することあり。其の一は勝を知らす声と云。勝ちて後大きく声をかくれば、敵は其の声に驚き其のまま畏怖して、続いて打出し得ざるものなり。(以下略)

仙台藩伝浅山一伝流柔術・小山一刀流剣術の達人、相澤永長斎は、いかなる敵も掛け声一つで動けなくしてしまったという。その掛け声は稲妻よりも大きく、聞いた者は剣を交えることなくその場に卒倒したという。

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画像は甲高い掛け声を発して形を打つ力信流棒術。
岡山県畑鮎村の古の稽古では、山地一帯にその声が響き渡り、「また棒の稽古が始まった」と、それが村人たちの口癖だったという。
by japanbujutsu | 2015-06-22 17:02 | 神道無念流居合 Munen ryu

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