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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

『剣道独稽古』のデタラメを暴く

『剣道独稽古』のデタラメを暴く

まずは『剣道独稽古』のイラストを見ていただこう。

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読者諸賢はこのイラストのデタラメをいくつ見抜けるだろうか。
江戸時代においてすでにこのような矛盾に満ちたスタイルが絵師によって描かれているのは武術の故実を探究する者にとって大きな迷惑である。
浅薄な知識で描かれた想像と創作に満ちた絵はどうしようもない。

それでは天狗から。
まず、鞘に目をやると甲冑着装時の太刀下げスタイル、すなわち刃側が下を向いている。
百歩譲って鞘返しの抜き上げからそのまま鞘を返さずに上段に構えたとしよう。
ところがである。
刀を見ると明らかに打刀ではなく、無反り諸刃の「剣(つるぎ)」である。
これでは剣が鞘に納まらない。
大小差しの女性の太刀鞘もひっくり返っていて、剣を構えている。
大きく見開いた天狗の目と閉じた女性の目は合っていない。
女性は天狗の剣を心の目で見ていると言いたいところであるが。
新陰流の乱勝を想定しているのだろうが、あまりにもひどすぎる。
江戸の文献にも注意が必要である。

かつて某柔術流儀の絵伝書を見たら、受の突きが空手式になっていて、すぐに今出来の絵であることがばれたが、今も昔も変わりはしない。
by japanbujutsu | 2015-06-26 20:04 | 武術論考の部屋 Study

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