仙台藩伝羅漢拳の介錯 ③ 胴附之事
胴付は据物斬において斬り付ける胴の箇所を示すものである。
据物斬は将軍の佩刀などのために特に厳粛な儀式として執り行われた。
その方法は、地面に竹の杭を数本打ち立て、その間に死体を挟んで固定する。
僧侶、婦女、賎民、廃疾者などの死体は用いない。
死体を置き据えるときは、死体の右の方を上に、左の方を下にして、また、背中は斬る人のほうに向ける。
刀には堅木のつかをはめ、重い鉛のつばを加える。
斬る箇所は、第一に摺付(肩の辺)、第二に毛無(脇毛の上の方)、第三に脇毛の生えた箇所、第四に一の胴、第五に二の胴、第六に八枚目、第七に両車(腰部)である。
以上の箇所を斬ってその利鈍を試みる。
仙台藩伝羅漢拳の介錯においては胴体の上部より第一に脇毛、第二に雁金、第三に乳の下、第四に大雁金、第五に一の胴、第六に二の胴、第七に車、第八に置据、となっている。