盗作伝書 水野一伝流
盗作というのは昔から行われている。
金沢藩に伝承した水野一伝流剣術の明治期に発行された伝書は、柳剛流剣術切紙の伝書をほぼそのまま盗作している。
流祖水野伴十郎利忠は天保頃の人というから、明和2年(1765)生まれの柳剛流祖岡田惣右衛門より明らかに後代の人物である。
水野の師匠は猪嘯流元祖の高木紋太郎義勝であり、柳剛流との接点は見られない。
歴代師範の誰かが柳剛流を相伝して、その伝書を付加したのであろうか。
伝書の盗作は他流においても見られる。
小野派一刀流剣術 → 大東流合気柔術
神道無念流剣術 → 不遷流柔術
武藏流剣術 → 八戸藩伝神道無念流剣術
現代においても日本少林寺拳法の理論は中澤流護身術のそれをそのまま盗用したりしている。