木刀仕合のこと
木刀による仕合の疑問については、これまでも何回か述べた。
木刀は本来、形稽古のために作られ、使用される。
こんなもので仕合(現今は 「試合」 の文字で統一) をしたら怪我は必須、場合によっては死に至る。
寸止めなど剣術の仕合でできるはずもない。
実際にこのような命がけの試合を行ったのだろうか。
疑問はなかなか解決しない。
しかし、この木刀仕合の様子が、多くの錦絵に描かれているのはどういうことだろう。
今回、紹介するのは『敵討巌流島』の試合場面。
宮本武蔵は一足立ち(前回の記事参照)に立ち、木刀による二刀で敵を制している。
相手の集団の中には防具を着けている者もいて、彼らの得物は稽古槍であることがわかる。
どうしても納得できない。
(完)