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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

稽古帯のこと

稽古帯のこと

愚問に答えるのは実に煩わしいことである。
先日、FBで、ヨーロッパのある武道修行者から 「なぜ袴の上に帯を締めるのか」 という呆れた質問がきた。
あたかもそれが間違いであるかの如くである。
途中で回答を放棄したが、彼らには古流の慣習を知るための情報が皆無なのである。
合気道が為す柔道帯をした上から袴を着ける異様なスタイルを正しいとさえ思っているのだからどうしようもない。
先入観を改めさせるのは容易なことではない。
だから途中で議論を放棄したのであるが、英語で回りくどく説明するのも実に苦痛と言えば苦痛なのである。
八光流に聞きなさい、とでも言いたかったが、八光流の師範が欧州で身近にいることはあり得ないし、弱ったものである。

強いて言えば、江戸時代の武術の稽古においては帯を締めないことの方が多かった。
天神真楊流でも形の稽古では帯を締めない。
居合でさえも帯は締めない。
しかし、江戸後期にいくつかの柔術流儀で稽古専用の帯が登場することは拙著 『武術事典』 で述べた。
決してそれは講道館が開発したものではなかった。
柔術諸流には少なからず、稽古で帯を掴む技・形があり、専用の帯が必要とされていた。
明治末期に興流した神道六合流でも袴の上に稽古帯を締めている。

ヨーロッパに古流文化の故実を説明するのは容易なことではない。

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(完)
by japanbujutsu | 2016-09-27 17:26 | 武術論考の部屋 Study

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