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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

擲標

擲標

中国の武術書 『剣経』 に「擲標」という兵器が掲載され、それが日本に流れて国風化された。

擲は投げるという意味、標は日本の手裏剣と同じ武器。
中国ではこれに縄を付けた縄標が有名である。

擲標_b0287744_1771689.jpg

さて、この伝書は以前にも当ブログで紹介したが、今回は擲標に的を絞って見てみたい。

標を擲げるのだから、武技としてはそのまま手裏剣と同じものとなる。
しかし、これがどのように和風化していったのか大いに疑問である。
伝書には擲標の下に 「奪気乗隙」 とある。

擲標_b0287744_1792430.jpg

正に気を奪い、隙に乗じて攻めるのである。
ということはこの標は決め技ではなく、脅し用の道具ということになろうか。

伝書にはさらに、

擲標_b0287744_1794055.jpg

「細竹の柄鉄の鉾前重後軽前粗後細」とあり、竹製の柄があったことがわかる。

それ以上の詳細は伝書からは知る由もない。





(完)
by japanbujutsu | 2017-03-20 17:35 | 手内剣探究 shunaiken

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