順体に拘る
武術の大原則から言って、手内剣を左足前で打つのはあきらかにおかしい。
武術は術の種別を問わず、順体が原則である。
武術が用いる俗に 「ナンバ」 という右手右足前、左手左足前の半身・一重身の姿勢は力を出す行動則の原理に立つものであり、絶対に体の捻りをつくってはならない姿勢である。
逆体(左足前、右手打ち)による打法は体に捻れが生じ、右足の踵が浮きやすく、武術がもっとも嫌う前傾姿勢に陥りやすい。
こんな武術の原理から逸脱した姿勢でいくら命中率を上げても、それは決して武術ではありえない。
手裏剣術が武術である以上、逆体は原則的にありえない。
手裏剣に関して筆者は後発の人間であり、先輩諸氏に色々言う資格はない。
しかし、いわゆる武芸十八般に関しては持論がある。
その持論が普遍的な正論であるとは、あえてここでは言わないことにする。
あくまでも持論であり、ピンポイントで他流を批判するものではない。
念のため。
(完)