柄巻木刀
最近、武道具店で 「柄巻木刀」 とやらを売り出している。
別に商売の邪魔をするわけではないけれど、武術を嗜む一人として一言。
古流の剣術を稽古する皆さん(もちろん現代剣道も同じであるが)、このような木刀で形の稽古をしたら絶対にダメ。
このような木刀は、古流の木刀稽古における意義をまったく理解していない人たちの安易な発想から生まれた産物でしかない。
木刀に柄巻を施すのであれば、最初から模擬刀を使えばよい。
古来、木刀の柄に何もまかないのは手の内の感覚を体感するため。
柄巻をしてしまったら木刀で打ち合う意味は完全に消失してしまう。
これ以上は、口伝を開陳してしまうことになるので書かないが、いずれ 『水月』 でも採り上げてみたいと思う。
居合刀販売店に 「居合刀」 が一本も売っていないことと同じくらい奇異である。
※今、皆さんが稽古に使っている刀は居合刀ではありません。念のため。
(完)