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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

カテゴリ:中澤流護身術 Nakazawa ryu( 15 )

中澤家史料

先般、中澤流神伝護身術4代目師範を継承するに当たり、中澤家残されていた一切の史料を相伝した。
これらは技術とともに後世に伝えていく責務が伝承者にはある。

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近年武術の伝統なき家系図を利用してその流儀の○代目を名乗るなど、あってはならない作為が横行している。

しかし、これは今に始まったことではない。
第二次世界大戦後に雨後の筍のごとく、古来からの伝統を標榜する「新流派」が全国で創作された。
大東流以外のすべての合気系武術はその例であるし、八光流からも武田流や日本少林寺拳法が創られた。
また、明治時代に東京にあった浅山一伝流柔術からは兼相流や天心古流、松道流が分派した。

戦前の伝書がない理由は一様に「火災」で燃えたなどというが、江戸時代から伝えられていれば、必ず複数の都道府県や師範家に同じ伝書が少なからず残っているはずである。
創作は創作として虚偽の歴史は作らず、正々堂々と創作を公表すべきである。

中澤流護身術は明治末期頃に中澤蘇伯が渋川流柔術から創作をした近代護身術である。
中澤は山梨県の出身であるため、その護身術に武田流兵法の精神的な教えを取り入れているが、武術的な技法は渋川流からの独創である。
中澤が学んだ甲州伝渋川流柔術の伝書は額装されて当協会に保存されている。
by japanbujutsu | 2015-01-11 17:42 | 中澤流護身術 Nakazawa ryu
八光流初代宗家奥山龍峰

八光流初代宗家の奥山龍峰吉治が大東流合気柔術を松田敏美に学んだことは広く知られている。

しかし、山形から上京して中澤流神伝護身術を学んだことはほとんど知られていない。

しかし、八光流各段の技法、教授システムを見ればわかると思うが、大東流よりもむしろ中澤流の影響の方が強い。

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ここで紹介する写真は中澤流の道場があった愛国神武会本部で撮影されたものであるが、開祖中澤蘇伯(前列中央)の右の人物は明らかに壮年時の奥山龍峰である。
by japanbujutsu | 2014-11-24 17:21 | 中澤流護身術 Nakazawa ryu
靖国神社奉納武道大会

昭和四年五月一日、千葉長作を会長とする日本武道会主催の靖国神社春季例大祭・第65回奉納武道大会で、中澤流護身術を演武した五味梅子が優勝した。

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今、その賞状を筆者が所蔵している。

五味梅子は開祖中澤蘇伯と同郷の山梨県人と思われ、翌昭和5年に建設された山梨顯修館道場完成に尽力し、顯修館師範浅井氏から感謝状を与えられた五味清重はその父ではなかろうか。

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千葉長作
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1860-1935 明治-昭和時代前期の武道家。
万延元年生まれ。13歳で全国武者修行にでる。20歳のころ山岡鉄舟に無刀流を学ぶ。甲府に共撃館、横浜に日本講武会を設立。明治40年、矢吹秀一と東京本郷に日本武道会を創立、会長となる。昭和10年1月5日死去。76歳。山梨県身延出身。本姓は地場。号は如山。大正2年、千葉周作の子、東一郎の武門(千葉道場)を継ぎ、自宅道場で多くの門弟を養成した。また、各地で武道大会を開催し、靖国神社で毎年春秋2回の奉納武道大会を開催するなどして、武道の発展に寄与した。しかし、実質的な彼の後継者はいない。
by japanbujutsu | 2014-08-19 17:06 | 中澤流護身術 Nakazawa ryu
中澤流護身術 七段 暴漢捕縄術三法方式 
第一条 立躰捕り左方式


形の紹介はこれを以て終了する。これらの形を修めた後、様々な口伝を受け、多人数捕りなどの教伝を経て免許皆伝となる。

我は左手で敵の左手首を捕る。

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敵の背後に回って腕を背に固めて引き倒す。

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捕縄の輪を敵の手首に移して引き締め、右手も背後に固めて両手を捕縛する。

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by japanbujutsu | 2014-01-27 17:04 | 中澤流護身術 Nakazawa ryu
中澤流護身術 六段 真剣白刃捕四法方式 
第三条 匕首切込み膝堅め


こちらは大東流柔術には見られない技法であり、中澤流独特の捕り方をしている。明治期まで甲州に伝播していた渋川流柔術の影響を受けているか。

敵が匕首で切り掛かるのを我は左手で受け止める。

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そのまま敵の手首を掴み、右足を敵の右足後方に進め、右手は喉に当てる。

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そのまま仰向けに倒し、敵の腕を極めて固める。

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by japanbujutsu | 2014-01-26 17:40 | 中澤流護身術 Nakazawa ryu
中澤流護身術 五段 四方投げ八方方式 
第二条 応用左右左方式


中澤流護身術は、明治の末期から昭和の戦前まで、講道館柔道を除けば神道六合流柔術とともに、もっとも全国に普及した武術であった。しかし、両流派ともに戦後はまったく振るわず、神道六合流の正脈は絶たれ、中澤流は筆者の道場だけが全国で唯一稽古を続けている道場となった。

我は左手で敵の左手首を掴む。

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我は右足を敵の前に踏み込み、左手を被る。

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後方に體変換し、敵の腕を屈曲して仰向けに倒す。

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この形は我から仕掛けて取り押さえる掛け手の技で、捕手術の方策である。
by japanbujutsu | 2014-01-25 17:40 | 中澤流護身術 Nakazawa ryu
中澤流護身術 四段 座捕七方式 
第一条 座捕り左方式


敵は左手で座している我の右手首をとる。

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我は左手で敵の左手首を掴み、右膝を敵の前に立てて、両手を振りかぶる。

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我は體を転換して後方に向き、敵の腕を屈曲して仰向けに倒す。

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合気系武道では「四方投げ」と称している技法であるが、中澤流がこの技をすでに大正年間に公刊書で発表しているのは画期的である。
by japanbujutsu | 2014-01-24 21:49 | 中澤流護身術 Nakazawa ryu
中澤流護身術 三段 體返術 
第一条 頭髪返し


初段・二段・三段はそれぞれ12ヶ条ある。中澤流の基本なので、一年が十二ヶ月あるように、十二まで行ったらまた一に帰って繰り返し稽古せよ、という教えである。

敵は右手で我の頭髪を掴む。我は右手で敵の手を押さえる。

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我は左拳で敵の脇腹に当身を入れる。

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両手で敵の小手を返して引き落とす。

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by japanbujutsu | 2014-01-23 17:56 | 中澤流護身術 Nakazawa ryu
中澤流護身術 二段 返手術 
第一条 上げ撚返し


敵は左手で我の右手首を捕る。

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我は右手を返して上げながら、左手で敵の手の甲を捕り、右手を抜いて敵の親指を掴む。

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我は左足を引いて膝を着き、敵の小手を極めて引き倒す。

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by japanbujutsu | 2014-01-22 17:25 | 中澤流護身術 Nakazawa ryu
中澤流護身術礼法・身構法
初段抜手術  第一条 上げ抜き


礼法
上級者は上席、下級者は下席で互いに礼をする。
両膝を着いて両足の爪先を立て、師匠は両指先を畳に付け、上輩は両手を開き、下輩は両手先を寄せて、頭を肩の高さに下げ、静かに敬礼を行う。

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  ※流派の教えもあるが、古来礼法は頭を肩の高さより下げてはいけないことになっている。これは師範席や神前に対して襟中を見せないようにする配慮である。

身構法
中澤流ではこの身構えを「不動體」と称している。右手は體の上部を保護し、左手は體の中部を保護するように構える。右足は軽く浮かす。これは前後左右に体捌きをする便と、下部を保護するためである。腰を屈するのは体の重心を保ち、倒れないようにするための中澤流における口伝である。

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初段抜手術 第一條 上げ抜き
敵は左手で我右手首を捕る。我は右腕を引き上げる。

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肘を上げて抜く。

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初段はこの抜手術十二箇条で成り立っている。
by japanbujutsu | 2014-01-21 19:41 | 中澤流護身術 Nakazawa ryu

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