ブログトップ

国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

japanbujut.exblog.jp

本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

カテゴリ:秘伝書の部屋 Secret densho( 136 )

幻の総合武術 河一方流 最終回 杖

河一方流の最終回は杖を紹介する。

b0287744_21202616.jpg

これまた見たことのない杖で、杖尻がラッパ状に広がっており、 「徳利頭」 の名が付いている。
手の滑り止め防止策なのであろう。

一方、杖先にも「帽子入」の名称が付いているが、どのような工夫があるかわからない。
多分、図から判断すると、鉄で覆ってあるのだと思う。





(完)
by japanbujutsu | 2017-04-25 17:15 | 秘伝書の部屋 Secret densho
幻の総合武術 河一方流 ⑫ 長柄鎌と鎖鎌

河一方流はまた道具類も充実している。

b0287744_21113745.jpg

これは長柄鎌であり、かつては霞新流が伝えていたが、現在この道具を伝える流儀を知らない。

そして次はお馴染みの鎖鎌。

b0287744_21115622.jpg

本身に本鎖、そして本分銅で描かれているが、こんな鎖鎌は稽古では使えない。
絵師による故意の描写に違いない。





(つづく)
by japanbujutsu | 2017-04-23 17:06 | 秘伝書の部屋 Secret densho
幻の総合武術 河一方流 ⑪ 大小柄捌

大小柄捌もまた、関口流柔術を代表する技であり、この流儀が少なからず関口流の影響下に成立したことを物語っている。

b0287744_2134668.jpg

画像は、敵が両手で我の大小の柄を掴みに来るのを制する形であるが、さすがにこの後の展開はわからない。

筆者が伝えている古流柔術にはほとんど柄捌きの形はなく、わずかに西法院武安流武者組にあるだけである。

ただ居合の方では力信流や荒木流に柄捌きの形がある。






(つづく)
by japanbujutsu | 2017-04-21 17:52 | 秘伝書の部屋 Secret densho
幻の総合武術 河一方流 ⑩ 小具足

今回は短刀(小太刀)を使った小具足の図を見てみたい。

b0287744_2040208.jpg

対座の居捕において、敵が左手で我の胸襟を掴み、右手の小太刀で斬り込んで来るのを、我はそれを両手で制し、そのまま小太刀の棟を押さえて敵の左腕を切り落とす想定であろう。

木刀ではなく、刃引き刀で演じているのが興味深い。





(つづく)
by japanbujutsu | 2017-04-19 20:33 | 秘伝書の部屋 Secret densho
幻の総合武術 河一方流 ⑨ 二刀小太刀

この図は二刀小太刀による下段の構え。

b0287744_21301324.jpg

兵法天下一二天一流の下段構えは剣先をもう少し上げて構える。
また、天道流の二刀小太刀は刃を前方に向けて手首をやや上げ、剣先を真下に下げる。

だから、この河一方流の二刀小太刀の構えはそのいずれとも異なる。
この小太刀は刃引きであろうが、気になるのは 「鍔がない」 こと。

それにしてもだらしのない着物の着方である。
絵師の画風なのだろうか。




(つづく)
by japanbujutsu | 2017-04-17 17:24 | 秘伝書の部屋 Secret densho
幻の総合武術 河一方流 ⑧ 二人捕

柔術立合の 「両捌 (二人捕) 」。
捕の両側から二人がそれぞれ捕の手首と胸襟を掴む。

b0287744_23335779.jpg

竹内流で有名な取り口であり、竹内流ではこの体勢から捕が前方に回転して両足で受け、すかさず両足で二人の顎を蹴り上げるという変則技となっている。

河一方流ではどのように捕るのだろうか、興味深いところである。

当時の稽古には特別な稽古着というものはなく、平服のまま稽古をする。
当然、発汗するので、稽古後は洗濯をしなければならないから、稽古用の綿着物というのがあったのかもしれない。
骨董市に行くとよく見かけるが、江戸時代の人たちは身体が小さいので、筆者の身体に合うサイズがほとんどない。





(つづく)
by japanbujutsu | 2017-04-11 17:24 | 秘伝書の部屋 Secret densho
幻の総合武術 河一方流 ⑨ 四つ

柔術でも相撲に影響を与えた流儀、相撲の影響を受けた流儀の双方がある。
前者には関口流があり、後者には広島の難波一甫流がある。
そして、この河一方流にも 「四つ」 の想定がある。

b0287744_2281743.jpg

この状態から普通に上手投げや下手投げになれば、それは相撲と同じで少しもおもしろくない。

たとえば、難波一甫流から出た渋川一流にも四つからのさまざまな技法が伝えられており、そこからまた乱取り (意地稽古) ができるようになっている。






(つづく)
by japanbujutsu | 2017-04-09 17:00 | 秘伝書の部屋 Secret densho
幻の総合武術 河一方流 ⑦ 柔術居捕 逆指

これは居捕の 「指折」 という形であるが、古流ではあまり好まれない技である。

b0287744_2132493.jpg

理由は骨折しやすいためである。
しかし、伝書には 「やわらきの術」 と記されており、苦笑せざるを得ない。
なぜか両人は極悪犯罪人のような顔に描かれている。

古流柔術では 「相手を負傷させてはならない」 (神武不殺) という教えがあり、だからこそ無傷で取り押さえる精妙な技術を練磨しなければいけないのである。
相手を傷つけ、殴り倒すのは、下劣なボクシングやフルコンタクトの空手であり、そんなかつての奴隷階級が担い手となった直接打撃の格闘をまともな常識感覚を持つ(まともな生活環境にある)人間はやるべきではない。

かつてヨーロッパに指関節柔術10段というのがいて、笑ったことがある。




(つづく)
by japanbujutsu | 2017-04-07 17:22 | 秘伝書の部屋 Secret densho
幻の総合武術 河一方流 ⑥ 足捕り

この足捕りの技は 「杉」 というシンプルな形名である。
多くの他流では 「杉倒」 と称している。

b0287744_23352837.jpg

想定は敵と我が並立している場合に、我より敵の左足を前から両手で取って後ろへ返す技である。
これと同類の形が関口流(渋川流)柔術の居捕にある。
仙台藩伝浅山一伝流柔術では前から捕り、西法院武安流武者組では後方から両足を捕る。





(つづく)
by japanbujutsu | 2017-04-03 17:28 | 秘伝書の部屋 Secret densho
幻の総合武術 河一方流 ⑤ 居合台

居合の稽古で使用する 「居合台」 が図入りで出ている。

b0287744_234360.jpg

このように図で残してくれるとたいへん勉強になる。
復元も困難ではないが、後方に描かれている円形は何だろうか。

最近は若い人たちが林崎夢想流の居合台を復元製作して研修をしているようで、感心させられる。
居合台といえば影山流のそれが有名であるが、だれも復元しようとする者がいない。
この河一方流の居合台はそれらのいずれとも異なる形態をしており、伝書によれば、切り付けや切り下げの稽古に使うとある。

なお、当然のことであるが、居合台を用いた稽古には重ねの厚い刃引刀を使うのは言うまでもない。

筆者の長寸刃引居合刀は、北海道伊達市に住まわれていた刀匠堀井信秀先生の作。

b0287744_12582166.jpg

筆者の特注で、重ね厚く、柄も蛤形の太い造りにしていただいた。
ちなみに我が家には家宝として信秀先生の先代俊秀刀匠が軍艦三笠の砲鋼を使って鍛えた 「三笠刀」 (富士吉田市指定文化財) がある。





(つづく)
by japanbujutsu | 2017-04-01 17:51 | 秘伝書の部屋 Secret densho

by japanbujutsu