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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

カテゴリ:秘伝書の部屋 Secret densho( 136 )

気楽流組打切紙

気楽流柔術は武州から上州にかけておもに農民層に伝授された護身用の地方流儀である。

今回、紹介する伝書のように「組打」と書かれる場合があるが、気楽流には鎧を着用して演じる形は元来存在しない。
この場合の「組打」は「柔術」と同義である。

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柳生心眼流甲冑柔小具足取も純粋な平服の護身柔術であり、鎧を着て演じる業ではない。
一部の柳生心眼流でこの柔術形を何も知らずに甲冑を装備して演じている人たちがいるが、誤解も甚だしい。

仙台藩の登米に伝承され、現在、筆者の道場で伝えている西法院武安流では柔術を「武者捕」と表記するが、これも実際に稽古する形は平服による護身柔術である。

また、起倒流や浅山一伝流の碑文を見ると漢文表記のために柔術が「拳法」と表記されるが、それは中国の拳法のように突きや蹴りを使う隔離武術ではないのである。

文字だけで安易に判断してはいけない。
by japanbujutsu | 2016-02-19 17:08 | 秘伝書の部屋 Secret densho
無眼流之長太刀

無眼流といえば三浦源右衛門の無眼流が知られているが、その無眼流は『武芸流派大事典』によれば、剣、気術、体術となっていて、長太刀の項目がない。

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あるいはこの長太刀は長刀、すなわち薙刀ではなく、ずばり長大刀のことを指すのかもしれない。
だとすれば三浦の無眼流とも考えられるが、この伝書に三浦の名前はない。

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かなり杜撰な伝書で装丁もされてなく、メモ書きような筆致である。
by japanbujutsu | 2016-02-17 17:57 | 秘伝書の部屋 Secret densho
『剣経』 日本剣術に影響


『剣経』は明代の武人、兪大猷(1504~1580年)の著作である。
福建の晋江の出身で、字を志甫という。
その父は百戸長で、家は貧乏だったが子どもの頃から読書が好きで、『易経』を極めた。
彼は何度も軍隊を指揮して倭寇と戦い、それを撃滅した。

その著書『剣経』の名はもちろん『易経』から採った。
名前は『剣経』であるが、その内容は棍法を解説している。
なぜ棍法の解説書を『剣経』と呼ぶのだろうか。
まったく不可解である。

この『剣経』が江戸時代に日本に入り、剣術の技法に少なからず影響を及ぼした。

紹介する剣術の伝書に、
  
踏炎求出勢 進鑿勢 躍龍勢 猛熊回顧勢 飛殺勢 擲標 用牌 不争剣


の「八法剣」を掲げている。

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しかし、標と牌はそれぞれ剣と盾であり、根本的に日本剣術とは違っている。
これがどのような形で伝承されていったのか、興味は深まるばかりである。
伝書の発行は皇紀2516年(安政3年、1856)で、発行人は奥津房之助。
判から流儀名を「相○流」と読めるが、一切は不明である。

日本武芸新聞 『水月』 でさらに深く掘り下げてみたい。
by japanbujutsu | 2015-11-25 17:08 | 秘伝書の部屋 Secret densho
浅山一伝流武術起請文

明治三年の浅山一伝流武術の起請文を入手した。
何藩の系統かわからない。
それに師範の名前が記されていない。
随分と半端な起請文である。

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その中で、興味ある条文は、

入他門修行支度節者以御案文返神文可差上候事

これはどのように解釈をすればよいのだろうか。
他流派に入門したい場合は案文(※控文書のこと)を返しなさいということであろうか。

日本国中大小神祇に続いて浅山不動尊が入っているのが面白い。
by japanbujutsu | 2015-11-19 17:51 | 秘伝書の部屋 Secret densho
破門 Hamon

江戸時代の武術の相伝における掟は厳格である。
そして、この掟は現代社会においても武術を稽古する者は厳守する必要がある。

武術の相伝においては初伝の伝授において、この掟、すなわち起請文を記し、厳守を誓約させる。
その一ヶ条でも守れぬ者は高弟であっても破門するしきたりである。
今、ここに無双一睡流柔術の初伝免許巻がある。

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それを見ると、その最初に、

一 忠孝第壹ノ事
とあり、最後に、

一 門人中無敬別信義ヲ以テ助力仕候事
とある。その後で、

右ノ條々相背有悪事仕候者ハ高弟タリ共子弟ノ之禄ヲ切破門仕候事
と結んでいる。

あくまでも私感であるが、ヨーロッパの人間は往々にして自らの無礼・理不尽を謝らない傾向が強い。
そんな輩に武術を稽古する資格などない。
わが協会における最初のヨーロッパ支部長と第二の支部長はともに無礼を働きながら謝罪をしなかったために両人ともに破門にした。
徳のない者に武術を相伝させると後々その流儀は必ず大問題を引き起こす。
これは歴史が証明済みである。
私は性格上、こうした輩を許すことができない。
言動が悪い支部長の首を繋いでおくよりは、未熟でも熱心に稽古する真面目な門人の方が大切である。

武術の技ばかり教えて、肝心の精神・人間性・心得などの大事を教えないと暴漢ばかりが育って、正しい日本文化など、かけらも伝えることはできない。
これは私自らにも言えることであり、師範たる者、心して武術を指導する必要がある。
by japanbujutsu | 2015-11-01 17:10 | 秘伝書の部屋 Secret densho
四天流剣術

四天流は組討(柔術)を主とし、居合、剣術を含む。

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戸田流剣術が母体であるが、流祖成田清兵衛は二天一流を寺尾求馬助信行に学び、二刀を加えた。
昭和の初めまで宮崎県の力行館で江夏金太郎が伝えていた。
二刀術の形は『武徳全書』に紹介されている。
江夏の伝は全滅してしまったのだろうか。
あとは熊本に柔術が残るのみである。

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ここに紹介した伝書の差出人、山川半八定矩の相伝系譜は不明である。

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四天を東方剣之事、南方剣之事、北方剣之事、西方剣之事に象り、これを悪魔降伏剣と称している。
by japanbujutsu | 2015-10-20 17:36 | 秘伝書の部屋 Secret densho
楊心流薙刀


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楊心流薙刀について公開されている流儀の記述はつぎようなものである。

元和六年 (1620) 宗茂が旧領の筑後国柳河藩に転封されると楊心流は柳河藩の御留流とされ、中でも薙刀術は殿中に仕える女中の護衛武術とされたとする。
その継承は、一子相伝の流派が多くある中、実力によるものとし、薙刀を中心に継承されてきた。
その伝統を受け継ぎ、演武においては振り袖着物姿に襷掛けで白足袋を着用し、襷や鉢巻きは包帯に代用するため、布を縁取りしないものを使用している。


もう、滅茶苦茶な記述である。
どうすればこのように杜撰なことが書けるのか不思議ですらある。

1 元和六年に楊心流が柳河藩の御留流となる?
まず江戸期の武術に御留流などというものが存在した記録は皆無である。
次に、楊心流の実質的な祖である大江専兵衛は寛文十年(1670)に伝書を発行しており、1620年に流儀がすでに他藩に定着している可能性はほとんどない。しかも当時は楊心流に薙刀はなかった。

2 殿中に仕える女中の護衛武術?
幕末の風雲急を告げる時代と勘違いをしているのではないだろうか。

3 その継承は、一子相伝の流派が多くある中、実力によるものとし、薙刀を中心に継承されてきた?
実力のある女中が流儀を継承したのであろうか。
武術史をもっと真剣に学んだ方がよい。
楊心流の江戸時代における相伝の中で、薙刀が中心となったことなど一度もない。

4 演武においては振り袖着物姿に襷掛けで白足袋を着用し?
江戸時代に柳河藩でこのような演武が実際に行われた記録があったらぜひとも拝見したいものである。

まことに残念なことに、本来は男薙刀であった楊心流薙刀に現在は男使いが残っていない。

なお、当たり前の常識であるが、日本の古流武術には宗家制度はない。
楊心流もしかりである。
女性に宗家が移ったとしているが、流儀を継承したのが女性であるだけで、それを宗家と勘違いしてはいけない。



 
by japanbujutsu | 2015-10-18 17:51 | 秘伝書の部屋 Secret densho
難波一甫流 高橋猪兵衛(亥兵衛)

この伝書の発行人、高橋猪兵衛満政は、かの有名な拳骨和尚武田不遷物外の難波一甫流における師匠である。

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内容を見ると、八重垣流剣術が並記されている。

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高橋はまた渋川一流柔術の祖、宮崎儀右衛門満義の師とも推測されるが、確証を得ない。
両者の諱に共通する文字「満」と時代が合致することからの推定である。

後考に待つ。
by japanbujutsu | 2015-10-13 17:23 | 秘伝書の部屋 Secret densho
船海微塵流柔術 SenkaiMigin Ryu Jujutsu-Takada Ryu

甲州(現山梨県)に伝えられた柔術の一つに船海微塵流という一風変わった名前の流儀がある。
江戸の中期には野州(現栃木県)に伝播し、宇都宮藩校修道館で教えた。

船海微塵流の元は玄海流で、海のイメージを継承したのだろう。玄海流の母体は無双直伝流であるから、元は信州伝である。

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流祖の坂田重信の経歴は不明であり、二代目の高坂政光、三代目の山本義清はともに高坂弾正、山本勘助を彷彿させる名前である。

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しかし、地元の山梨には一切の史料が存在しない。
武術の伝脉とは所詮そのようなことが多い。

詳細は『水月』で検討する。
by japanbujutsu | 2015-10-11 19:58 | 秘伝書の部屋 Secret densho
仙台藩伝羅漢拳の介錯 ⑤ 打首之事

打ち首は随分と粗雑である。
介錯人は袴を着けていないし、三方その他の諸道具、検使その他の配役も厳密な規定はないようである。

介錯の場合は首の皮一枚を残して切るが、打首の場合は「首落し穴」に切り落とす。

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介錯人は罪人の左後方から立ったまま切り落とす。
by japanbujutsu | 2015-09-22 17:39 | 秘伝書の部屋 Secret densho

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