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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

カテゴリ:秘伝書の部屋 Secret densho( 140 )

佐分利流槍術絵目録に見る姿態

武術研究において伝書は本当に貴重な第一級情報源であるが、いつも説いているように、そこに描かれている絵をそのまま信用してはならない。

例えば土佐の小栗流和術の裸体絵目録を見て、小栗流は裸体で稽古する、とか

剣術の鎧武者絵目録を見て、この流派の剣術は甲冑を着用して行う、とか

バカなことを言う輩は実に多い。

だったら新陰流などは長袴を引きずって稽古をしないといけない。

天然理心流などは奉納額に掛かっている太い木刀をそのまま鵜呑みにして、形をあの太い木刀で演じたりしているが誤解も甚だしい。奉納の慣習をよく勉強すべきだろう。天然理心流の木刀は現在の剣道形に使う木刀に極めて似たスマートな木刀である。

ここに佐分利流槍術の絵目録がある。

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描かれている武士は「半烏天狗」の「半鎧武者」である。
佐分利流についていろいろ言うのは控えるが、鎧武者と平服武士との境界線を明確にしないととんでもない誤謬を生じるから注意が必要である。
by japanbujutsu | 2016-03-04 17:48 | 秘伝書の部屋 Secret densho
盗作伝書 水野一伝流

盗作というのは昔から行われている。

金沢藩に伝承した水野一伝流剣術の明治期に発行された伝書は、柳剛流剣術切紙の伝書をほぼそのまま盗作している。

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流祖水野伴十郎利忠は天保頃の人というから、明和2年(1765)生まれの柳剛流祖岡田惣右衛門より明らかに後代の人物である。

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水野の師匠は猪嘯流元祖の高木紋太郎義勝であり、柳剛流との接点は見られない。

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歴代師範の誰かが柳剛流を相伝して、その伝書を付加したのであろうか。

伝書の盗作は他流においても見られる。

小野派一刀流剣術 → 大東流合気柔術
神道無念流剣術 → 不遷流柔術
武藏流剣術 → 八戸藩伝神道無念流剣術

現代においても日本少林寺拳法の理論は中澤流護身術のそれをそのまま盗用したりしている。
by japanbujutsu | 2016-03-02 17:19 | 秘伝書の部屋 Secret densho
岸流柔術

四国讃州丸亀藩に岸流柔術が伝承されていた。

関口眼流ともいい、また岸柳と表記することもあった。

元祖と目される関口源左衛門のことは一切わかっていない。

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紀州関口流とはまったく無関係の流儀である。
それはともかく、伝書を精査してみると、江戸森戸系浅山一伝流武者組の影響を受けていることが明白である。

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どのような経緯で江戸の流儀が讃岐に流れたのであろうか。
その答えを得るためには、参勤交代の記録を解き明かさなくてはならない。

この伝授巻を授けられた三木久之助は図子与之助の門人で、無相流新柔術流祖の中條勝次郎と兄弟弟子である。
by japanbujutsu | 2016-02-25 17:28 | 秘伝書の部屋 Secret densho
貫心流剣刀心鏡之巻

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貫心流は剣・居合・柔術・薙刀・杖・懐剣の総合武術であり、西日本一帯に伝播していた。

現在でもいくつかの系統が残っているが、健全に伝承されていることを願う。

さて、この流儀は非常に哲理が深く、形・業とともに膨大な教義を学ばなければいけない。
現在、残っている流儀で、このような武技以外の教義を正しく伝えているのは香取神道流だけではなかろうか。

今回は、数ある深奥な教義の中から、貫心流に伝わる「剣刀心鏡」の伝書を紹介する。

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いわゆる剣相に関する教えであるが、これが図入りで詳細に述べられている

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個々の解釈については流儀が現存しているため、門外漢の筆者が述べるのはよくない。

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この教義は源義経伝来と言われ、流祖の宍戸司箭が大成した。
剣術の流儀にこのような剣相を伝える伝書を時折目にするが、これも重要な日本の文化であるから、失伝させてはならないと思う。
by japanbujutsu | 2016-02-21 17:41 | 秘伝書の部屋 Secret densho
気楽流組打切紙

気楽流柔術は武州から上州にかけておもに農民層に伝授された護身用の地方流儀である。

今回、紹介する伝書のように「組打」と書かれる場合があるが、気楽流には鎧を着用して演じる形は元来存在しない。
この場合の「組打」は「柔術」と同義である。

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柳生心眼流甲冑柔小具足取も純粋な平服の護身柔術であり、鎧を着て演じる業ではない。
一部の柳生心眼流でこの柔術形を何も知らずに甲冑を装備して演じている人たちがいるが、誤解も甚だしい。

仙台藩の登米に伝承され、現在、筆者の道場で伝えている西法院武安流では柔術を「武者捕」と表記するが、これも実際に稽古する形は平服による護身柔術である。

また、起倒流や浅山一伝流の碑文を見ると漢文表記のために柔術が「拳法」と表記されるが、それは中国の拳法のように突きや蹴りを使う隔離武術ではないのである。

文字だけで安易に判断してはいけない。
by japanbujutsu | 2016-02-19 17:08 | 秘伝書の部屋 Secret densho
無眼流之長太刀

無眼流といえば三浦源右衛門の無眼流が知られているが、その無眼流は『武芸流派大事典』によれば、剣、気術、体術となっていて、長太刀の項目がない。

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あるいはこの長太刀は長刀、すなわち薙刀ではなく、ずばり長大刀のことを指すのかもしれない。
だとすれば三浦の無眼流とも考えられるが、この伝書に三浦の名前はない。

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かなり杜撰な伝書で装丁もされてなく、メモ書きような筆致である。
by japanbujutsu | 2016-02-17 17:57 | 秘伝書の部屋 Secret densho
『剣経』 日本剣術に影響


『剣経』は明代の武人、兪大猷(1504~1580年)の著作である。
福建の晋江の出身で、字を志甫という。
その父は百戸長で、家は貧乏だったが子どもの頃から読書が好きで、『易経』を極めた。
彼は何度も軍隊を指揮して倭寇と戦い、それを撃滅した。

その著書『剣経』の名はもちろん『易経』から採った。
名前は『剣経』であるが、その内容は棍法を解説している。
なぜ棍法の解説書を『剣経』と呼ぶのだろうか。
まったく不可解である。

この『剣経』が江戸時代に日本に入り、剣術の技法に少なからず影響を及ぼした。

紹介する剣術の伝書に、
  
踏炎求出勢 進鑿勢 躍龍勢 猛熊回顧勢 飛殺勢 擲標 用牌 不争剣


の「八法剣」を掲げている。

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しかし、標と牌はそれぞれ剣と盾であり、根本的に日本剣術とは違っている。
これがどのような形で伝承されていったのか、興味は深まるばかりである。
伝書の発行は皇紀2516年(安政3年、1856)で、発行人は奥津房之助。
判から流儀名を「相○流」と読めるが、一切は不明である。

日本武芸新聞 『水月』 でさらに深く掘り下げてみたい。
by japanbujutsu | 2015-11-25 17:08 | 秘伝書の部屋 Secret densho
浅山一伝流武術起請文

明治三年の浅山一伝流武術の起請文を入手した。
何藩の系統かわからない。
それに師範の名前が記されていない。
随分と半端な起請文である。

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その中で、興味ある条文は、

入他門修行支度節者以御案文返神文可差上候事

これはどのように解釈をすればよいのだろうか。
他流派に入門したい場合は案文(※控文書のこと)を返しなさいということであろうか。

日本国中大小神祇に続いて浅山不動尊が入っているのが面白い。
by japanbujutsu | 2015-11-19 17:51 | 秘伝書の部屋 Secret densho
破門 Hamon

江戸時代の武術の相伝における掟は厳格である。
そして、この掟は現代社会においても武術を稽古する者は厳守する必要がある。

武術の相伝においては初伝の伝授において、この掟、すなわち起請文を記し、厳守を誓約させる。
その一ヶ条でも守れぬ者は高弟であっても破門するしきたりである。
今、ここに無双一睡流柔術の初伝免許巻がある。

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それを見ると、その最初に、

一 忠孝第壹ノ事
とあり、最後に、

一 門人中無敬別信義ヲ以テ助力仕候事
とある。その後で、

右ノ條々相背有悪事仕候者ハ高弟タリ共子弟ノ之禄ヲ切破門仕候事
と結んでいる。

あくまでも私感であるが、ヨーロッパの人間は往々にして自らの無礼・理不尽を謝らない傾向が強い。
そんな輩に武術を稽古する資格などない。
わが協会における最初のヨーロッパ支部長と第二の支部長はともに無礼を働きながら謝罪をしなかったために両人ともに破門にした。
徳のない者に武術を相伝させると後々その流儀は必ず大問題を引き起こす。
これは歴史が証明済みである。
私は性格上、こうした輩を許すことができない。
言動が悪い支部長の首を繋いでおくよりは、未熟でも熱心に稽古する真面目な門人の方が大切である。

武術の技ばかり教えて、肝心の精神・人間性・心得などの大事を教えないと暴漢ばかりが育って、正しい日本文化など、かけらも伝えることはできない。
これは私自らにも言えることであり、師範たる者、心して武術を指導する必要がある。
by japanbujutsu | 2015-11-01 17:10 | 秘伝書の部屋 Secret densho
四天流剣術

四天流は組討(柔術)を主とし、居合、剣術を含む。

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戸田流剣術が母体であるが、流祖成田清兵衛は二天一流を寺尾求馬助信行に学び、二刀を加えた。
昭和の初めまで宮崎県の力行館で江夏金太郎が伝えていた。
二刀術の形は『武徳全書』に紹介されている。
江夏の伝は全滅してしまったのだろうか。
あとは熊本に柔術が残るのみである。

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ここに紹介した伝書の差出人、山川半八定矩の相伝系譜は不明である。

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四天を東方剣之事、南方剣之事、北方剣之事、西方剣之事に象り、これを悪魔降伏剣と称している。
by japanbujutsu | 2015-10-20 17:36 | 秘伝書の部屋 Secret densho

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