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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

カテゴリ:武術論考の部屋 Study( 248 )

婦女子と薙刀

江戸時代から婦女子の武術として薙刀・鎖鎌・懐剣が行われていた。
しかし、婦女子は学ぶことはできたが、師範にはなれず、道場も持てなかった。
明治になると鎖鎌と懐剣はすっかり廃れてしまっていつのまにか消えてしまった。

画像は薙刀を操る遊女宮城野と鎖鎌を操る鄙処女信夫の姉妹(『本朝武芸百人一首』)

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一方、薙刀は明治末期から次第に女学校で指導がなされるようになり、昭和の戦前にあっては軍国主義下の日本にあってそれは全盛期を迎えた。

本来、流儀武術、総合武術の一課として、武士に相伝されてきた薙刀であったが、江戸時代にはすでにどの流派も悉く婦女子用の所作を創出しており、男薙刀とは別にこれを伝えた。

天道流と直心影流は言うに及ばず、
肥後の楊心流薙刀は星野家から分派して明治以降に女性に稽古され、現在は女性の師範が指南している。
香取神道流では昭和になると薙刀を女性に指導した。
念流でも昭和になると女性が稽古している。
戸田派武甲流は女性が相伝している。
津軽藩の直元流では白鳥家から笹森家に相伝が遷り、現在はわずかに女性が学んでいる。
我が穴澤流も例外ではなく、新庄藩士松坂次郎左衛門は女性に指導し、わが恩師五十嵐きぬが相伝した。
もう一つのわが柳剛流は飛違を多用するので現在、男性しか稽古していないが、要望があれば女性に指導することもやぶさかではない。

多くの流儀でこうした薙刀を現在、男性が学ばないのは大変に遺憾であるが、天道流・直心影流・楊心流・穴澤流などは婦女子用の形しか残っておらず、もはや男性が学ぶ機会は失われている。
男性が薙刀を遣う場合、その長さは九尺とされ、女性用の薙刀は七尺とされている。
これは流派を問わず、普遍的にみられる古来からの伝統である。





(完)
by japanbujutsu | 2017-11-22 20:43 | 武術論考の部屋 Study
行灯袴

行灯袴は袴のなかに中仕切り (襠) がないスカートタイプの袴である。
着流し姿の普及によって着用が簡便な袴として作られた袴で、江戸後期には一般化した純国産の「和袴」である。

武術の稽古ではほとんど使われない・・・
というのが一般的な見解である。
武術で使うのは馬乗袴、そんなことはだれでも知っている。

それでは本当に行灯袴は武術の稽古で使われなかったのだろうか。
ここに一枚の写真がある。
雑誌の取材で天神真楊流の宮本半蔵と香取神道流 (揚心古流) の杉野嘉男が 「引立」 の形を演じている一枚である。

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ここで宮本が着用しているのは明らかに行灯袴である。
取材ということで、演武をするつもりはなく、着流しに袴で来たのだろうか。
でも他の参加者はしっかりと紋付きに馬乗袴を着用しているから、最初から演武をする予定であったはずである。
これから江戸期の文献を精査して考証してみたい。
※考証は 『水月』 紙で発表する。





(完)
by japanbujutsu | 2017-11-16 17:08 | 武術論考の部屋 Study
関口流抜刀術駿河館

先日の藤枝における静岡県古武道演武会の日は、ちょうどルーマニアから我が本部道場にキァラヴァン夫妻が稽古に見えており、この日は同行させて演武を見学させた。

帰りに折角の機会だから、駿河館も見学させ、記念写真を撮影した。

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(完)
by japanbujutsu | 2017-11-12 17:39 | 武術論考の部屋 Study
薙刀の操法

同じ飯篠長威斎の流れでありながら、どうして操法がまったく異なるのだろうか。

香取神道流と穴澤流の薙刀。

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香取神道流では三等分把持法を用いるのに対し、穴澤流では三分一把持法を採用している。
ちなみに直元流、戸田派武甲流では二分一把持法、天道流は石突側を余した三分一把持法、直心影流は短い薙刀を遣うため穴澤流とほぼ同じである。

薙刀を持つ位置を変えると操法はまったく異なるものとなる。
三等分把持では石突を多用する特徴があるが、薙刀中央部を操法の回転軸としているため、打太刀(剣)との間合いが剣と同じになり、薙刀の長さを活かすことができないという難もある。
穴澤流の回転軸は手元で、操法は剣と同じ理合である。

詳細な考証は 『水月』 紙上にて。





(完)
by japanbujutsu | 2017-11-10 17:05 | 武術論考の部屋 Study
古流の宗家は廃止すべき

ときどき同じことを言わないと、世はよくならない。
馬耳東風が多い上に、依然として宗家が多く存在しているため、重ねて啓蒙していく必要がある。

宗家を名乗るといずれその流儀は滅びる。
現宗家 (勝手に宗家を名乗っている) が亡くなったらだれが次代の宗家になるのだろう。
同門相弟子の中で新宗家をよく思わない者が必ず出てくる。
相弟子なのになぜあいつが宗家なの?と。

その結果、勝手に宗家を名乗って独立する者が現れ、流派が分裂していく。
こういう醜い争いは武術伝承の本意ではないはず。

どうしてこれほど宗家の不合理を説いているのに、宗家がなくならないのだろうか。
啓蒙を続けるしかない。
名和弓雄氏のように筆者の考えを受け入れて即刻宗家を廃止した人がいるというのに。
自己顕示に縛られて、誤った道を歩き続ける人たち・・・

村上派兵法 (へいほう) 天下一二天一流松永伝における礼法。

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二天一流には宗家が何人もいるようだが、筆者の系統ではそのいずれとも違っている。
実質的に宗家などまったく機能していない。





(完)
by japanbujutsu | 2017-11-01 22:09 | 武術論考の部屋 Study
膝丈着物

武術の稽古着というのは江戸時代も末期に近づいてから登場した物。
それまでは日常着用している平服で稽古も行われた。

その場合、裾丈が長いときには裾をたくし上げ、腰帯に挟んで尻からげの格好になる。
だから当然、褌は丸見えである。

しかし、この絵目録のように、元から膝丈の着物もあったわけである。

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これに袴を着ければ畏まった稽古スタイルになる。

骨董市へ行くと、時間があれば時代着物を見るのであるが、なかなか我が身の丈にフィットするものがない。
おまけに武術の稽古に使えそうな一重の綿着物など滅多にお目にかかれない。

たまには着流しで稽古でもしてみようか。





(完)
by japanbujutsu | 2017-09-04 20:50 | 武術論考の部屋 Study
国際水月塾武術協会の活動目的

国際水月塾武術協会では、単に武術を稽古することだけを目的とせず、稽古を通してその向こうにある人類を平和に導くという崇高な目的をもって活動している。

The objective of the ISBA are to promote and popularize japanese traditional bujutsu and chinese kung-fu as well as to work for world peace and goodwill.

これは当会で有段者 (本部登録正会員) に持たせている 『武術手帳』 に明記されている一文である。

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だから当会では稽古やセミナーの後に必ず宴会(交流)の場を用意する。

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これなくして当会の活動もあり得ない。





(完)
by japanbujutsu | 2017-08-31 17:40 | 武術論考の部屋 Study
股立を取る

どうして、最近の古流を稽古する人たちは袴の股立を取らないのだろうか。

踝も隠れるような長い袴を着けているのだから、稽古のときは股立ちを取るべきだろう。
これも歴代師範たちの慣習が伝えられていない証拠である。

敢えて言えば、古流の7~8割は、股立を取る慣習があったと思われる。

槍の佐分利流は常に取っているが、宝蔵院流は取ったり取らなかったり。
剣術でも念流はよく伝統を守り、股立ちをとっている。

股立を取らないということは、演武全体が腰高になっている証拠でもあり、動きが正しくない証拠でもある。

写真は仙台藩伝柳剛流剣術のセミナー(ブダペスト)

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(完)
by japanbujutsu | 2017-08-26 21:14 | 武術論考の部屋 Study
礼法の矜持

礼法の作法・動作は流儀によって様々である。
それがまた、流儀を学ぶ楽しみの一つでもある。
礼法は流儀の顔。

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それぞれの動作・所作にはすべて流儀の口伝が添えられている。

ところが、柔道や空手の試合には礼法の所作がない。
ただ頭を垂れるだけ。
中にはその頭すら垂れない者もいる。
日本武道として情けないかぎり。





(完)
by japanbujutsu | 2017-08-23 23:33 | 武術論考の部屋 Study
駒場エデン教会牧師、直元流大長刀、神無想林崎流居合、小野派一刀流兵法師範の笹森建美先生が昨日ご逝去されました。

心からご冥福をお祈り申し上げます。

『武士道とキリスト教』 は私の大切な愛読書です。
東京都では数少ない正統な古流を相伝されていた素晴らしい先生でした。

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(完)
by japanbujutsu | 2017-08-16 06:00 | 武術論考の部屋 Study

by japanbujutsu