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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

カテゴリ:武術論考の部屋 Study( 225 )

正座

私が免許を有する武術の中で”正座”をする流儀はない。
武術における正座は小笠原流礼法から採用されたと言われているが、その嚆矢は実のところはっきりしていない。
正座の難点は一動作で立つことができず、また、後方に倒れることができないことである。
かつての武術は屋外での演武に対応できるように、礼法においては皆、爪先を立てている。
そうは言うものの、国際化の現在、正座は日本文化の一つでもあり、わが協会では稽古の最初と最後の師範礼においては正座を採用している。

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武術の流儀とはかけ離れた 「セレモニー」 の一つとして行っている。
ところが、海外の会員の多くが膝を故障していて 「正しい正座姿勢」 ができない。
体重が重すぎるため、膝に過重負荷がかかって故障を来し、深く曲げることができない。
これでは敵を倒す前に自滅する。
まずは減量が必要である。

ハンガリーのミシュコルツ支部から参加した4人。

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全員、肥満体である。




(完)
by japanbujutsu | 2016-08-10 17:17 | 武術論考の部屋 Study
天神真楊流柔術 伊瀬衣子

昭和の中頃まで、大阪には複数の天神真楊流柔術の稽古場があった。
伊瀬衣子の稽古場はその一つ。
天神真楊流は父親の伊瀬勘治に師事した。
典型的な女武芸者であり、柔術の他に直心影流薙刀や棒術にも優れていた。
今となってはこの系統が存在していたこと自体、まったく忘れ去られてしまっている。
この親子は共著で天神真楊流の本を出版している。

写真を見れば、形の熟練度が一目瞭然である。

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後継者が育たなかったのはなんとも惜しいことである。





(完)
by japanbujutsu | 2016-07-07 17:35 | 武術論考の部屋 Study
柳流柔術

柳流柔術は江戸時代より代々岩永家に家伝されてきた流儀である。
肥前の流儀であるが、近代になって香川県に移り、現在は心月無想柳流として兵庫県で活動している。
相伝は時に岩永家を離れるが、現在は再び岩永源三郎正義氏が相伝しており、奇跡的に家伝の武術として存続している。

写真は九代目の岩永源一(左)によるもので、はっきり確認できないが白刃捕の形だろうか。

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当時は単に柳流と称していた。




(つづく)
by japanbujutsu | 2016-07-05 17:25 | 武術論考の部屋 Study
普聞楊心流柔術 皆木三郎

全日本古武道連盟のつづき。

今回は普聞楊心流柔術の皆木三郎を紹介する。
筆者も彼の演武をかつて日本武道館で見たことがあったが、身のこなしが非常に優れていた。
特に半棒の技に定評があった。
楽しみの演武の一つだった。
関西における本體楊心流・高木流系は、流派内の対立が絶えず、また分派が激しいため、彼も敢えて独立した流派を立てたのだろうか。

写真は珍しい居合を稽古している場面。

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(つづく)
by japanbujutsu | 2016-07-03 17:06 | 武術論考の部屋 Study
竹之内判官流武術

竹之内判官流は西沢久三郎柳春斎を初代とし、昭和の時代に中島正義柳正斎が五代目を継承した。
中島は他に、鷲尾流武術(柔術、半棒術、剣術、棒術)の二代目継承者でもある。
竹之内判官流は総合武術で、兵法学、居合、長棒、半棒、鉄扇、十手、鎖鎌、柔術、手裏剣、剣、小太刀、槍、穏形、薙刀、騎射、畳返し、小具足の諸術を含む。

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昭和40年代当時の伝承者は知っていたが、近年、その消息を聞かない。
健全に伝承されているのだろうか。
この時勢ではもうこの膨大な内容を皆伝するのは無理だろう。





(つづく)
by japanbujutsu | 2016-07-01 17:34 | 武術論考の部屋 Study
今枝新流杖術

昭和37年に大阪で結成された全日本古武道連盟の原加盟流派のうち、筆者が個人的に興味のあるものを紹介する。

今枝新流杖術。
当時の継承者は可児籌吉。

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近年、岡山県で開催された古武道大会に同流が出場していたと記憶しているが、筆者は残念ながらその演武を見たことがない。

写真を見ると、杖を使って相手を引き倒している形のように見える。
現在の 「競技杖道」 は全日本剣道連盟で行われていて、修行者が多いため、「あれが杖道」と思われがちであるが、その他の流派にはそれぞれ独特な動作や雰囲気があり、古流として存続させてほしい。

振興策として全日本各流杖術大会などが開催されると面白い。





(つづく)
by japanbujutsu | 2016-06-29 17:44 | 武術論考の部屋 Study
武術における守破離

現在、伝承されている古流武術において破と離は絶対にあってはならない。
免許皆伝を得た流儀から離れ、新たな流儀を立ち上げるのは、江戸時代の武士がやったことで、その連綿と現代に伝えられてきた伝統ある流儀の内容を勝手に変えることは、江戸時代とまったく異なる現代の環境下でなすべきことではない。

「破」の段階ですでに流儀の掟を犯しているのであり、その形・技を継承してきた歴代の相伝者を冒涜する行為となる。
ちなみにわが協会の制定形になっている日本柔術(甲陽水月流)は、筆者が学生時代に学んだ大和道という柔術が未完成だったために、師の許可を取って新たに完成させたものである。

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筆者は免許皆伝を得た流儀を変革したことは一度もない。
武術の稽古、伝承において破はあってはならない。
あるとすれば、流儀の伝承とはまったく別に個々人が勝手に工夫をすることである。
しかし、それは個人の所産であり、流儀の内容とは別に考える必要がある。
そして、その勝手に工夫応用した技を、人に教えることはあってはならない。
破と離はあくまでも個人の中において行われるべきものだからである。





(完)
by japanbujutsu | 2016-06-19 17:04 | 武術論考の部屋 Study
居合人形

武術に関連するものは何でも史料になるので、いろいろ収集している。

居合人形。
江戸時代の作。

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実に面白い。
上から順に見ていこう。

髷はしっかり元結いがあり、団子にまとめている。
鉢巻きと襷は木綿でできていて、鉢巻きは古式通り、一結びになっている。
馬面で髭の形が面白い。
家紋は丸に二つ引きで、足利氏とその子孫が使った。
袴は括袴で、膝が露出している。
板の間では苦しいと思うが、古の武士はどうだったのかわからない。
膝にタコができていたかもしれない。
しっかりと白足袋を着けているのも正式スタイルである。
肝心の刀は明らかに三尺三寸刀であり、このスタイルは抜刀直前に鞘を抜き出した場面と思われる。
片膝の立て方も古伝の居合腰となっている。

これが本当の居合稽古の姿である。





(完)
by japanbujutsu | 2016-06-11 17:50 | 武術論考の部屋 Study
無刀流組太刀

前回に続き 『剣道教範全』 からの引用。

この中に無刀流の組太刀が解説されている。

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こんな素晴らしい組太刀であれば、学んでみたいと思う。

剣道家はもっと古流に関心をもち、剣道をスポーツとしてではなく、生涯武道として学ばなければ、日本の武士文化は崩れ落ちる一方である。





(完)
by japanbujutsu | 2016-05-30 17:58 | 武術論考の部屋 Study
『関口流関係史料』 筑波大学武道論研究室

こんな文献が発行されていることを知らなかった。
『関口流関係史料』

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編纂は渡辺一郎門下の筑波大学武道論研究室。

デジタル大辞泉で【史料】という言葉は、「歴史研究の材料となる文献や遺物などの総称」と書かれている。
現代人がその「史料」を筆録したものは史料ではなく「資料」である。

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どうも筑波大学武道論研究室がやることは一過性の作業でいけない。
その研究が日本武術の研究や保存に何も貢献していない。
彼らが牛耳っている日本武道学会は、机上の空論ばかりですこしも実践につながるところがない。

「史料」と題するのなら少なくても影印(伝書の複写)ぐらいは掲載すべきだろう。




(完)
by japanbujutsu | 2016-05-26 17:24 | 武術論考の部屋 Study

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