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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

カテゴリ:技法研究の部屋 Skill ( 136 )

蜘蛛手切

四天流剣術の 「陰之巻」 の初本 (一本目) は 「蜘蛛手切之事」 である。

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これについていろいろ考えた結果、次の結論を得た。

すなわち、その前に学ぶ 「四天之巻」 の 四手が 「東方剣之事」 「南方剣之事」 「北方剣之事」 「西方剣之事」 であるのを承けて、この 「蜘蛛手切之事」 はいわゆる 「八方切」 のことを言っているのである。
蜘蛛の足のように放射状に広がり、または組み合わされている状態を 「蜘蛛手」 といい、また、刀を四方八方に振り回す様子にも使われる。

蜘蛛の手は八方向に出ているから、八方塞がりの状態で戦う剣術の一手に違いない。




(完)
by japanbujutsu | 2017-12-29 17:09 | 技法研究の部屋 Skill
夢の枕

堀藤右衛門を祖とする無眼流長太刀の一手に 「夢の枕」 がある。

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他流でも時折見かける形名であるが、ほとんどの場合は柔術である。

信州伝無双直伝流和の 「夢の枕」 は捕が腕枕で寝ているときに受が切りつけようと小太刀を構える場面から形が始まり、これは水月塾が復元して、松代藩文武学校の演武会でも公開している。

しかし、剣術(薙刀か)における 「夢の枕」 の想定がわからない。
柔術と同じく寝ているところを襲われる場面なのだろうか。
刀は寝ていても、手が届く場所に置いてあるか、隠してあるかのどちらかであるから、形として考えられないことはないけれど、そんな形はいままで剣術で見たことはない。






(完)
by japanbujutsu | 2017-12-27 17:43 | 技法研究の部屋 Skill
形の変容

これまで形の変容、すなわち相伝者によって形が異なる現象について何回か述べてきた。
同じ稽古場で同じ形をやっても皆違ったことをしているという珍現象も少なくない。
その理由は、

1 師匠に師事していた時期と年数の違い
2 武術に対するセンスの差
3 体格、体質の相違

大体、以上の3つに集約されるであろう。
1については、師範といえども人間、教える時代、時期によって形に相違が生じるということ。
2については、習う人間の修学能力によるもの。
3については、先天性のもの。

この中で、一番問題なのは2の理由によるもの。
同じ形や技を教えても、まったく下手で教えたとおりにできない者、すぐに要点を把握してほぼ教えたとおりに習得できる者などの差が出てしまう。
困ったことに、下手な本人は、自分のどこが間違っているのかを、自分でわかっていないということ。だから、直しようがないのである。

たとえば関口流抜刀を例にとると、下の青木先師の抜き付けスタイルと同じスタイルで抜いているのは、日本全国の関口流修行者の中で、筆者だけである。

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筆者と同門の人たちでさえもこれとは違うやり方になってしまっている。
しかし、これまた困ったことに、だれもが「自分が正しい」という。
酷い場合には、相伝者の中にだれも正しい形を行っている者がいない場合もある。

しかし、武術の場合、違っていると指摘してやっても、多くの者が聞く耳を持たないため、親切が逆に対立を生んだりする。
だから人は、お互いに指摘し合うことをしない。

こんなことをしていたら日本の武術は滅んでいくだけ。
救いの道はないのだろうか。





(完)
by japanbujutsu | 2017-12-20 20:38 | 技法研究の部屋 Skill
肘当ての活法

かつて北信一帯に塚原卜伝流の柔術が伝承されていた。

その柔術では活法に肘当てを用いるという。
随分と荒っぽい活法である。
気絶者を俯せに寝かせて施術するのだろう。
当てる急所(活点)は「七九」(シッチク)のつぼ。

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日本柔術においてはかなり普遍的に用いられる活点である。
筆者が伝承する流儀では、この活点に蹴りを入れて蘇生させる。
活法もいろいろある。

ちなみに伝書の左に立っているのは塚原大明神である。





(完)
by japanbujutsu | 2017-12-15 21:56 | 技法研究の部屋 Skill
技法「ためる」

昨日は支部長クラスが参加する今年最後の伝達講習会となった。

水月塾制定柔術 (甲陽水月流) の奥伝を主として稽古した。
奥伝の形の特徴として 「腕逆」 の取り方と 「ためる」 技法がある。

この 「ためる」 技法は表の腕逆と締めを同時に掛ける楊心流のオリジナル技法であり、締めは襟締めと手締めがある。

写真は 「手締め」 による極めの部分。

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水月塾制定柔術にはすべての形に共通するいくつかの重要な原則があり、それらを考えずに自然に身体が応じるまで稽古を積む必要がある。

柔術はあらゆる武術の基幹をなすものであり、すべての古流修行者に稽古を勧めるものである。
実際に技の効力・可否を体験、実証できる武術は柔術以外にないのだから。
はっきり言って、柔術の稽古は 「痛い」 し 「怖い」。





(完)
by japanbujutsu | 2017-12-11 20:49 | 技法研究の部屋 Skill
門を破るー入身ー

敵が長柄の道具を持っている場合、その道具の操作をさせないためには我が入身をする必要がある。

新陰流の極意「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」とはそのことを説いている。
あるいは武術では「勝つための極意は相打ちの覚悟にあり」とも説いている。
これらはすべて入身の大事を説いている。

柔術でも敵に第二の攻撃をさせないために、敵が第一の攻撃を仕掛けてきたとき、身を捨てる覚悟で敵の下に入身するのを極意としている。

しかし、その入身にもしっかりとそれを遂行するための、「敵の門を破る口伝」が各流派にある。
敵はその得物によって、あるいは自ら技を仕掛けることによって、自らの門を護っているのである。
だからこそ、我はその門を突破する技術を必要とする。

それが「入身」。
武術では群を抜いて難しい技術である。
よくよく工夫をされたい。

写真は柳生志限流柔拳法の門破り入身の技。

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(完)
by japanbujutsu | 2017-08-29 19:08 | 技法研究の部屋 Skill
『撃剣神通録』

『 撃剣神通録 』 (中) を入手した。
これは未だこの世に公開されていない。
内容は先意流薙刀の図解書で、薙刀対太刀の形を漢文で解説している。
薙刀研究に大いに参考になる。

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詳しくは 『水月』 紙上にて考証予定。





(完)
by japanbujutsu | 2017-05-11 21:33 | 技法研究の部屋 Skill
棒術と半棒術


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この図解に出ている棒術は荒木流だとされているが、伊勢崎伝荒木流では棒対剣なので、この情報は正しくないものと思われる。

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しかし、図解を見ると、現在のどこの流派にも見られない趣のある形で、無くなったのが惜しまれる。

次の半棒にいたっては、もはやどこの流儀も伝承していない半棒対半棒の組形であり、これは北斎漫画に描かれた流儀と同一のものと推察される。

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※画像は『柔術剣棒図解秘訣』より




(つづく)

by japanbujutsu | 2017-02-22 17:14 | 技法研究の部屋 Skill
江戸時代の撃剣

江戸時代の撃剣は今の剣道とはまったく異なっていた。

まずは足構え。
足巾が広く、腰を落とし、踵は絶対に上げない。

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剣術形の姿勢とまったく同じ姿勢で稽古する。
当然、打ち方の理合いも違ってくる。
だから膝を着いて、蹲踞の姿勢から胴を打つような技もあった。

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そしてまた、スポーツではないから短刀(小太刀)で戦うこともあった。

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剣道の試合を模倣した空手もまた同じであり、形と組手が乖離している。
上地流のように形と同じ動作で試合をするならいいが、シャモの喧嘩はいただけない。

※画像はすべて『柔術剣棒図解秘訣』より。




(つづく)

by japanbujutsu | 2017-02-20 17:05 | 技法研究の部屋 Skill
再び一重身について

武術の最も基本的な体構えとなる半身と一重身。
半身は体面が前に対して45度を向き、一重身は体面が完全に側方を向く。
右半身は右足が前、左半身は左足が前になる。

古流武術ではもっとも基本にして重要視される構えである。
力を一点に集中させるためにこの構えを常用する。
剣道のように体が正面を向いていたのでは、打突による力が分散して、得物に力が入らない。
特に、長い得物(棒・槍・薙刀)を使う場合には必須の構えである。

写真は力信流棒術の演武。

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仕・打ともに完全一重身となっている。
だからしっかりと後ろ足の踵も床に着いている。






(完)
by japanbujutsu | 2017-01-27 17:11 | 技法研究の部屋 Skill

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