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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

カテゴリ:技法研究の部屋 Skill ( 131 )

古流柔術の構え

古伝空手は拳を前に出して構えることをしない。
ところが現代空手の試合では、両拳を縦拳にして胸の前に構える。
こんな構えは古伝の空手には存在しない。
したがって現行の空手の試合は伝統空手とはまったく別の競技であると考える。
現在の空手は形と試合の理合がまったく乖離しているから、今さらここでこれを言っても仕方がない。
筆者が教授している台湾の金鷹拳も当然両拳を前に出して構えたりしない。
合気道でも両手を前に出して構えるが、古流柔術にはそんな構えはない。
以前にも書いたが、両手・両拳を体前に出して構える武道は、すべて戦後にできた現代創作競技である。
武道ではない。

古流柔術のほとんどは、両手は下腹に当てるようにして構える。

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この構えについては流儀によりさまざまな名称が見られる。
詳しくは拙著 『武術事典』 を参照されたい。





(完)
by japanbujutsu | 2016-09-11 17:23 | 技法研究の部屋 Skill
四方投

四方投は柔術各流派に見られる普遍的な技法であるが、それぞれの流派では趣が異なっている。

四方投で有名な流派は大東流である。
そして、その流れで一大勢力を築いた合気道がこの技を継承している。
大東流の師範の中にはこの技の原理をまったく理解していない人もいる。

さて、この四方投は筆者が学んだ武術では、大東流、武田流の他に中澤流があり、また渋川一流にも潜投という同種の技がある。

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正しい四方投の理論を技法とともにチェコのフィリップ氏に教伝した。





(完)
by japanbujutsu | 2016-07-27 17:49 | 技法研究の部屋 Skill
薙刀體操法

武術を体操化して学校教育に持ち込もうとした運動が大都市を中心として各地で起こった。

なかでも小澤卯之助の一連の著作に紹介された各種の武術体操は、武術形そのままといった感がある優れたものである。

小澤の流儀は一刀流であるということの他はあまり知られていない。
体操法には徒手・剣・棒・薙刀・槍までもあり、多くの流儀を心得ていたことが推察できる。

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今、中学校では正にこのような争う武道ではなく、演じる武道を修学させるべきなのである。
武道に無知この上ない文部科学省のお役人さんにこれが届けばいいのだが・・・





(完)
by japanbujutsu | 2016-06-05 17:32 | 技法研究の部屋 Skill
腕挫(うでくじき)

立った状態で掛ける逆手技「腕挫」(『柔道教範』M41)。
水月塾の制定形では「七里引」という。

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見た目以上に強烈な激痛が走る技で、容易に肘関節を砕くことができる危険な技でもある。
現在の格闘界において寝技の逆十字が多用されるのに対して、この技がほとんど見られないのは掛け方を知らないのか、決め方を知らないのか、いずれにしても柔道からは完全に消えてしまった一手である。

古流では引っ立て技として敵を連行する際に用いられる。




(完)
by japanbujutsu | 2016-06-03 17:13 | 技法研究の部屋 Skill
剣道の足構え

現行の剣道における足構えが明治期までの「撃剣」のそれとはまったく相違していることはすでに諸書において述べた。
写真は明治初期に行われていた撃剣会の様子を描いたものである。
足幅は広く、両足の踵はしっかりと床に着き、半身・一重身を多用している。
基本的には古流の体遣いを竹刀剣道にも応用していることがわかる。

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現行の剣道のようにスピードを最重要視して打つために、踵を上げてしまうと竹刀に力が乗らない。
いわゆる小手先の技になってしまい、人を斬ることなんか到底できない「当てる競争」となる。
スポーツなのでそれでよい。

何度もいうが、今、中学校で必修科されている「武道」は、「真の武道」とはほど遠く、まったくその要素を含んでいないことを教育者たちはだれも知らない。
本当に困ったものである。






(完)
by japanbujutsu | 2016-06-01 17:06 | 技法研究の部屋 Skill
無刀流の構え

山岡鉄舟が開いた無刀流の構えが『剣道教範全』(『史料明治武道史』所載)に写真入りで解説されている。

演じている少年の姿勢には無駄がなく、堂に入っている。

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基本的には一刀流の別れであるから、何らそれと変わるところはないが、この少年の姿を見ただけで、その打つ形の素晴らしさが見えてくる。
武術とはそういうものだ。
武術は基礎からしっかりと学ばなければいけない。

居合の大会などを見ると、技などする前から、その帯刀姿勢を見ただけで技量がわかるというものである。





(完)
by japanbujutsu | 2016-05-28 17:47 | 技法研究の部屋 Skill
竹刀による形稽古

竹刀による形稽古といえば、何よりも蟇肌撓を用いる新陰流が知られている。
今でも力信流では袋竹刀で形を打つことがある。
しかし、基本的には形は木刀で打つ。

また、江戸初期においては袋竹刀による素面・素小手の試合も広く行われていた。
現在の剣道のような固い竹刀は、江戸中期から次第に普及し、この撃剣で使う竹刀は形稽古では使わなくなった。

しかし、明治になって、撃剣の体操化が試みられると、再び竹刀で形を稽古する風潮が見られるようになる。
それも一風変わった竹刀である。

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三十年以上前だろうか、筆者はこの竹刀を骨董市で見たことがあったが、購入しなかった。
資料として購入しておけばよかったと後悔している。

さて、変わった竹刀による形稽古は『新案撃剣體操法』(M29)で紹介されている。

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何流が元になっているのだろうか。
非常に優れた形・技の数々が紹介されており、これを見て実習することも大いに意義があることと思う。
by japanbujutsu | 2016-04-26 17:39 | 技法研究の部屋 Skill
捕縄人形

水月塾関西支部長の山根氏が先日、本部の稽古に見えた際、力信流の伝書と同じ竹籠に入っている捕縄人形を持参してくれた。

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力信流に捕縄があったのは筆者も知っており、大長九郎先師も捕縄を伝えていた。
しかし、伝書にはその記載が見られない。

その捕縄人形の数はすごく、これを覚えるには相当の年月を必要としたことが推察できる。
だからこそまたその失伝を防ぐためにも、その縄筋を保存する工夫が必要だったのである。

それぞれの捕縄形についての詳しい解説は山根氏に任せるとして、ここではその一部を画像で紹介したい。

通用縄 重き方

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武士くくり
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by japanbujutsu | 2016-03-24 17:12 | 技法研究の部屋 Skill
甲州伝渋川流柔術復元 32

剣術中段

行連突放
 

打太刀仕手の右に並び歩行。

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仕手は右手で打太刀の左肩を突く。

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打太刀横に一足踏み出し、抜かんとするを、仕手太刀より肩にかけて切り付けつめる。

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長らく紹介してきた甲州伝渋川流柔術の復元は、今回をもって終了する。
戦前まで伝承があった武術が時代の変化により後継者に恵まれず、全国各地で失伝していった。
寂しくもあり、情けなくもある。
一度、なくなったものは二度と蘇らない。
伝書に忠実に復元していくしかないのである。
この復元作業は、貴重な日本武術を記録として残すために、膨大な渋川流の教程のほんの一部を撮影したものである。
機会があれば、全技法を時間をかけてしっかりと記録に残したいと思う。




by japanbujutsu | 2016-02-01 17:50 | 技法研究の部屋 Skill
甲州伝渋川流柔術復元 31

剣術中段

行連小手落


打太刀仕手の左に並び歩行。打太刀抜かんとするを、

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仕手左足を右方へ開いて踏み、右足を左方へ身をかわしながらとり、

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抜かんとする小手に切り付け詰める。

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by japanbujutsu | 2016-01-30 17:43 | 技法研究の部屋 Skill

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