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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

カテゴリ:技法研究の部屋 Skill ( 130 )

甲州伝渋川流柔術復元 9

ここで渋川流柔術の総目録を掲載しておく。

表形目録
 手続 八(楊柳 肘金 爪返 違引 面影 膝車 靡勝 鬼拳)
 捻合 八(振込 捻返 飛違 突込 肩付 奏者捕 奏者返 羽節返)
 四ツ之捕 四(四ツ之取 脇奏者 後膝附 脇利)  
車捕 十六(脇差柄取四 脇差放解四 大小柄取四 大小放解四)
 固 七(羽衣曲 風呂詰 小鳥〆 扣落(鳥ノ子) 水鳥 大殺 千人詰)
 立合 六(行違 素首 左肩附 右肩附 行当 行連)
 組合 十(四手三 外首二 掛ノ留二 大投三)
 居合 十一(左剣 手拍子 青柳刀 篠露 雲井刀 変剣 変化 乱星 横雲 小続松 下藤 車反)
 抜掛 十(八重垣 腰車 螳螂剣 滝流 一勺抜 相構 面突 西岸斬 竜勢 徃崩)
                                 以上、八十手

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柔術目録奥形
 小具足 二十(差問 小手留 引落 押留 仕掛 引脇差 突脇差 打掛 列座 腰之廻 稽首脇 旅之松 寝首 
        逆馬 手枕 膝 突奏者 逆奏者 捻留 徃崩)
 立合 五(山颪 風車 返捕 は□之投 草之靡)
 自己誤 七(胸取之匕 背負之返 山颪之返 杉倒之反 海老投 取合セ 頭巻)
 立合 八(相手大小:前 後 左 右、仕手大小:前 後 左 右)
 中段(剣術) 七(小手落 鍔迫 前之払 行連小手落 行連突放 後之払 反抜)
 一人固 五(片羽節 居込 如見 逆風呂 丸木橋)
 二人固 六(□詰 北斗詰 仰羽節 反橋 伏左右之矯 逆之矯)
 数人固 七(両羽節 肩掛 突掛 千曳 カスカイ 四人固 柔固)
 立固 五(四天 釣鐘 二人客僧 三人突立 四人固)
                                 以上、七十手
奥意拳法之巻
 居捕 四(前向合 左之脇 後 右之脇)
 転車之捕 四(前向合 左之脇 後 右之脇)
四転之捕 四(前向合 右之脇 後 後)
 詰捕 四(前向合 左之脇 後 右之脇)
 無刀立合 四(一 二 三 四)
 抜附 三(一 二 三)
 大小立合変化 二(ための形 柄とこじりにてための形)
 大小立合変化後よりかかる形 三(一 二 三)
 立合一つめの変化 二(おもり 名無し)
                                 以上、三十手
拳法巻之二
 鍛錬 二十五(胸押 四ツ手押 海老〆 帯引 腰附 吊上 宙返 木刀返 棒倒 吊落 鬼拳 大小柄もぎ 風呂〆 奏者捕 捻留 三所〆 胸拉 大〆 俵〆 ちびき 鉢砕 肩当 柱固 天狗〆 先取)
                                 以上、二十五手
別伝
 固之形変化 七
 剣術之形 十三
 小具足 十(前向合 前向合 前向合 右之脇 仕手仰向に寝 仕手仰向に寝 仕手右を下に寝手枕違 
   相胸倉 左脇曲尺の手)
組合 七(四ツ手押前 四ツ手押逆 四ツ手押順 大腰勝 大腰揚 綿噛 鉢砕)
 居合 三(初本 二本目 三本目)
 みほのやの形(鑓) 一
 極意形 二十
 手裏剣
by japanbujutsu | 2015-12-15 17:37 | 技法研究の部屋 Skill
甲州伝渋川流柔術復元 8

突込 

右拳で胸部を突く。

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左手で手首を取り、右手で拳を取り、折ろうとする。

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イヤと応える。胸を拳に当て、右足を踏み込み、折ろうとする。

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イヤと応え拳で突き倒そうとする。
右手を二の腕に移し、左足を踏み込み、後へ返る(右肩から右転する)。

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右足を出し、右手を捻り上げる。

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by japanbujutsu | 2015-12-13 17:27 | 技法研究の部屋 Skill
甲州伝渋川流柔術復元 7

飛違 

両手で右手を取り、目通りに突き上げ、

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左足を立てて受の右脇下を蹴り、飛び違い、前に倒す。

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単純であるが故に、重要かつ錬度を要する形である。
飛び違いは頭の高さを変えずに瞬時に位置移動する必要がある。
by japanbujutsu | 2015-12-11 17:18 | 技法研究の部屋 Skill
甲州伝渋川流柔術復元 6

捻返 

両手で右手を取り捻る。

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イヤと応え、左の手で右の手首を取り、左に返り(左膝を内に入れ、左肩より廻る)起き上がり、

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押さえて引き付ける。

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by japanbujutsu | 2015-12-09 17:41 | 技法研究の部屋 Skill
甲州伝渋川流柔術復元 5

鬼拳 

両手で右手を取り、肩に懸ける。

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右手を引き下げ胸に当て、突き倒す。

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右手を直ぐに後ろ腰を打つ。

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by japanbujutsu | 2015-12-07 17:28 | 技法研究の部屋 Skill
甲州伝渋川流柔術復元 4

靡勝 

右手で左の二の腕を取り、右足を後に踏み開き立ち、左手を受の左脇に差し込み投げようとする。

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後へ返りながら投げる。

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固め方は肘金に同じ。

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by japanbujutsu | 2015-12-05 13:23 | 技法研究の部屋 Skill
甲州伝渋川流柔術復元 3

爪返 

両爪を取り上げる(左手で捕の右手、右手で左手を握り、内部より上方に締め上げ、逆に折らんとする)。

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右膝を立て(左膝を退き、臀部を上げる)、両手を左下に下し、

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また上げ、爪を取り返し、

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突き倒す。
両手で脚を押さえ右膝で金的を潰す。

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by japanbujutsu | 2015-12-03 17:15 | 技法研究の部屋 Skill
甲州伝渋川流柔術復元 2


肘金 

楊柳の如く取る。

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肘を曲げ受の胸に当て、右膝を立て、
  
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左手で右膝を打ち払い、左へ投げ、右肘で腹部を押さえる。

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左膝を襟にかい、左手を咽に差し込み右手首を取って右足を開き、左右の手を弓を引くように引き開く。
右手を右足の下へ固める。

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by japanbujutsu | 2015-12-01 17:07 | 技法研究の部屋 Skill
甲州伝渋川流柔術復元 1

甲州伝渋川流柔術は初代渋川伴五郎義方の門人、薬師寺方正政俊が甲州勤番士に教えた流れを汲み、代々、勤番士および神主が相伝した。
その技法は源流の関口流を一点も崩さず、原形そのままの形で伝えたため、幕末に江戸の渋川本家の伝承が絶えそうになったときには、その高弟を甲州に派遣して実習させたという記録が残っている。
しかし、伝統の流儀も明治維新後、次第に先細になり、大正時代の伝承者を最後に伝統が途絶えてしまった。
現在、その師範家には膨大な伝書類が残されており、かなり正確な形が復元できる。
ここにその記録を残し、研究の一助としたい。

楊柳 

左手で右手を下より掬って取り、右にて掌を組み合わせ、手首を折ろうとする。
  
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オイと応え右肩の所を三角に押し、

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形をぎりぎりと右へ廻る(右膝を退く)。

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右手を腹部に引き付け、左手を二の腕にかけ(親指前)、両手を伸ばし、腹の重りにて左の掌を付け、右手は受の右手首を掴んで押しつける。左膝を二の腕に乗せる。

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by japanbujutsu | 2015-11-29 17:44 | 技法研究の部屋 Skill
大森流立居合

時代の要請に応えて明治以降もさまざまな武術の近代化が工夫された。
西南の役で抜刀隊の活躍が認められると、警視庁は全国から居合の達人を招聘して「警視流居合」を制定した。
五流派が一本ずつ出し合って実戦に即応できる五本の立居合形を制定したが、中身は神道無念流一色になっている。

時は流れて、大正から昭和初期にかけて陸軍戸山学校では軍刀操法が制定された。
それが太平洋戦争後に戸山流として一方の居合道流派を形成した。
これも当然実戦を重視した即戦力となる立居合である。

そして昭和八年、一般にはほとんど知られていない大森流の立居合が海軍兵学校で制定された。
従来の大森流を立居合に仕組んだのである。
実は同じことを戸山流の中村泰三郎がしている。
その辺の事情はよくわからない。

今ここに海軍兵学校がテキストととして作成した『立居合術心覚』がある。

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技の理合はしっかりしており、現在の全剣連や全日居連に加盟している競技流派の人たちには是非とも研究してほしい内容である。

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by japanbujutsu | 2015-11-27 17:44 | 技法研究の部屋 Skill

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