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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

カテゴリ:宮本武蔵 Miyamoto Musash( 18 )

二隻の屏風

宮本武蔵直筆の二隻の屏風を入手した。

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真筆であれば博物館級である。

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屏風の保存状態が悪いが、肝心の絵の方の痛みは少ない。

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武蔵の書を鑑定できる鑑定士はだれもいない。
自分で真贋を見極めるしかない。




(完)
by japanbujutsu | 2016-10-13 17:30 | 宮本武蔵 Miyamoto Musash
鉄貫

長尾流躰術で使用されていた道具に「鉄貫」がある。
この道具の考証は別の機会に譲るとして、これとは別に、晩年の宮本武蔵が自作し護身用として使用していたという「懐剣」があり、形状はほとんど同一であるという。ただ懐剣の方には刃があるのだという。

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本当にこんな道具を武藏が護身用として携帯していたのだろうか。
大いに疑わしい。
そのことが書かれている嚆矢は一体いつのどのような書籍なのだろうか。
晩年の武藏がこんな道具を持っていた可能性は限りなくゼロに近いのではなかろうか。
しかも武藏が使用したのは「長尾流鉄貫」であるなどと頓珍漢なことを書いている輩にいたっては言語道断である。
by japanbujutsu | 2015-11-17 21:55 | 宮本武蔵 Miyamoto Musash
五鳥図

今回紹介する武蔵の画は、彼が没する前年の正保元年(1644)に描かれたもので、彼が病に伏していた年である。

絵全体に迫力はないが、最晩年の彼の境地がよく感じられる作品であると思い、蔵品に加えた。

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それは力の剣ではなく、気の、そして精神の剣として案出した「五方ノ太刀」の趣をこの絵が具現していたからだ。

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五匹の鳥はあたかも「五方ノ太刀」を表していて、空木土、すなわち天人地三才の空間に五行を配したようにデザインされている。

二匹を天に舞わせたのは号の「二天」を表象しているのだろう。

清楚な作品の中にも武蔵の強い意気込みを感じることのできる名作と評価したい。

署名は正名と読めるが、かすれていて判然としない。
by japanbujutsu | 2015-05-20 17:38 | 宮本武蔵 Miyamoto Musash
達磨図

武藏は達磨を好んで描いたとはいうものの、世に出ている武藏真筆の達磨図は数えるほどしかない。

今回紹介する達磨図も初公開である。

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まるでゲゲゲの鬼太郎に出てくるネズミ男のように布を頭から被っている。

しかし、その筆致が豪快であり、一気に描いていることがわかる。

この絵には繊細さがない。

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印には「二天居士」とある。
by japanbujutsu | 2015-02-10 17:14 | 宮本武蔵 Miyamoto Musash
武蔵流剣術

宮本武蔵の流儀といっても数多くある。

晩年に熊本で起こした二天一流でさえ、各藩に伝承されたものは歴代の相伝者によって創意工夫がなされて変質していった。

ましてや壮年期に起こした武蔵流や円明流などの内容は二天一流とは大きく相違している。

ここに一つの伝書がある。
「武蔵流剣術初段目録」。

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もちろん宮本武蔵が元祖であるが、三代目の楠田円石が改編して流祖のようになっている。
楠田の師は姫路藩士で由井正雪の師石川主税である。

この流派は岡崎藩に伝承し、流裔に三橋鑑一郎が出ている。
また明治年間の師範那須春吉も名人と謳われ、門下に多数の精鋭を有した。

この流派では五方の形、あるいはそれに類する形を伝えず、もっぱら竹刀剣術を教えたが、その重要な技は目録に残して、伝書でこれを伝えた。

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三橋 鑑一郎は、大日本武徳会第1回精錬証及び範士。
二刀をとったら無敵で「蟹の三橋」の異名をとった。
by japanbujutsu | 2014-10-20 17:23 | 宮本武蔵 Miyamoto Musash
滝に鳥

「滝に鳥」などと勝手に安易なタイトルを付けたが、画題は何だろう。

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どうも武蔵の絵はあっさりした水墨画ばかりで、細密画が少なく、真贋もわからないものばかりである。

この絵にはもちろん判はあるが、署名がない。

この印判の真偽は他の作品と比較して、今後時間のあるときに精査してみたいと思う。

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by japanbujutsu | 2014-09-20 17:44 | 宮本武蔵 Miyamoto Musash
水墨画

今回は文人画家としての宮本武蔵の作となる水墨画(山水画)を紹介する。

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武蔵の作風から見るに、こうした山水画は非常に珍しいのではないだろうか。

問題は作品の真偽であるが、建物の線が随分と乱暴なのが気になるところである。

しかし、ここに書かれた彼の名前は珍しく「正名画之」とあり、確かに武蔵もう一つの諱「政名」に合致する。

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印もこれまでに見たことのない「宮本」となっていて、希少価値だけはあると思う。

箱書きには「山水之画 宮本武蔵正名筆 正筆」「甲子三月二日 古筆了意」とある。
by japanbujutsu | 2014-06-09 17:23 | 宮本武蔵 Miyamoto Musash
武蔵作「本松寺庭園」

兵庫県明石市の本松寺に宮本武蔵が作庭したと伝えられている庭園がある。

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旅行のついでに寄ってみた。

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う~~~~~ん、武蔵のセンスがないのか、寺の管理が悪いのか、時期が悪かったのかわからないが、まったくの期待はずれだった。
by japanbujutsu | 2014-04-20 18:18 | 宮本武蔵 Miyamoto Musash
武蔵筆『鶏親子図』

今回も武蔵の画を紹介する。

武蔵はよく鳥の絵を描いた。

鶏では特に『布袋観闘鶏図』が有名である。

しかし、今回紹介する『鶏親子図』は初公開である。

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古くて表装もされていないが、画そのものはお気に入りである。

尾が僅かに切れているのと、印が薄いのが難ではある。

屏風を剥がしたもののようなので、保存をしっかりしないといけない。

もちろん、この画の真贋は不詳である。
by japanbujutsu | 2014-03-05 16:50 | 宮本武蔵 Miyamoto Musash
円明流五構のこと

宮本武蔵が晩年に開いた兵法二天一流。

その組太刀はわずかに五本だけ。「中段」「下段」「上段」「左脇」「右脇」。これを五方の形という。

これ以外に形のないことは武蔵自身が五輪書で論じている。

五方の形以外の二刀組太刀や一刀の形は二代目以降の相伝者によって付加されたものである。

さて、その二天一流のもとになった武蔵の初期の流派、円明流にすでに五構の伝があり、これが五方の形のもとになっていることは明らかである。

五構とは、「表」「喝咄」「陽剣」「陰剣」「水形」。

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五構は五法であり、五法は五方であり、五方は東西南北中央であり、東西南北中央は上下左右中心であるから、五構の理が五方の理になっていることも明らかである。

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しかし、不思議なことにこの両者の関係や発展過程についてこれまでだれも研究をなした人がいないのである。
これだけ武蔵研究が進み、また二天一流や武蔵円明流などを名乗る人たちがいるにもかかわらず、余計な流派争いをしているだけで、真の武蔵像や二天一流の本質を追究しようとする人がいないのは誠に残念である。

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本年は筆者が懇意にされている先生の、武蔵研究の集大成本の刊行が予定されている。大いに期待したい。

※ここに紹介した「五構之巻」は筆者が主幹の日本総合武道研究所から発行されている『日本武術伝書集 柔術編(五)』に全文影印されています。
by japanbujutsu | 2014-01-11 17:20 | 宮本武蔵 Miyamoto Musash

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