ブログトップ

国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

japanbujut.exblog.jp

本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

カテゴリ:関口流抜刀 Sekiguchi ryu( 36 )

流儀研究資料

関口流抜刀を始めてから流儀研究のために少しずつ伝書類を収集してきた。
それが数年でこれだけになった。

b0287744_183476.jpg

これ、すべて関口流の伝書。
流儀の歴史や文化を知ろうと思ったら、まずはその一次資料である伝書を収集しなければいけない。
これなくして研究は成立しない。

現存流儀の伝書がいろいろな場所で売られているのに、その流儀を修行している人たちはなぜそれに興味がないのだろうか。
だから日本人は何も大成することができないのだと思う。






(完)
by japanbujutsu | 2017-08-21 17:56 | 関口流抜刀 Sekiguchi ryu
関口流のビックリ伝書 最終回

最後の謎はこの伝書の発行人。

伝書は文化二年に「東清葉鎮守府堂 樋口牧太尉源義局」が差し出している。

b0287744_23425162.jpg

まったくお手上げであるが、長崎か、あるいは長州に伝播した系統であるかもしれない。

後考に待つ。





(完)
by japanbujutsu | 2017-08-02 17:32 | 関口流抜刀 Sekiguchi ryu
関口流のビックリ伝書 ④

最後に驚くのが系譜。
元祖関口柔心を魯伯としているのは大きな間違いであるが (二代目氏業の号)、こんなことよりももっと凄いのは、その二代後に渋川伴五郎の名があり、氏業と伴五郎の間に謎の人物 「落合小兵衛尉」 が入っていること。

b0287744_2331358.jpg

これはあり得ない。
しかも伴五郎の諱が 「元利」 となっているが、これも初見である。

しかし、いずれなんらかの情報に出合うかもしれない。




(つづく)
by japanbujutsu | 2017-07-31 17:18 | 関口流抜刀 Sekiguchi ryu
関口流のビックリ伝書 ③

さらに読み込んでいくと、柔の極意に「由井正雪手繰」という殺活の伝がある。

b0287744_2317586.jpg

これは学んでみたい。
説明を聞かされると、歴史好きにはたまらないだろうと思う。

それにしても慶安の変は当時にしてみれば空前絶後のクーデターであったわけであるから、その殺活には筆者も大いに興味がある。





(つづく)
by japanbujutsu | 2017-07-29 17:12 | 関口流抜刀 Sekiguchi ryu
関口流のビックリ伝書 ②

この伝書で驚くのはまだ早い。
居合の箇条を見ていくと、そこには「君不知」というロマンチックな名前の形が姿を見せる。

b0287744_2304714.jpg

否、日本酒の銘柄としても使えそうだ。
君不知といえば、関東ではほとんど入手できないが、福岡県の筑前あさくら産のブランド米が有名である。

それにしても「恋剣」 を 「忍剣」 にして 「君不知」 を加えるなんぞ、いいもの物語じゃないか。
でも一体どんな形なのだろうか。




(つづく)
by japanbujutsu | 2017-07-27 17:51 | 関口流抜刀 Sekiguchi ryu
関口流のビックリ伝書 ①

一つの流儀をいろいろ研究していると、いろいろな出合いがある。
もちろん研究材料は一級資料の江戸期伝書である。

今回、取り上げるのは 『関口新心流柔』 というかなり奇妙な伝書。
流儀の各派にはそれぞれ累代相伝者の工夫があるから、それを見るのもまた伝書研究の楽しみである。
古伝を墨守した上での加条であれば何ら問題のあることではない。

体系を見ると、古伝通り、柔術の基本が終わった段階で居合の伝授がある。
こうした流儀の修行階梯は非常に重要なことであるが、残念ながら居合だけしか伝えていない肥後関口流にはこのような楽しみがない。
柳剛流でも剣術の基本を教えながら、同時に突杖 (とつじょう) や居合を稽古していく。

さてその伝書に記された居合の箇条を見ていくと、なんと本来の 「恋剣」 が 「忍剣」 と誤記されている。

b0287744_22491727.jpg

これでは形の意味するものがまったく伝わらなくなってしまう。
本当にこの伝書は発行者が筆記したのだろうかという疑問が出てくる。
相伝者が筆記したのであれば、間違ってはならぬミスである。





(つづく)
by japanbujutsu | 2017-07-25 17:35 | 関口流抜刀 Sekiguchi ryu
水野正勝の口伝

伝書は流祖直筆のものがもちろん原典ではあるが、累代の相伝者が新たに加えたものももちろんある。
むしろ、流祖直伝書の内容をそのまま一字一句も変えずに現代まで相伝されている例の方が少ない。

このことについて、江戸時代の相伝者が伝えたものは、もちろん我々も次代に伝えていかなければいかないが、我々の代になって加えられたり、新作されたりしたものはほとんど文化的価値はない。
それでも本伝の伝書をしっかり授けた上で、師匠の口伝を新たに付加して授けられたものは大事に伝える必要がある。
古伝の巻物を伝授せず、現代人が作成した伝書だけを授けるのは、もしその流派が古流を標榜しているのなら失格と言わざるを得ない。

さて、今回紹介する関口流居合 ( 居相 ) の伝書は当流四代目の中興祖、水野作兵衛正勝が先師の教えをまとめたもので、 『 為我学集 』 と称し、非常に貴重なものであるが、残念なことにこれは「 乾坤 」 両巻あるうちの乾巻であり、目録なのである。おそらく、坤巻の方に口伝が記載されているのだろう。

b0287744_20202983.jpg

b0287744_20204236.jpg

詳細な考証は日本武芸新聞 『 水月 』 で為す。





(完)
by japanbujutsu | 2017-07-12 20:05 | 関口流抜刀 Sekiguchi ryu
さまざまな目録

関口流抜刀における諸藩伝の目録伝書を見ていると、その箇条名が必ず一つや二つ異なっていることに気付く。

今回、紹介する目録は、服部弥兵衛光安の系統で天和二年(1682)の発行である。

流祖オリジナルの目録は、表(6)と裏(中段:5)を合わせて11箇条である。

b0287744_23265951.jpg

ところが、この目録では、表が7、裏が6で、合わせて13箇条となっている。

b0287744_23271258.jpg

他藩の伝承では表が1箇条増えている場合、二本目に「無布施経(ふせないきょう)」が加わっているが、この目録ではそれが「右剣」となっている。

流祖が一本目に左剣を置き、二本目に右剣を置かなかった理由をこの相伝者たちは理解していなかったのだろうか。

より詳しい検討は 『水月』 でなしたいと思う。




(完)
by japanbujutsu | 2017-01-29 17:08 | 関口流抜刀 Sekiguchi ryu
平成28年度 稽古納め

毎年、道場の稽古納めとは別に私的な自主稽古の納めを野外稽古場で行っている。

b0287744_17334474.jpg

ここは観光本には出ていない、隠れた富士山ビューポイントであり、地元の人たちが時折トレッキングで通過していくだけの場所。
私はここを晴れた日の自主練の場所に決めている。

b0287744_17341139.jpg

なんてったって正面が富士山という絶好の場所。
山中なので、掛け声も出せるし、手内剣も打てる。

b0287744_17344465.jpg

冬でも陽が差せばポカポカである。

平成28年度の稽古納めは30日。
二時間ほど稽古をして締めくくった。





(完)
by japanbujutsu | 2017-01-03 17:26 | 関口流抜刀 Sekiguchi ryu
妙技

武術の世界には妙技というものがある。
妙技は貫禄、味、枯れ、風雅、極致という筆舌に尽くしがたい世界の技を体現したもの。
そう、技が枯れているとか、技に味があるとかいう、その至極の世界。

若者がいくら稽古しても、いくら力が強くても、この妙技を体現することだけはできない。
古流の教えを永年の鍛錬の中で正しく実践し、練武してきた者だけが体現できる。
我が古流の師匠は、今はほとんど黄泉の客となったが、そのすべてが妙技を体現し、筆者にそれを示してくれた。
古流と見せかけて、実は現代人が歴史を捏造し、技を創作した流派では、いくら修行をしてもこの妙技を体現することはできない。
事理が一致しないためである。

先月の稽古で御年79歳になられたわが師匠が、伝えられている関口流抜刀の形のすべてを休憩を入れずに続けて演じてくださった。
それを拝見できるのは、稽古場通いの門下生だけに与えられた特権である。

いやはや恐れ入ったものである。

b0287744_1957089.jpg

そこには真似のできない 「妙技」 があった。

b0287744_19571351.jpg

鍛錬とはすごいものだとしみじみ感じた。




(完)
by japanbujutsu | 2016-12-29 17:37 | 関口流抜刀 Sekiguchi ryu

by japanbujutsu