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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

カテゴリ:手内剣探究 shunaiken( 43 )

手内剣 本物の古流

現在、残っている手裏剣の正式な流派は根岸流くらいだろうか。
香取神道流はどうだろうか、ほとんど消息を聞かない。
流儀は挙げないが、あとはほとんどが創作である。
稽古に相手を必要としないので、対敵動作としての 「形」 がなく、簡単に創作できてしまう。
また、一人稽古が可能なので、古流として学んでも、代を下ると変質が際だってくるという難点がある。
健全な流儀がほとんど皆無の手裏剣術については、もはや古流が壊滅的であるから、古文献から真伝を探ってできるだけ古流の手法に忠実に復元するしかない。
このような現状にあって、創作は致し方のないことであり、それ自体を非難するつもりは毛頭ない。
問題なのは、その手裏剣術における肝心要の打剣動作が滅茶苦茶なことである。
古流を徹底して修行してきた身として、そのような娯楽的な遊びの手裏剣を、武術として認めるわけにはいかない。
少なくとも剣術なり、居合なり、柔術なり、武術を練磨して体を錬った者でなければ、手裏剣を投げたところでいくら命中率が高くても、所詮は娯楽の域を出ない。
しかしながら、それでは本物の手裏剣術とは如何なるものであろうか。
その本物がなかなか見つからなかった。
そこにふと目に入ったのは、何と、筆者がこの半年間探し求めていた正真正銘の「古流手裏剣術」の姿であった。
その写真は、「医療法人札幌太田病院創立62周年記念特集」 の記事で紹介されているもので、制剛心照流柔術に付随していた手裏剣術を学んだ山口喜一師範の姿である。

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この打剣姿勢こそ古流と言えるものである。
左手を腰に当て、完全一重身の角体となり、正中線を崩さずに打つ。
筆者はこの写真を見つけて 「やはり手裏剣術だって他の武術とまったく変わることがない」 ということに自信を深めた。
今は徹底してこの姿勢で打ち込んでいる。
右足を前に出して順体で打つ、やはりこれこそが古流である。





(完)
by japanbujutsu | 2016-12-08 17:50 | 手内剣探究 shunaiken
水月塾制定手内剣 「水月針剣」

手内剣を始めて半年が過ぎた。
ほとんど毎日、感触を体感するために打っている。
自宅に三間打剣場があるので、便利である。
半年間、さまざまな試行錯誤を繰り返しながら辿り着いたのは、何の変哲もない五寸の短細剣 「水月針剣」 。

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的中率は、二間では十打十中、三間で十打八九中といったところ。
もちろん、これまで約30種類ほどの手内剣を試技してきたが、武術としての手内剣を考えれば、いろいろな意味から短細剣が有用かつ有利であることを悟った。
現在、手内剣術を伝承する「古流」で、健全な流儀が一つもないことから、自力で研究を重ね、日本武術の大原則を逸脱することのない、日本伝手内剣を大成させることを目指している。
武術の経験がなく、ゲーム感覚で手裏剣を 「投げている」 人たちはたくさんいるが(距離にこだわり打剣姿勢が滅茶苦茶)、そんなものを見るのは目の毒である。
とにかく言えるのは、剣術の心得がない者の手裏剣術は、娯楽でしかないことである。

わが水月針剣では以下の原則を徹底して打剣する。

①順体(右足前の右手打ち)で打つ。
②打剣時に上体を前傾しない。
③打剣時に後ろ足(順体では左足)の踵をあげない。
④三間以上の間合いでは打たない。
⑤手内剣飛中の軌跡は放物線を描かない。
⑥木・畳・藁以外の物には打たない。
⑦太刀併用では行わない。

以上を厳守して稽古をする。
今後は標的の工夫や手内剣の形状の若干の変更、教習課程などを構築していかなければならないが、まだまだ研究途上であるので、公開・教伝は当分の間、行わない。
やらねばならないことが山積している。

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(完)
by japanbujutsu | 2016-12-06 17:22 | 手内剣探究 shunaiken
五寸針手内剣試技 11/26

どうやらこの五寸針手内剣が筆者には合う気がしてきた。
見た目に劣るのが難点なので、そのうち少しだけ工夫をしてみたいと思う。

この日は三間からの直打。

画像は10回連続的中時。

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打点は気に留めず、体勢に注意を払って打つ。
根岸流の紡錘型手内剣も三間ならば的中は高確率になってきた。





(完)
by japanbujutsu | 2016-12-02 17:32 | 手内剣探究 shunaiken
五寸針手内剣の探究

五寸針手内剣を打つ人はあまりいないようである。
手内剣をやり始めると、皆、距離を延ばすことだけに夢中になり、手内剣の特性の研究などはほとんど行わないのではなかろうか。
長寸の棒手内剣や短刀型の豪快な打剣もそれなりに魅力はある。
しかし、失中したときにはその大事な手内剣を敵に奪われ、外した手内剣は後から回収しなければならない。
またしかし、そんな無様な姿態を聴衆の面前で行うことは武士として恥辱の至りである。
打つ (投げる) とはそういうものである。
そう、投擲武術の道具は闘いの場において、基本的に消耗品なのである。
これが武術と実戦の狭間の一つでもある。
ところがこの五寸針手内剣は外してもそう惜しくはない。
美的に優れず、しかも手元に五十本ほど携帯できるからである。
そして、比較的コントロールしやすく標的への的中率も高い。
あとは間合いの克服である。

本日(11/5)、一間から間髪を入れずに、二間まで一歩ずつ下がりながら十本連打を試技してみた。

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的中率は十中八九で、ほぼ敵の顔面を中てることができる。

五寸針手内剣、意外と面白い。




(完)
by japanbujutsu | 2016-11-18 17:50 | 手内剣探究 shunaiken
極細五寸棒手内剣 第二段階

この極細五寸棒手内剣。
購入したときには 「騙された!」 と思った。
そう、ただの五寸釘の頭を取っただけのもの。
しかし、安価だったので、これも仕方のないことと諦めて、少しは手内剣らしくするために柄巻きを施した。

ここ最近、この何の変哲もない極細五寸棒手内剣に時間を割いて打つようになった。
それまで長大な手内剣がザクッと刺さるのに爽快感を覚え、そればかり研究工夫をしてきたのであるが、改めて極細五寸棒手内剣を打つと、いろいろな利点が見いだせるようになった。

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今回は標的に対して左右に身体を捌きながら五連打する方法を試技してみた。

極細五寸棒手内剣の武術としての利点
1 重ね打ち (同時に二本の打剣) ができる。
2 連続打ちでほとんど間を置かずに打てる。
3 斜め打ち (標的に対して斜角から打つ) でも直角に近い角度で的中する。
4 一度に10本以上持てる。
5 敵が防御しにくい(ほとんど見えない)。
6 5本程度であれば、左掌に隠して持てる。
7 安価に製作できる。


ただ一つの難点は、武具としての見た目。
日本武術の特性の一つはその使用する武具の美しさにある。
だから寸胴丸削り、寸胴角削り、鉛筆のような寸胴の六角・八角削りは美的に優れず武士は好まない。
そのうち懇意にしている鍛冶屋に依頼して、少し工夫を凝らした形態の細型五寸手内剣を作ってみたい。




(完)
by japanbujutsu | 2016-11-14 17:37 | 手内剣探究 shunaiken
武術における姿勢の戒め

昔から武術の世界には 「身の規矩」 という教えがあって、身体は特殊な技法を除いて基本的には常に地(床)に対して垂直に保つことが要求された。

そして足構えにおいては撞木足を大原則に据え、現行の剣道のような両足の爪先が前を向くことを良しとしなかった。

最近の手内剣術の動画を見ると、姿勢がまったくなっていないものが目立つ。
古流ではないからいいのではないか、と言いたいのかもしれないが、姿勢の基本が崩れたら、それは古流どころか武術ではなくなってしまう。
これらの人たちは多分、古流の武術を経験したことがないのだろう。
だから手内剣をただ的中すればいいというように、ダーツか何かと混同している感がある。

まず日本武術の大前提にあるのは順体であるから、古流では身体の捻りを極端に嫌う。
そのための身体の運用法が各古流にはしっかりと伝えられている。
だから演武を見ればすぐに古流かそうでないかを判別できる。
これを今、手内剣術を例に見てみたい。
『図解手裏剣術』 のイラストを見ると、立て膝打ちの場合、身の規矩をしっかりと守っている。

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立て膝がそうであるならば、立って打つときも同じでなければならない。
筆者が手内剣を順体で打つ所以である。
根岸流の成瀬氏の写真を見ると、姿勢がやや前傾しており、体もやや捻れている。

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これは逆体故の仕方のないことであるが、現在の人たちに比べれば、身体の傾きも捻れもかなり少ないことがわかる。
そしてもう一人、心月流手裏剣術の菊地和雄氏の打剣の際の姿勢を見てみよう。

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逆体であるが、全く前傾せずに身の規矩を守り、後ろ足の踵も浮いていない。
これが正しい投擲の姿勢である。

よくよく研究されたい。





(完)
by japanbujutsu | 2016-11-12 17:41 | 手内剣探究 shunaiken
手内剣の試技 10/30

手内剣がどのような旋回をしながら標的に到達するか。
これを知るためには薄い平打ちの棒手内剣で試技する必要がある。
これは根岸流や香取神道流、あるいは現今白井流と称している棒手裏剣では実証できない。
これらの流儀では打剣において手内剣が旋回して飛んでいても問題ないからである。
しかし、これが短刀型手内剣になると、旋回はある意味で失敗であり、標的に当たるまで旋回の程度がわからないという難点がある。
それでは短刀型を初めとする平型手内剣では、どのようにすれば旋回を克服できるのか。
それを知るためには、やや長めの、そしてかなり薄い平型手内剣を自作して試技してみるしか方法はない。
そこでさっそくその試技用の手内剣を二本試作して打ってみた。

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いずれも長さ、厚さ、重さを変えてある。
これは祭礼用の古い刀を分解して製作した。
だからもちろん鉄製である。

これで風の抵抗による手内剣の「踊り」の様子が実検できる。
根岸流などのような通常の手の内で打つと、180度旋回して、刃が上を向く。

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円明流の打様で打つと、標的との角度調整に苦渋する。

しかし、今回の試技で手内剣の特性がいろいろと見えてきた。
そろそろ山へ籠もって数打ちでもしてみようと思う。





(完)
by japanbujutsu | 2016-11-02 17:20 | 手内剣探究 shunaiken
手内剣の試技(10/29) 

現在、試技中の手内剣はおよそ30種類。
その半分以上は江戸時代の古手内剣を使っている。
この日はまず極細五寸手内剣を打ってみる。

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黒河内兼規や徳川慶喜のような妙技を身につけるための登竜門。
至近の一間半からだと重ね打ちでも全中する。
敵の両眼を狙う試技をしているので、横に両眼の幅で並ぶように直角に的中するのが望ましい。
かなり的中するようになってきた。

次は八寸の平型棒手内剣。

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遠間からの反転打は容易に的中するが、二~三間の直打(「じきだ」ではなく、「ちょくだ」と読むのが正しい)では標的に直角に刺さらず、また横方向に反転してしまう。
この辺りは、丸、あるいは四角、六角、八角の手内剣なら問題にならないところである。

最後に試技をしたのは小刀型手内剣である。

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これが遠間からの直打ではもっともよく的中する手内剣である。
しかし、簡単に、高い確率で的中するのは武芸としてどうかと思うのである。
凡人には決して的中することのない、手内剣の「術」を自得してこそ真の武芸だと思う。





(完)
by japanbujutsu | 2016-10-31 17:10 | 手内剣探究 shunaiken
根岸流手裏剣術の足構え

筆者がこれまで学んできた武術は、日本武術も中国武術も足の踏み方はほとんど同一であった。
すなわち、右足が前の場合、その内側の線に左足の踵が来るように立つのである。
これにも流儀によっていろいろな見解があるようで、天真正自源流などは極端に横に開いて立つ。

しかし、『手裏剣』 に掲載されている説明では、

(左足が前の場合)
左拇指で線上を踏まへ、右足を線に添ふて引き、同じく拇指で線を踏まえる。

とある。(下の写真参照)

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これにも流儀の教えがあるのだろう。
私が今まで学んだ流儀ではいずれも厳禁されている踏み方である。
この足踏みでは後ろ足を進める場合、弧を描く必要がある。
また、そのままの足踏みで(逆体で)手内剣を投げるときには、相当に身体の捻れが生じる。

弓道の場合に、両足の爪先を一線上に揃えるのは、常に一重身で演技をするから問題ない。

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そのあたりの解釈はどのようになっているのだろうか。




(つづく)
by japanbujutsu | 2016-10-09 17:30 | 手内剣探究 shunaiken
手内剣術の標的板

筆者はもちろん根岸流を学んだことはない。
しかし、名和弓雄氏や山村寿翁氏その他からいろいろ聞き及び、打法もいくつか教えを受けたことがある。
しかし、投擲武術を好まなかった筆者は手内剣を本格的に稽古したことはなかった。
現在は、転機があって今まで収集してきたさまざまな江戸時代の手裏剣を使って、毎日独自に試技を続けている。
いずれ、その粋に到達できればよいのであるが・・・。

さて、これまでに出版された手内剣術に関する書籍で、参考に値するものといえば 『手裏剣』 (成瀬関次著)ぐらいだろうか。
その他の書籍は読む気にもならない。
この本の中には写真も掲載されていて、参考になることが多い。
たとえば次のような標的板に関する記述がある。

(前略)厚み五分以上広さ二尺以上の標的板をつるし、標的板には、直径一尺二寸又は八寸の円を線で描き、其の中心に直径三寸の円を黒色であらはす。その高さは、標的の中心を己の臍と一致する如くする。(後略)

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公開されている演武を見ると、根岸流もその他の流儀も標的の位置が高すぎるのではないだろうか。
中には標的のないものまである。
ぜひ、根岸流にはこの記述を厳守してほしいと思う。
筆者は特に流儀を背負っていないので、古文献を参考に畳に独自に描いた標的を使用している。

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今後、さらに工夫を試みたい。





(つづく)
by japanbujutsu | 2016-10-07 21:58 | 手内剣探究 shunaiken

by japanbujutsu