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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

カテゴリ:手内剣探究 shunaiken( 43 )

白井流手裏剣術は成瀬関次の創作

当協会の埼玉支部長がご自身のブログにおいて、白井流手裏剣術は成瀬関次の創作であるという、かなり衝撃的な発表を行った。
実は筆者も白井亨が手裏剣など相伝、あるいは教授した形跡が皆無であることはわかっていたが、これまで深く調べる機会がなかった。
重要な内容なので、筆者もここで論述しようと思う。

埼玉支部長が白井流手裏剣術が成瀬の創作と判断した根拠は『会津藩教育考』(1931)の記述である。
筆者もさっそく閲覧してみた。
そこには次のように書かれている。

手棒術
一尺八寸の樫棒に鉄線四本を張て末に鎖の先に五・六寸の剣を付したるを遣ふ術なり。
 白井流 一所 新町一番丁
以下の六術は流名を知る能わず、その実のみを掲ぐ。
手裏剣術 銑鋧なれど俗に従ふ。 一所 新町一番丁
七八寸の鉄釘の如きものを右手に持ち、肩に構ひ踏込みながら擲つ術なり。


これを見ると白井流の術は手棒(てぼう)という道具を用いる武術で、黒河内家が相伝した。
しかし、手裏剣については流名を不詳としていて、相伝者も書かれていない。
稽古場が白井流と同じ新町一丁目にあったから非常に紛らわしい。
この流名不詳の手裏剣術を成瀬は白井流と誤認し、そこに書かれている「七八寸の鉄釘の如きもの」を白井流の手裏剣としてしまったわけである。
そして、そこには「反転打」という記述はなく、また、「踏込みながら擲つ」とあり、右足が前の順体で打つことが書かれている。
これは今、筆者が研究を進めている打ち方と同じである。
手裏剣が武術である限り、順体で打つというのが筆者の持論である。

思えば、筆者がいつも創作流儀の見分け方として掲げている、
①戦前の伝書がない
②戦前の教授の形跡がない
③成瀬に兄弟弟子がいない
などの項目がすべて当てはまってしまうのである。

それでも史実は史実として、その白井流手裏剣も二代、三代と相伝が進んでいるのであり、一手裏剣流派として活動することには何ら問題はない。
ただ、歴史認識だけは正す必要がある。

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白井流の取材記事(『ザ・古武道』)





(完)
by japanbujutsu | 2016-10-03 17:11 | 手内剣探究 shunaiken
平型長寸手内剣を打つ

この日は平型長寸手内剣を打ってみる。
三間になると直打ではかなり難しくなる。
反転打で打てば的中するが、手の内がかなり危険である。
また、柄に巻糸があるので、直打で打つべきであろう。
一間半から直打で強力に打つと快適にザクッと刺さる。

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敵は動くので、三間以上は実戦ではあまり意味がなく、あくまでも武術の稽古としての鍛錬で、だからこそまた四間でも五間でも中たらなければならないのである。






(完)
by japanbujutsu | 2016-08-22 17:42 | 手内剣探究 shunaiken
根岸流を二間で打つ

根岸流は手内剣の形状がいい。
この日は二間から直打順体で打つ。
順体なので根岸流の打法とは異なる。

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ザクザク刺さるが、5打連続的中まで10分かかった。






(完)
by japanbujutsu | 2016-08-02 17:50 | 手内剣探究 shunaiken
短寸手内剣を打つ

江戸時代に鍛造された手内剣のうち、今回は荒木流の短寸手内剣を打ってみた。
試行錯誤していると、これは近距離から打たないと威力や命中率が極端に下がることが判明した。

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そのため剣術の間合いをやや離れた九尺からの順体直打に専心してほとんど目に見えない速度で打つ。
近間だから命中率も高い。





(完)
by japanbujutsu | 2016-07-29 17:23 | 手内剣探究 shunaiken
長寸方形棒手内剣

本日は江戸時代に鍛造された長寸方形棒手内剣を打つ。
やはり三間から半転順打で打つ。
畳表、即ちイ草面を使っているため、三間からの半転では強力に打たないと刺さらない。
手内剣そのものが重いので(八寸の鍛鉄)、刺さっても浅ければ首部を垂れてしまう。
しかし、刺さるときの「ズボッ」という鈍い音は快感である。

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この方形棒手内剣は、鍛える際に三枚重ねで打ってあり、鉄味が抜群である。

しかし、本日もまた、鬼への的中は十打中、一、二回程度で、多くは写真のように鬼面から外れている。
長寸手内剣での的狙いはこれからの課題である。





(完)
by japanbujutsu | 2016-07-23 22:29 | 手内剣探究 shunaiken
長寸三角棒手内剣

この江戸時代に鍛造された手内剣は長寸のため、かなりの勢いで打たないと刺さらない。

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そのときの注意は姿勢の崩れである。

巷の動画にあるような前傾姿勢で右足(後足)の踵が上がるような投球打法は絶対にしてはいけない。

三間の半転打で打つが、その後、根岸流の直打に移ると途端に的中率が下がる。

研究課題である。




(完)
by japanbujutsu | 2016-07-17 17:45 | 手内剣探究 shunaiken
片刃平型手内剣

時代手内剣のうち、片刃平型手内剣を打ってみる。
いわゆるカッターナイフ状の手内剣である。
間合いは三間(筆者は武術としての手内剣は三間以上の間合いは無意味であると思う者である)。
何度か打っているうちに、やはり半転打に落ち着いた。
直打でもコントロールで的中するが、この時代物の手内剣は半転打用に鍛えられていると判断した。

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大体において筆者の体験では六寸以上の手内剣(形状にもよるが)は、三間の間合いでは半転打の方が強烈に打てる。
もちろん未だ試行錯誤は続いている。





(完)
by japanbujutsu | 2016-07-15 17:31 | 手内剣探究 shunaiken
清心流手裏剣術

書庫へ入ってしばらく資料をあさっていると、清心流空手道開祖の菊地和雄が通信教育用に編集した手裏剣術の解説書が出てきた。

菊地和雄はウィキにも書かれていないが、実は藤田西湖の数少ない門人の一人で、神道夢想流杖術、大円流杖術、一伝流捕手術(短棒術)、それに心月流手裏剣術を学んでいる。
これらをすべて清心流の名のもとで再編して教授していた。

今、この清心流の手裏剣を打てる人はいるのだろうか。
清心流そのものが菊地の没後に自然解散してしまったので、その後のことはよくわからないが、今でもいくつかの空手道場が清心流として活動しているようである。

藤田伝の一伝流捕手術は筆者が学んでおり、資料があるが、菊地の伝と筆者が学んだ山村伝はほとんど同じ技法である。
菊地と山村は同じ頃、藤田に学んだのであろう。

手裏剣術は心月流から採用されており、ほぼそれを踏襲している。

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正中線を崩さずに打つ武術としての本物の手裏剣術である。
良い資料が見つかった。





(完)
by japanbujutsu | 2016-07-13 17:55 | 手内剣探究 shunaiken
手裏剣試技

まずは手裏剣の特性を熟知するために様々な手裏剣を、様々な間合いから、様々な体動と方法で打ってみる。
この二ヶ月、毎日、欠かさず打っているからそれなりに的中率も上がってきている。
本日は根岸流系の手裏剣を使い、間合い三間、順体、正打 (本打) で試技。

五連続的中まで約5分、

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私には鬼が殺せない !






(完)
by japanbujutsu | 2016-07-11 19:55 | 手内剣探究 shunaiken
時代手裏剣を打つ

手裏剣の研究と稽古を継続中。

毎日欠かさず打っているので、現在出まわっている新物の手裏剣は大体どんな距離でも直打、回転打の両方でそれなりに命中するようになった(あくまでも古流の打方に則って打つ。絶対にピッチャーの投球フォームのように逆体の前傾姿勢になってはならない)。

しかし、江戸時代の手裏剣はそんなに甘くない。
わざと刺さらないように加工してあるのか、と思われるほど的中率が落ちる。
しかしまた、そこが日本伝手裏剣術の醍醐味でもある。

本来は、一つの流派で毎回同じ手裏剣を使い、稽古をするのが本意。
しかし、時代手裏剣をいろいろ打って、研究するのもまた一興である。

本日打ったのはもっとも長大な2本と短平な2本。

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これがまた、難しい。
いずれも直打で打つ。
長大な手裏剣は命中するとドスッという凄い音を発して、かなり迫力がある。

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短平な2本はなかなか的中しない。

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もちろん姿勢や打方を無視して間合いを当たる位置にすれば、いくらでも当たる。
しかし、直打で二間以上離れて打つと、空気抵抗によってヒラヒラ舞って踊ってしまう。
これまた面白い。
いつかすべての種類をマスターしたい。




(完)
by japanbujutsu | 2016-06-27 17:29 | 手内剣探究 shunaiken

by japanbujutsu