ブログトップ

国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

japanbujut.exblog.jp

本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

<   2013年 11月 ( 18 )   > この月の画像一覧

『皇国武術英名録』の武術 ②神道無念流剣術

今回紹介するのは神道無念流剣術。

筆者としては立居合でないのが悔やまれる。

取材時の師範は四世戸賀崎熊太郎。

武蔵国南埼玉郡上清久村の住。

形は「五加五行神本」より二本目。

b0287744_22505751.jpg


演武者は白石昌尹と小川栄喜。

演武服は着物に袴、襷は掛けていない。

正面打ちを前霞で捌いている場面。
by japanbujutsu | 2013-11-30 17:38 | 武術論考の部屋 Study
『皇国武術英名録』の武術 ①気楽流柔術

『皇国武術英名録』は無刀双流剣術師範新井朝定が幕末・明治期における関東地方の武術流派を実際に現地を訪れて記録した非常に貴重な古書である。

この記録を頼りに田舎へ行くと、今でも伝書や古い武具を見ることができる。

さて、その紹介の第一弾は気楽流柔術である。

取材を受けたのは上野国緑埜郡下大塚村の飯塚緒早司。

断髪しており、髭を蓄えている。

掲載されている柔術形は鉄扇を使った「抜附裏」。

b0287744_21103788.jpg


敵が正面を斬り下ろすのを左前に抜けて、左手で手首を押さえ、鉄扇で打ち込もうとする場面である。

演武者は飯塚の高弟浅見源太郎と辰己半平。

紋付き袴に襷を掛けている。

打太刀浅見の左足の爪先は大きく後ろに開いており、一文字腰になっている。

こうした絵を見ていると真の古武道の姿を知ることができ、大いに勉強になる。
by japanbujutsu | 2013-11-28 17:53 | 武術論考の部屋 Study
現存する小太刀の流儀

b0287744_14133340.jpg


小太刀を伝えている流儀は少ない。昭和末期にはもう少しあったのだが、現存が確認できない流儀も多い。

現存流儀は以下のとおり。

小野派一刀流
北辰一刀流
溝口派一刀流
立身流
天道流
駒川改心流
直心影流
香取神道流
鹿島新当流
長尾流
水鴎流
本體楊心流
貫心流
卜伝流

他流儀については確認でき次第、掲載していく。
by japanbujutsu | 2013-11-26 19:15 | 武術論考の部屋 Study
居合技術考8 逆手抜刀

逆手抜刀という技術は居合の各流儀に普遍的に存在するように思われているが、それぞれの流儀を調べてみると、意外にこの技法を行っている流儀は少ないことがわかる。

そもそも、逆手で抜く必要がある状況とはいかなる場合のことなのか。

その辺のこともよくわからない。

今回のこの絵図を見ると、差している刀は太刀拵で、反りも深い。

b0287744_1125590.jpg


ならば絵図のように鞘を返して刃を下向きにし、反りを掛けて逆手で抜くこともあながち無意味ではないことが理解できる。

この絵図の想定を推測すると、敵は我の後方にいて、我に何らかの仕掛けをなす。

我は刀を返して、逆手で抜刀し、後方の敵に斬りつける、あるいは突き刺す、といった想定になるだろうか。

香取神道流では逆手で抜いた後、刀を上段に返しながら順手に持ち替えて斬りつけている。

残念ながら、筆者が伝えている居合の流儀には逆手抜刀を使う形は一つもない。

諸賢の教授を乞う。
by japanbujutsu | 2013-11-24 20:00 | 技法研究の部屋 Skill
居合技術考7 小太刀の入身

小太刀は武術の理合を学ぶのに非常に適していると思う。

武術は不利な状況下におかれている者が勝つための技術を学ぶ格闘文化である。

大刀に対して長さにおいて決定的に不利な小太刀がいかに大刀に勝つか、そこに小太刀の醍醐味がある。

そのためにもっとも必要かつ重要な技術が「入身」である。

入身は敵の左右から入る場合と、真正面から入る場合がある。

この真正面から入る入身は筆者もいくつかの流儀で学んでいるが、タイミングが難しく、また迅速性も要求される高級難度の技法である。

この伝書に描かれた絵図を見ると、随分と深く低く入身をしているのがわかる。

b0287744_1039955.jpg


この体勢自体が難しいのであるが、現在、小太刀を伝えている流儀でこのようなウルトラC級の技法を有するものが果たしてあるのだろうか。

これを見ても、現代人の身体能力が江戸時代の武士に比べていかに低下しているかがわかる。
by japanbujutsu | 2013-11-23 17:26 | 技法研究の部屋 Skill
居合技術考6 鍔請け

敵の攻撃を柄側の鍔面で受ける。

b0287744_2105963.jpg


我がまだ帯刀する前に、敵からの攻撃があった場合に応じる手である。

このような変わった居合技法は水鴎流に見られ、また、仙台藩の影山流にも見られた。

よって、古流には普遍的に稽古されていた技法であることがわかる。

柳生心眼流の取手にも似た技法がある。
by japanbujutsu | 2013-11-22 21:00 | 技法研究の部屋 Skill
居合技術考5 ウルトラC

居合の眼目は、刀をいかに速く合理的に抜くかにかかっている。

これが全てであると言っても過言ではない。

形であれば、その後の斬りつけ、残心、納刀などの諸所作も重要となるが、武術としての本意はあくまでも抜き放つ瞬間にある。

そこで、この絵図のような特殊な抜刀法もいろいろ工夫されたのだと思われる。

絵図を見ると、立てた右足の下から逆手で抜刀している。

b0287744_21422830.jpg


まさにウルトラC級(現在は体操でもE難度、F難度、G難度など限りなく高度な技がある)の技法である。

このような特殊な技法は、形では見ることができない方法論であるから、独自の工夫によるものだろう。

我々も形は形としてしっかり後世に伝え、このような変化に富む技術を稽古の中に採り入れていくことは重要なことであると考える。
by japanbujutsu | 2013-11-21 21:43 | 技法研究の部屋 Skill
居合技術考4

居合の稽古は、形以外にも修行者たちが独自に考案した技術が様々あり、いろいろな想定を用意して稽古に勤しんでいたことが絵図から伺える。

この絵図は、鞘を帯から抜き取り、捨てて(置いて)敵を真っ向に片手斬りした場面である。

b0287744_2015834.jpg


鞘を外した理由はこの場面想定が判明しないので分からないが、敵の攻撃を鍔受けしたり、柄当てしたり、あるいは礼法の段階での仕掛けに応じるなどの場面が考えられる。

下緒の結びが中央やや下にあるのも面白い。

そして右手を後方に伸ばしている点にも注目したい。

これは戸賀崎系神道無念流の抜付にも見られるもので意味深長である。

しかし、絵図では左手で斬っているので抜付時の技術ではないことがわかる。
by japanbujutsu | 2013-11-20 20:15 | 技法研究の部屋 Skill
居合技術考3

今回は居合と言うよりも、剣術に分類すべきかもしれない。

双方向かい合っての「高霞の構え」。

b0287744_2023796.jpg


現代剣道ではなくなってしまった剣術を代表する構えの一つであり、大抵どの流派にも採用されている。

筆者が相伝している天道流剣術でも多用する構えである。

この構えの真理を会得するには長い年月の修行を必要とする。
by japanbujutsu | 2013-11-18 20:23 | 技法研究の部屋 Skill
居合技術考2

長袴で描くのは上級武士の武術であることを意識したものか。

この物打を左手で支える技法は、凡そどの流派にも見られるものである。

関口流居合では「篠露」の形に見られる。

敵の攻撃を受け止める、あるいは受け流すための技法で、この絵のように剣先が前を向いている場合は、そのまま突きを入れる技法につながることが多い。

これは突く箇所を正確にとらえるための工夫で、剣先のそれをなくす方法である。

b0287744_1910247.jpg


一点支持では的が外れ易いが、二点支持の場合は二点の延長線上にある攻撃点が定まるため、確実に相手の急所を突くことができる。

しかし、この絵は左手の添え方がおかしい。

これでは、攻撃線を確定することはできない。

絵師のミスであろう。
by japanbujutsu | 2013-11-17 19:09 | 技法研究の部屋 Skill

by japanbujutsu