ブログトップ

国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

japanbujut.exblog.jp

本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

<   2014年 06月 ( 15 )   > この月の画像一覧

無双直伝流和(やわら) 初公開の絵目録(五)


b0287744_1033491.jpg


一 はいのちらり   口伝有  紙をぬらしはいを包打掛

一 ちらり風車   口伝有  羽織ぬき頭かける

一 かう梅の送り   是は戸口になわをはり申たきものたく  口伝有


外之物の伝は難しい上に、すべては口伝であるから、詳細な説明のある文書を一度徹底的に調べる必要があろう。

武術の技法・形以外の伝は蔑ろにしがちであるが、これこそ文化であるから、他流でも外之物の伝がある流儀では、内容はしっかりと伝えることが肝要である。
by japanbujutsu | 2014-06-29 17:27 | 秘伝書の部屋 Secret densho
無双直伝流和(やわら) 初公開の絵目録(四)

一 かやおろし  口伝有  四方はやくきる

一 志てうのてうし  口伝有  火の玉天上よりはやくかける

一 ぐわんげんの祢さめ  口伝有     如此なわはり休

b0287744_21241743.jpg


蚊帳を張って休憩・就寝する際の心得であるが、口伝を受けないとよく解らない。





  
by japanbujutsu | 2014-06-27 17:12 | 秘伝書の部屋 Secret densho
無双直伝流和(やわら) 初公開の絵目録(三)

一 風火そく
  あつき紙にふのりを引其上にえんしやいわう粉にしてかけ又上へうすき紙をはり申候  口伝有

一 千たいまつ
  是は油竹を細く割根をとかりかし其方壱寸程置石を一つゆへ申候  口伝也

一 悪ぬけ  口伝有

b0287744_20335545.jpg


まったく歯が立たない。識者の助言を切望する。
by japanbujutsu | 2014-06-25 17:24 | 秘伝書の部屋 Secret densho
無双直伝流和(やわら) 初公開の絵目録(二)

(  )は筆者

一 ぎけん
  是はとうからし(唐辛子)くんろこう志ぶきもぐさかみ(紙)に入れかたくより(固く撚り)火を付る  口伝有
一 火のちらり
  是はせうのう(樟脳)を玉にして上にたん(丹)をぬり申す   口伝有
一 こをんのもつけ
  是は大小を渡すふりをして取   口伝有

b0287744_22174073.jpg


「ぎけん」は伝書には「ようはいひ」「こはうれん」「とうからし」「鼠のふん」「こせう」「せうのう」「もくさいこ」
とある。
これは材料からみて目潰しなどに使う道具と判断するが、咄嗟の危険時に即応できないため、単なる明かり用なのかも知れない。

「火のちらり」というのもよく解らない。
これこそ目潰しなのだろうか。

「ごをんのもつけ」とは一体なんだろうか。
by japanbujutsu | 2014-06-23 17:59 | 秘伝書の部屋 Secret densho
無双直伝流和(やわら) 初公開の絵目録(一)

北信濃、松代藩の辺境農村地帯の足軽・農民層に伝わった総合武術、無双直伝流のうち和(やわら)に関する未発表の伝書を初公開する。

伝書には題箋がなく、中にも題は書かれていない。
しかし、この伝書が「和極意二十四ヶ条」の絵目録であることが判明した。
信州にはこの文字伝書が残っているが、なぜか絵目録を残していない。
両者を照合させることによって、文字伝書の存在価値が浮かび上がってくるのである。
内容はいわゆる外之物の伝である。

それでは二十四ヶ条を一回に三ヶ条ずつ紹介していく。

b0287744_20572282.jpg


一 ほういの志具連
  是はちゃわんにあつき湯を入、たはこを入申候
一 世極の一手
  是はたばこぼんの下に小刀持そへ出る也
一 火村の風
  是火入にあつきはいを入打也

これではほとんどお手上げである。
紹介しておいてお手上げとは情けないが、これだけではどうにもこうにも考察できない。
しかも外之物であるから、その内容はもともと口伝である。
時間をかけて、今後の研究を進めていく必要があるだろう。
どなたか何か少しでもお解りの方がいれば、ご一報いただけるとありがたい。

もちろん、たとえば最初の「方位の時雨」は、タバコの止まった位置で方位を占うことぐらいは解る。
しかし、現段階では、その程度の解釈しかできない。

これも大切な武術文化の一つである。
忘れ去ってはいけないだろう。
by japanbujutsu | 2014-06-21 17:32 | 秘伝書の部屋 Secret densho
田中藩最強の柔術家 竹田常次

ここに『田中藩武道史』というすばらしい調査書がある。
その中に、今回紹介する伝書「制剛流俰五身伝」の差出人、早川八郎治義利のことが詳細に書かれている。
早川は嘉永7年(1854)にその師小池志学の後を承けて制剛流柔術の師範となる。新たに入門した者は78人いたという。安政3年(1856)に自分の屋敷内に稽古場を建てた。

b0287744_22223093.jpg

この早川の傑出門人に竹田常次がいた。
記録によれば、竹田は弘化5年(1848)に早川に入門し、嘉永三年(1850)に初伝、安政三年(1856)中伝、安政四年(1857)上伝、万延元年(1860)皆伝、そして文久元年(1861)、晴れて世話役となっている。

これを見ると、竹田は早川がまだ師範となる前に入門していることがわかる。竹田が早川から授けられた「制剛流俰五身伝」の発行年が安政3年になっていることから、この伝書が制剛流における中伝の伝書であったことがわかる。

b0287744_22224722.jpg

さて、この早川が残した記録に、他流仕合の取組がある。
安政3年に天神真楊流磯又右衛門の門人坂倉左馬之助が仕合に訪れたときには、早川の門人9人がその相手をしたが、勝利したのは竹田常次ただ一人であった。
安政6年に荒木新流福井市郎右衛門の門人3名が訪れたときにも9名が相手をし、勝ったのは竹田ともう一人だけだった。同じ年に訪れた揚心古流戸塚彦助の門人立川千兵衛が来たときも9人が相手をして勝ったのは竹田だけだった。

このように田中藩の柔士はあまり強くなかったようであるが、唯一竹田常次だけは強かった。きっと体格も良かったのであろう。
by japanbujutsu | 2014-06-19 17:48 | 秘伝書の部屋 Secret densho
日下一旨流女長刀

ここに大変稀少な江戸期における女長刀(薙刀)に関する伝書がある。

江戸期においては、女性は武術を相伝することができないから、長刀の師範はすべて武士である。

したがって、長刀の師範は武士とその子女たちとは伝授内容を区別して教える必要があった。

女子の動作においては決して腰を落とした四股立ちのような体勢はとらず、歩法も小走りで、入身は組足となる。いつでも膝から上は離れないように(両股が密着したまま)動く。

b0287744_2115135.jpg

要するに薙刀の使い方には「男長刀」と「女長刀」があり、武具も動作も異なったものを用いた。

伝書の前文には次のようにある。

b0287744_21151887.jpg


夫女長刀と云は男子と違い多年きびしく稽古之修行不成故最初より奥儀秘事を伝授せしめ事少にして慥成勝利を極める術を教ゆる事伝授の至極也


女には基礎から時間をかけて修行をさせるのではなく、最初から奥義を教えて勝つ技をいつでも使えるようにさせることが重要である、と説いている。
by japanbujutsu | 2014-06-17 17:47 | 秘伝書の部屋 Secret densho
木刀試合なんてあり得ない

時代劇や時代小説などでよく見かける「木刀による試合」。

果たしてそんなことが本当に行われていたのだろうか。

それを実証する史料に未だお目にかかったことはない。

だいたい常識で考えればわかるが、木刀は真剣でできない実際に当て合う形稽古の道具として用いられたものである。こんな樫で拵えた刀で試合をしたら、必ずどちらか一人は、場合によっては両者が医者送りとなる。あるいは死ぬこともある。

『八重の桜』でも形用の木製薙刀で女たちが試合をしていたが、そのような事実が存在したことはない。試合はあくまでも竹刀、袋撓で行われるものであり、竹刀の場合でも必ず防具を着用する。

b0287744_22452139.jpg

木刀で試合となると、真剣で試合をするのと何ら変わりはない。
頭蓋骨に切り込めば一撃で卒倒である。

木刀での形稽古でさえ、大怪我をすることがあり、そのような場面に何度も出くわしたことがある。

江戸時代における木刀試合の記録をお持ちの方がいたら、是非ご教示願いたい。

ついでに述べると、『八重の桜』に見られたような、腰板のある男袴を着けて女が武術を稽古するなんてこともありえない。
by japanbujutsu | 2014-06-15 17:26 | 武術論考の部屋 Study
松代藩文武学校

b0287744_212245.jpg

今回は松代藩文武学校そのものを紹介する。

松代藩文武学校は、文武を奨励した松代藩八代藩主真田幸貫が水戸の弘道館にならって計画し、九代・幸教の時代に完成した松代藩の藩校である。

藩士の子弟が学問と武術を学ぶ場として、1855(安政2)年に開校した。
学問を学ぶ文学所、武術を学ぶ剣術所・柔術所・弓術所・槍術所などが配置されている。

b0287744_2125052.jpg
                              右の建物が剣術所

b0287744_214576.jpg

b0287744_2152097.jpg

当時の時間割には東洋・西洋の医学、小笠原流礼法、西洋の軍学なども組み込まれており、先進的な教育が行われていた。
各地の藩校の多くが幕府の学問所にならって敷地内に孔子廟を設け、儒教を重んじる風習があったが、文武学校には設けていないことからも、近代的な学校の先駆けであったことが伺える。

建物は、創建時の姿を現在に伝える貴重な遺構で、1953(昭和28)年に国の史跡に指定されている。

b0287744_2174844.jpg
            槍術所の天井 全ての稽古場の天井はこのように梁が剥き出しになっている

武道の稽古や大会に使われている剣術所・槍術所をはじめ、江戸時代の面影をそのままに質実な空気漂う敷地内は、映画や時代劇のロケにもしばしば利用されている。

一般の人たちにも武術・武道の稽古のために、それぞれの建物を開放しているのは画期的である。
by japanbujutsu | 2014-06-13 17:51 | 武術論考の部屋 Study
第17回松代藩文武学校武道会演武大会

b0287744_2032238.jpg

平成26年6月8日、信州松代藩文武学校において「松代藩文武学校武道会」主催による恒例の演武大会が開催された。毎年春と秋の二回開催されている。

演武流派は次の通り。

松代藩無雙直伝流居合・棒・鎖鎌
新陰流兵法
北辰一刀流兵法
柳剛流杖術
戸山流居合道
神道夢想流杖術
一心流鎖鎌術
無外流
田宮流居合術
全日本薙刀
神道無念流立居合(会長)
関口流抜刀術

b0287744_20342369.jpg

b0287744_20344027.jpg

全国でも江戸時代に建てられた藩校で実際に古武道の演武が行われているのは、松代藩文武学校だけである。

b0287744_20372795.jpg

by japanbujutsu | 2014-06-11 17:22 | 演武会・講習会 Seminar

by japanbujutsu