ブログトップ

国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

japanbujut.exblog.jp

本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

<   2016年 02月 ( 17 )   > この月の画像一覧

甲冑について

先日、水月塾明石支部の西躰師範がおもしろい記事を書いていた。

以下、引用させていただくと、

甲冑の意味
甲冑 (かっちゅう) と呼ばれるものは、鎧兜の事ですが、ウィキペディアによりますと 「本来は、甲は身を護る「よろい」、冑は頭にかぶる「かぶと」であるが、甲を 「かぶと」、冑を 「よろい」 と読む例もある。一般的には「鎧」、「兜」 の字を使用することが多い。」との事です。
一全流練兵術伝書によりますと 「甲冑の二文字世人誤りて甲をかぶと冑をよろいと訓す。甲が鎧也冑はかぶと也違うべからず」 となっています。
時代によって意味が異なると言う部分もありますが、そう言えば、「鎧兜 (よろいかぶと)」 と言う言い方はあっても「兜鎧 (かぶとよろい) 」と言う言葉は聞きません。同じように甲冑は、やはり甲 (鎧) 冑 (兜) が正しいのでしょう。

そのとおり。
時代によって意味が変わるのではなく、いつの時代も間違いは存在し、それを吟味せずに盲信する人が多いということでしょう。

いつの時代も正しいのは甲が鎧で、冑が兜という真理だけ。

「田宮流居合口義」の挿絵

b0287744_1958185.jpg


温故知新
by japanbujutsu | 2016-02-29 17:48 | 武術論考の部屋 Study
下緒の長さ

なぜ世の中の人たちの多くは趣味を深めようとしないのか。

人間の価値観は様々であるが、心豊かに暮らすために行ずる趣味の世界に没頭することは至上の喜びなのではないだろうか。

さて、武術の一つ居合を考えてみる。
一部の流派を除けば、居合はさほど体力を必要としないし、一人でも稽古ができる。
柔術のように稽古をしていて「痛い!」という苦痛を伴うこともない。

しかし、日本における居合をしている人のほとんどが「居合に興味がない」。
もし興味があったら入門するときには道場・流派を選ぶだろうし、道場が遠くても好きな流派を習いに行くだろう。
ところが、ほとんどの者は家に近い道場に流派の拘りもなく通い出す。
これでは絶対に趣味を極めることはできない。

そして、流派について、稽古について、刀について、服装について・・・・・・ほとんどの者は何の興味も疑問ももたない。
しかし、それでも本人が納得しているのだろうから、そんなことは本来どっちでもよいことである。

そこで本題の下緒であるが、ほとんどの居合修行者が二尺二寸という歴史的にはありえない超長寸のものを使っている。

b0287744_2250930.jpg

そしてその下緒を、なんの疑問もなく袴の紐に挟んでいる。
この上なくセンスが悪い。

b0287744_22545266.jpg

しかしそのセンスの欠片もないスタイルが「正しいやり方」になってしまっているのだから世も末である。
それは七分の空手・柔道ズボン(これは本来下着)と同じほど無様である。

以前にも何回か述べたように、下緒は一尺八寸~九寸のものを使い、鞘に掛けて垂らす。

b0287744_22552612.jpg

これが本来の正しい方法である。
by japanbujutsu | 2016-02-27 17:28 | 武具の部屋 Arms
岸流柔術

四国讃州丸亀藩に岸流柔術が伝承されていた。

関口眼流ともいい、また岸柳と表記することもあった。

元祖と目される関口源左衛門のことは一切わかっていない。

b0287744_19484820.jpg

紀州関口流とはまったく無関係の流儀である。
それはともかく、伝書を精査してみると、江戸森戸系浅山一伝流武者組の影響を受けていることが明白である。

b0287744_1949072.jpg

どのような経緯で江戸の流儀が讃岐に流れたのであろうか。
その答えを得るためには、参勤交代の記録を解き明かさなくてはならない。

この伝授巻を授けられた三木久之助は図子与之助の門人で、無相流新柔術流祖の中條勝次郎と兄弟弟子である。
by japanbujutsu | 2016-02-25 17:28 | 秘伝書の部屋 Secret densho
『力信流居合術』 写真解説書発行

『力信流居合術』 初版限定30部発行 A5版72頁 番号入り

b0287744_21255596.jpg
 
力信流居合術形5本を解説。

b0287744_2126251.jpg

転売厳禁。 
頒価3500円(送料込み)。
住所・氏名・電話番号・部数を明記して下記宛て連絡してください。

suigetsujuku@bh.wakwak.com

このメールアドレスは注文専用です。
本と一緒に振替用紙を同封しますので、到着後3日以内に送金してください。 
by japanbujutsu | 2016-02-23 21:26 | 出版・広報 Public info.
学び


筆者は毎月二回、論語教室に通っている。

『論語』 の中で一番好きな言葉、それは冒頭の「学而第一」にある言葉。

「有朋自遠方来 不亦楽 」(朋有り、遠方より来たる。亦た楽しからずや)

道場が家の近くにあると、平気で稽古を休む。
いつでも習えるからという 「邪気」 に冒されるからである。

しかし、遠くから通ってくる人たちは意気込みが違う。
何よりも武術が大好きなのだ。
だから毎回の学びが深いのである。

21日、埼玉支部の瀬沼師範と兵庫県明石支部の西躰師範が稽古に来た。

b0287744_20351317.jpg


遠方からの通い稽古、歓迎します。
気軽に問い合わせください。
by japanbujutsu | 2016-02-23 17:19 | 武術論考の部屋 Study
血判のこと

血判は誓約を厳守することを約束するために、神に誓って自らの血を朱肉にして捺す儀礼である。

b0287744_17445263.jpg

現在でも香取神道流では入門時に行っているが、現代の世の中では賛否両論が飛び交っている。

方法は流儀により作法があるから一様には言えないが、概ね親指または薬指を切って、親指で捺す。

b0287744_1745320.jpg

掟を守らなければ日本中の神々が参集して天罰を与える。

私の意見を言うと、余程の覚悟がなければ血判などするものではない。
それはあまりにも起請文に記された事項を違反する者が多いからである。
日常的に神に祈願する習慣のない現代の人間が、神に己の言動を誓うなど無礼も甚だしい。
ましてや日本文化の「ぶ」の字もわからない外国人が、入門時に安易に血判などするものではないと感じている。
by japanbujutsu | 2016-02-23 17:13 | 武術論考の部屋 Study
貫心流剣刀心鏡之巻

b0287744_1458192.jpg

貫心流は剣・居合・柔術・薙刀・杖・懐剣の総合武術であり、西日本一帯に伝播していた。

現在でもいくつかの系統が残っているが、健全に伝承されていることを願う。

さて、この流儀は非常に哲理が深く、形・業とともに膨大な教義を学ばなければいけない。
現在、残っている流儀で、このような武技以外の教義を正しく伝えているのは香取神道流だけではなかろうか。

今回は、数ある深奥な教義の中から、貫心流に伝わる「剣刀心鏡」の伝書を紹介する。

b0287744_14583793.jpg

いわゆる剣相に関する教えであるが、これが図入りで詳細に述べられている

b0287744_14585249.jpg

個々の解釈については流儀が現存しているため、門外漢の筆者が述べるのはよくない。

b0287744_1459745.jpg

この教義は源義経伝来と言われ、流祖の宍戸司箭が大成した。
剣術の流儀にこのような剣相を伝える伝書を時折目にするが、これも重要な日本の文化であるから、失伝させてはならないと思う。
by japanbujutsu | 2016-02-21 17:41 | 秘伝書の部屋 Secret densho
気楽流組打切紙

気楽流柔術は武州から上州にかけておもに農民層に伝授された護身用の地方流儀である。

今回、紹介する伝書のように「組打」と書かれる場合があるが、気楽流には鎧を着用して演じる形は元来存在しない。
この場合の「組打」は「柔術」と同義である。

b0287744_2221373.jpg

柳生心眼流甲冑柔小具足取も純粋な平服の護身柔術であり、鎧を着て演じる業ではない。
一部の柳生心眼流でこの柔術形を何も知らずに甲冑を装備して演じている人たちがいるが、誤解も甚だしい。

仙台藩の登米に伝承され、現在、筆者の道場で伝えている西法院武安流では柔術を「武者捕」と表記するが、これも実際に稽古する形は平服による護身柔術である。

また、起倒流や浅山一伝流の碑文を見ると漢文表記のために柔術が「拳法」と表記されるが、それは中国の拳法のように突きや蹴りを使う隔離武術ではないのである。

文字だけで安易に判断してはいけない。
by japanbujutsu | 2016-02-19 17:08 | 秘伝書の部屋 Secret densho
無眼流之長太刀

無眼流といえば三浦源右衛門の無眼流が知られているが、その無眼流は『武芸流派大事典』によれば、剣、気術、体術となっていて、長太刀の項目がない。

b0287744_2261177.jpg

あるいはこの長太刀は長刀、すなわち薙刀ではなく、ずばり長大刀のことを指すのかもしれない。
だとすれば三浦の無眼流とも考えられるが、この伝書に三浦の名前はない。

b0287744_2262421.jpg

かなり杜撰な伝書で装丁もされてなく、メモ書きような筆致である。
by japanbujutsu | 2016-02-17 17:57 | 秘伝書の部屋 Secret densho
観賞用鎖鎌

江戸時代に武士が使用した本式の鉄製鎖鎌や木製稽古用鎖鎌を 「本物」 とすれば、現在、世に残る鎖鎌の九割以上が明治以降に作られた観賞用の 「偽物」 である。

そのうちのまた九割以上は昭和以降に機械で大量生産された「玩具」としかいいようのない代物である。
ところが、世の多くの者はこれを本物と信じているから商売も成り立つわけである。

今回、紹介するのもそんな観賞用の鎖鎌である。
恐らく明治期のものであろうと思われる。

b0287744_21521881.jpg

頑強に作られており、柄は一部木製で、鏑巻もしっかりしていて、鎖も沸かし付けになっている。

こんなものを稽古に使ったら、道場は傷だらけになるし、もしも分銅が相手に当たったら即死である。

ちなみに忍者はこんな武器を持つことはあり得ないので念のため。
by japanbujutsu | 2016-02-15 17:39 | 武具の部屋 Arms

by japanbujutsu