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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

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今枝新流杖術

昭和37年に大阪で結成された全日本古武道連盟の原加盟流派のうち、筆者が個人的に興味のあるものを紹介する。

今枝新流杖術。
当時の継承者は可児籌吉。

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近年、岡山県で開催された古武道大会に同流が出場していたと記憶しているが、筆者は残念ながらその演武を見たことがない。

写真を見ると、杖を使って相手を引き倒している形のように見える。
現在の 「競技杖道」 は全日本剣道連盟で行われていて、修行者が多いため、「あれが杖道」と思われがちであるが、その他の流派にはそれぞれ独特な動作や雰囲気があり、古流として存続させてほしい。

振興策として全日本各流杖術大会などが開催されると面白い。





(つづく)
by japanbujutsu | 2016-06-29 17:44 | 武術論考の部屋 Study
時代手裏剣を打つ

手裏剣の研究と稽古を継続中。

毎日欠かさず打っているので、現在出まわっている新物の手裏剣は大体どんな距離でも直打、回転打の両方でそれなりに命中するようになった(あくまでも古流の打方に則って打つ。絶対にピッチャーの投球フォームのように逆体の前傾姿勢になってはならない)。

しかし、江戸時代の手裏剣はそんなに甘くない。
わざと刺さらないように加工してあるのか、と思われるほど的中率が落ちる。
しかしまた、そこが日本伝手裏剣術の醍醐味でもある。

本来は、一つの流派で毎回同じ手裏剣を使い、稽古をするのが本意。
しかし、時代手裏剣をいろいろ打って、研究するのもまた一興である。

本日打ったのはもっとも長大な2本と短平な2本。

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これがまた、難しい。
いずれも直打で打つ。
長大な手裏剣は命中するとドスッという凄い音を発して、かなり迫力がある。

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短平な2本はなかなか的中しない。

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もちろん姿勢や打方を無視して間合いを当たる位置にすれば、いくらでも当たる。
しかし、直打で二間以上離れて打つと、空気抵抗によってヒラヒラ舞って踊ってしまう。
これまた面白い。
いつかすべての種類をマスターしたい。




(完)
by japanbujutsu | 2016-06-27 17:29 | 手内剣探究 shunaiken
私が現在も通っている関口流抜刀の稽古場、駿河館。
稽古場の壁二面に巨大な鏡が設えてあり、我が身を前からと横からと、同時にチェックできる。

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しかし、稽古は毎回、師匠とマンツーマンなので鏡がなくてもチェックが入る026.gif

普通の人たちはマンツーマンなんて耐えられないだろうが、私は敢えてマンツーマンをお願いしている。
真伝はマンツーマンの中で伝えられていく。
だから稽古中は一時も気を抜くことはできない009.gif
でも稽古場は不思議な空間である。
いくらでも稽古ができてしまう。

・・・・・・・・とは言え、毎回帰りの車中では稽古着はびっしょり、両腕、両足はガクガクである。
国道246号を走りながら飲むコーラは最高に美味い049.gif





(完)
by japanbujutsu | 2016-06-25 17:24 | 関口流抜刀 Sekiguchi ryu
墨遷 『写真学筆』 の手裏剣稽古

武術の真実を求めようとするなら、江戸時代の文献に直接当たらないと駄目。
しかし、その江戸時代でさえもすでに嘘で固めた虚説・妄説が飛び交っているのだから、これにもまた精査が必要である。

しかし、『北斎漫画』 や 『一掃百態』 、あるいはこの 『写真学筆』 などは、当時の武術の稽古風景を実にリアルに描写しており、大いに勉強になる。

今回は墨遷の 『写真学筆』 から手裏剣稽古の様子を見てみたい。

的となっている人面板が面白い。
顔の部分の材料は何だろうか。
普通に板なのであろうか。

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人物に目を転じてみると、二人は棒手裏剣を投げている。
野外であろう、楽しそうである。
江戸時代の武術の稽古は案外、愉しんでやっている風に思えることがある。
二人の体勢は「右足前の右打ち」、つまり順体である。
現代の手裏剣はそのほとんどが逆体である。
打ったときに身体が捻れるから私は逆体を好まない。
手裏剣も武術であるかぎり順体で打つべきだと考える。
もう一人は短刀を持っている。
飛刀術である。



(完)
by japanbujutsu | 2016-06-23 17:06 | 手内剣探究 shunaiken
江戸時代の手裏剣

水月塾武術コレクションの中に手裏剣もある。
もちろんすべてが江戸時代鍛造の本科である。

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多くの手裏剣は流派が不明であるが、それだけ江戸時代には多くの流儀があったということの証し。
概して言えることは、現代に伝わる流儀の手裏剣のほとんどが長さが短いということ。
今回、写真で紹介するものは大凡8寸から9寸ある。

いろいろ投げてみると、これがまた興味津々。
手裏剣によって立ち位置や手離れを少し変えてみるなどして、かなりの試行錯誤ができるようになり、次第にそれぞれの手裏剣の持つ特性が見えるようになってきた。
やはり武具はアンティークに限る。
鉄味も和鉄を鍛えて打ってあるから、今物とまったく味が違う。

当たりやすい手裏剣を考案して技術の追究を忘れたら、それはダーツの世界に等しく、術を要しないお遊びにしかならない。
素人には絶対に刺さらない手裏剣を術で打つ、これこそが武術としての手裏剣であると考える。
そのためには江戸時代の命中率が低い手裏剣をどれだけの命中率で打つことができるようになるか、それこそが武術としての手裏剣の稽古ではなかろうか。

初心者が1回や2回の講習会でバンバン刺さるようになったら、それは武術とは呼べない。
安易に命中率を高めることに走った結果、姿勢は崩れ、正中線は傾き、重心も丹田も目付も、武術としてもっとも肝心なこれらの要素が悉く忘れ去られていく。




(完)
by japanbujutsu | 2016-06-21 17:38 | 武具の部屋 Arms
武術における守破離

現在、伝承されている古流武術において破と離は絶対にあってはならない。
免許皆伝を得た流儀から離れ、新たな流儀を立ち上げるのは、江戸時代の武士がやったことで、その連綿と現代に伝えられてきた伝統ある流儀の内容を勝手に変えることは、江戸時代とまったく異なる現代の環境下でなすべきことではない。

「破」の段階ですでに流儀の掟を犯しているのであり、その形・技を継承してきた歴代の相伝者を冒涜する行為となる。
ちなみにわが協会の制定形になっている日本柔術(甲陽水月流)は、筆者が学生時代に学んだ大和道という柔術が未完成だったために、師の許可を取って新たに完成させたものである。

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筆者は免許皆伝を得た流儀を変革したことは一度もない。
武術の稽古、伝承において破はあってはならない。
あるとすれば、流儀の伝承とはまったく別に個々人が勝手に工夫をすることである。
しかし、それは個人の所産であり、流儀の内容とは別に考える必要がある。
そして、その勝手に工夫応用した技を、人に教えることはあってはならない。
破と離はあくまでも個人の中において行われるべきものだからである。





(完)
by japanbujutsu | 2016-06-19 17:04 | 武術論考の部屋 Study
手裏剣の稽古(2)

根岸流の真似事をしばらくやってみたが、思うところがあって、白井流や香取神道流などの打法でしばらく研究を継続していく予定である。

やたらと遠間から投げ打つのは武術としての手裏剣術の本意ではないから、筆者は3間以上の間合いは取らないことにしている。

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踵を上げて前傾姿勢で投げる手裏剣術だけは絶対にやりたくない。





(完)
by japanbujutsu | 2016-06-17 17:44 | 手内剣探究 shunaiken
もう一人の宮本武藏

宮本武蔵の研究家は山のようにいる。

しかし、そのほとんどは実際のところ 『宮本武蔵』 (宮本武蔵遺跡顕彰会、明治42) を少しも抜け出していない。
むしろ退化している。
小説家のそれは全部無視するとして、考証本はもう少しオリジナルな論考を心掛けたい。

これまで筆者は宮本武蔵研究を控えてきた。
同じことを書いても仕方がないからである。
むしろ同じような本が無数に出版されている異常現象が不思議でならない。

今回は、新たに入手した岡本流體術の伝書によって 「もう一人の宮本武藏」 の史実に迫ってみたい。

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詳しい考証は 『日本武芸新聞 水月』 紙上で発表する。





(完)
by japanbujutsu | 2016-06-15 17:27 | 兵法二天一流 Nitenichi ryu
正木流手鎖

手鎖という道具を「万力鎖」とよんだのは正木流だけである。
村上流では鉄鎖という。
戸田流では両分銅鎖という。

名和氏が伝えた正木流は復元である。
伝書には確かに「萬力鎖術」と記したものがあり(正木太郎太夫家文書=大垣市立図書館蔵)、名和がこの伝書を著書で引用しているので万力鎖の名の嚆矢はこの伝書であろう。
一般的な呼称では「手鎖」という。
ここに紹介する正木流手鎖は、箱書きにはっきりと「手鎖」と書かれている。

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(完)
by japanbujutsu | 2016-06-13 17:30 | 武具の部屋 Arms
居合人形

武術に関連するものは何でも史料になるので、いろいろ収集している。

居合人形。
江戸時代の作。

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実に面白い。
上から順に見ていこう。

髷はしっかり元結いがあり、団子にまとめている。
鉢巻きと襷は木綿でできていて、鉢巻きは古式通り、一結びになっている。
馬面で髭の形が面白い。
家紋は丸に二つ引きで、足利氏とその子孫が使った。
袴は括袴で、膝が露出している。
板の間では苦しいと思うが、古の武士はどうだったのかわからない。
膝にタコができていたかもしれない。
しっかりと白足袋を着けているのも正式スタイルである。
肝心の刀は明らかに三尺三寸刀であり、このスタイルは抜刀直前に鞘を抜き出した場面と思われる。
片膝の立て方も古伝の居合腰となっている。

これが本当の居合稽古の姿である。





(完)
by japanbujutsu | 2016-06-11 17:50 | 武術論考の部屋 Study

by japanbujutsu