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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

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手内剣の試技(10/29) 

現在、試技中の手内剣はおよそ30種類。
その半分以上は江戸時代の古手内剣を使っている。
この日はまず極細五寸手内剣を打ってみる。

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黒河内兼規や徳川慶喜のような妙技を身につけるための登竜門。
至近の一間半からだと重ね打ちでも全中する。
敵の両眼を狙う試技をしているので、横に両眼の幅で並ぶように直角に的中するのが望ましい。
かなり的中するようになってきた。

次は八寸の平型棒手内剣。

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遠間からの反転打は容易に的中するが、二~三間の直打(「じきだ」ではなく、「ちょくだ」と読むのが正しい)では標的に直角に刺さらず、また横方向に反転してしまう。
この辺りは、丸、あるいは四角、六角、八角の手内剣なら問題にならないところである。

最後に試技をしたのは小刀型手内剣である。

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これが遠間からの直打ではもっともよく的中する手内剣である。
しかし、簡単に、高い確率で的中するのは武芸としてどうかと思うのである。
凡人には決して的中することのない、手内剣の「術」を自得してこそ真の武芸だと思う。





(完)
by japanbujutsu | 2016-10-31 17:10 | 手内剣探究 shunaiken
江戸時代における武術の普遍的呼称 

江戸時代には○○流○○術という呼び方は少なかった。
むしろ、最後の 「術」 は付けない方が自然だった。
現在では、古武道といえば何でも一様に「術」を付けたがる傾向にあるが、もう一度、江戸時代の伝書を確認した方がよい。
たとえば、筆者が学ぶ関口流の居合は 「抜刀」 と書いて、「いあい」 と読むのが正しい。

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江戸時代は 「抜刀術」 とは書かなかった。
ましてやこれを 「ばっとうじゅつ」 などと読むわけがない。
伯耆流だってもちろん 「伯耆流居合」 である。

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術は付けない。

これも筆者が相伝する穴澤流。
「穴澤流薙刀」 と書く。
術は付けない。

これも伝統であるから、考証もせずに他流と同じにすることだけは避けなければいけない。
 






(完)
by japanbujutsu | 2016-10-29 17:24 | 武術論考の部屋 Study
H28松代藩文武学校武道会 秋の演武会 午後の部

午後の部は師範演武。

塾長は関西支部長山根師範と日本柔術の白刃捕、力信流の棒術を演武した。

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(完)
by japanbujutsu | 2016-10-27 17:37 | 演武会・講習会 Seminar
H28松代藩文武学校武道会 秋の演武会 午前の部

秋晴れの好天、松代藩文武学校武道会の秋の演武会が開催された。
午前の部は、各流儀における門下生の演武。

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水月塾からは関西支部が渋川一流柔術を、

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本部からは神道無念流立居合を、

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そして、穴澤流薙刀を、

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さらに日本柔術の白刃捕と力信流棒術を演武した。
武家屋敷の庭ではサンシュユ・山茱萸の実が綺麗だった。

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(完)
by japanbujutsu | 2016-10-25 17:52 | 演武会・講習会 Seminar
平田就久作 梅花透し鍔

平田就久 ひらた・なりひさ(1616~1671)

通称は彦四郎、鍔の銘は「申冬」。
江戸時代前期の七宝師、鍔師。
元和2年生まれ。
平田道仁の孫。
江戸の平田家3代。
幕府のお抱えとなり、装剣用具や日常用品の七宝を製作する。

この鍔は梅花透しに真鍮象嵌を施したいわゆる平安城。

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やや象嵌が剥がれているが、作は江戸初期のデザインを見事に継承している優れものである。

どの刀に合わせようか検討中。

みなさん、お気に入りの刀にはぜひアンティークの鍔を合わせてください。
見栄えが雲泥の差です。
市販の鉄味の悪い鍔は思い切って捨てましょう。




(完)
by japanbujutsu | 2016-10-23 17:26 | 武具の部屋 Arms
「神道」 と 「天道」 の読み

あまりにも無教養な武道人が多くて本当に困りものである。

すでに何度も述べたことだが、事あるごとに重ねて述べていかないと、無教養は払拭されないようである。

今回も流儀名の読み方。

これから書く2つの流儀は私が相伝する流儀なので、誤読されると本当に気分が悪い。

神道無念流と天道流。

まず、神道無念流の読みは「しんとうむねんりゅう」。

「しんどうむねんりゅう」ではありません。

神道を 「しんどう」 と読むことはありません。
神道は、あくまでも 「しんとう」 としか読まないのです。

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本当に義務教育を終えてきたのだろうか、バカさ加減に腹が立って仕方ない。
全日本居合道連盟の無学の皆さん、気をつけてください。
あなた方が習っている刀法の三本目の「切上げ」は神道無念流の形を崩して簡単にしたものです。

「しんとうむねんりゅう」です。

それから、もし、誤読している人がいたら、その場で訂正してやってください。
その人のためです。

次に、天道流。
この読みは「てんとうりゅう」です。

「てんどうりゅう」ではありません。

全日本なぎなた連盟の役員さん、誤った読み方を会員のみなさんに教えないでください。
無教養が拡散します。
わが国の言葉では 「天道」 を 「てんどう」 と読むことはありません。
天道流の自称宗家と称する方が誤読をしているのだから、もう救いようがない状態です。

天道流は「てんとうりゅう」と読みます。

以上。





(完)
by japanbujutsu | 2016-10-21 17:14 | 武術論考の部屋 Study
身の金のこと

関口流抜刀の初本 「抜打先之先 身之金之事」 、二本目 「抜打込三寸之曲尺之事 」にはいずれも「かね」という言葉が入っている。
「金」 も 「曲尺」 も両方 「かね」 と読む。

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双方、いわゆる 「規矩」 のことで、指金を意味している。

武術、特に剣術や居合には真っ向正面切りの技があり、特にこの身の金、規矩を重視する。
これは常に身体の正中線を床面に対して垂直に保てという教えであり、肩を中心とする円運動で切り落とされる剣の動作は、この規矩の上にはじめて成立しうるのである(以上、本来は口伝)。

従って、これを初心者のうちから徹底的に修行する。
最初に学ぶ二つの形に、関口流抜刀の基本と極意が凝縮されている所以である。
基本を徹底的に身につけないと、それは極意に至らない。

わが先々代の亀谷鎮師範の残心の構え。

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顔は真正面を向き(床は見ない)、背筋を伸ばし(前傾しない)、正中線を規矩に保っている。
よくよく工夫すべし。




(完)
by japanbujutsu | 2016-10-19 18:25 | 関口流抜刀 Sekiguchi ryu
神官の武芸

日本の武術が神代より伝わり(思想上の仮託として)、戦国末期に香取・鹿島の両神宮からそれぞれ神道流・新当流が生まれ、その後も関東地方では神官が武術を相伝する風があり、幕末に至っては勤皇を標榜する神官が「兼武神官」として剣術を相伝した。

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この絵目録に見られるように、神道流の初期の段階では、長柄の得物、すなわち槍と長刀しか伝えていなかった。
江戸の初期になって剣術が加わり、やや遅れて居合が、そしてさらに遅れて棒術や柔術が加味された。
それは棒術や柔術が日常の護身、捕縛の目的で稽古されたことに明らかなように、これらの武術は集団で対する戦場では使い物にならないからである。

しかし、当初からあった槍や長刀も、江戸の泰平期には武士の教養として稽古され、剣術や居合と同等の位置に置かれるようになる。




(完)
by japanbujutsu | 2016-10-17 17:09 | 武術論考の部屋 Study
立合 初本 「八重垣」


八重垣とは、汚穢や仇を近寄らせないための幾重もの防御という意味。
つまり、八重垣の剣とは、攻撃のための剣ではなく、防御あるいは抑止のための剣である。
この剣とムラクモ剣(草薙剣)は、まったくの別物である。

アマテルからニニキネに三種宝が渡されたとき以来、宮中に保管されるものの、儀礼的に八咫の鏡はカガミ臣に、八重垣の剣は剣臣に渡されるようになった。

時代が下ると八咫の鏡と八重垣剣は、それぞれアマテル神とヤマト大国魂の御霊の象徴となり、寝食を共にすることを畏れた崇神天皇は、八咫鏡と八重垣の剣のコピーを作って宮中に置き、本物はそれぞれ伊勢神宮と大和神社に納めた。

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関口流抜刀立合一本目に「八重垣」があり、香取神道流居合一本目に「草薙之剣」があるのは、こうした神話に基づく日本の古典文化を継承しているからであり、このようなことも知らずにただ技だけを行じていたのでは先人に申し訳ない。
だからこそ、また我々はこうした失いかけた、あるいは失われた故事、伝記をもっと深く学ぶ必要があるわけである。

関口流抜刀の「八重垣」は、立合において敵と正面から出くわしたとき、我は左に身を避け、直ちに抜刀、再度敵前に身を戻して敵の帯を横一文字に斬り、敵が引くところを真っ向から斬り下す、という業前である。




(完)
  
by japanbujutsu | 2016-10-15 17:37 | 関口流抜刀 Sekiguchi ryu
二隻の屏風

宮本武蔵直筆の二隻の屏風を入手した。

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真筆であれば博物館級である。

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屏風の保存状態が悪いが、肝心の絵の方の痛みは少ない。

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武蔵の書を鑑定できる鑑定士はだれもいない。
自分で真贋を見極めるしかない。




(完)
by japanbujutsu | 2016-10-13 17:30 | 宮本武蔵 Miyamoto Musash

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