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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

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水月針剣で 「邪」 を打つ

年末なので、手内剣(甲陽水月流水月針剣)で 「邪」 を打つ。

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間合いは2間。

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最初の間合いは2間半、順体で打つので右足を踏み込んで2間となる。

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この間合いであれば的中率は極めて高い。

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※先日の稽古では門人に1間半の間合いで打たせたが、手内剣初心者には打様を教えてもほとんど的中しなかった。
だからこそ武術なのである。


徒然なるままに
加齢が進むにつれてどうも一年が光陰手内剣の如く過ぎ去ってしまう。
諸行無常とは言うが、どうもこの数年は諸行常住になっていけない。
感受性が鈍感になってきたせいであろうか、あるいは安泰が一番とでも言うべきなのだろうか。
兎にも角にも武術だけは幸いに日進月歩の感ではある。
皆様、一年間お疲れ様でした。
来年もまたともに精進いたしましょう。
私は明日から渡欧です。

子曰わく、学びて時に之れを習う、亦た説ばしからずや。朋有り遠方より来る、亦た楽しからずや。人知らずして慍らず、亦た君子ならずや。




(完)
by japanbujutsu | 2016-12-31 17:40 | 手内剣探究 shunaiken
妙技

武術の世界には妙技というものがある。
妙技は貫禄、味、枯れ、風雅、極致という筆舌に尽くしがたい世界の技を体現したもの。
そう、技が枯れているとか、技に味があるとかいう、その至極の世界。

若者がいくら稽古しても、いくら力が強くても、この妙技を体現することだけはできない。
古流の教えを永年の鍛錬の中で正しく実践し、練武してきた者だけが体現できる。
我が古流の師匠は、今はほとんど黄泉の客となったが、そのすべてが妙技を体現し、筆者にそれを示してくれた。
古流と見せかけて、実は現代人が歴史を捏造し、技を創作した流派では、いくら修行をしてもこの妙技を体現することはできない。
事理が一致しないためである。

先月の稽古で御年79歳になられたわが師匠が、伝えられている関口流抜刀の形のすべてを休憩を入れずに続けて演じてくださった。
それを拝見できるのは、稽古場通いの門下生だけに与えられた特権である。

いやはや恐れ入ったものである。

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そこには真似のできない 「妙技」 があった。

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鍛錬とはすごいものだとしみじみ感じた。




(完)
by japanbujutsu | 2016-12-29 17:37 | 関口流抜刀 Sekiguchi ryu
学習メモ

武術は本来、身体で覚えるもの。
学んだことを忘れないために同じ形・技を身体に染みつくまで稽古する。
これを修行、とくに武術の場合には 「練武」 という。
仙台藩伝浅山一伝流柔術中興祖、相澤永長斎の頌徳碑の題は 「練武鍛身」、実にいい言葉だ。

わが道場では稽古中にメモを取ることだけは許可している。
ビデオ撮影は厳禁。
本来はメモだって稽古中は言語道断である。
しかし、遠くから通ってくる人たちは一日潰して来るわけだから、これは特別な措置である。
しかし、ここですべての修行者に注意しておきたいことがある。
それはメモを取ったら、それで安心して繰り返しの稽古を疎かにすることである。
習った技は師匠が 「よし」 というまで続けて繰り返し、身体で覚えるのが本旨である。

そして、師匠が新しい形・技を教えなかったら、今まで学んだ形を一通り繰り返すのが修行者のなすことである。
師匠はそれを見て、修正するのだから。

筆者が大学時代に記録したノート。

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メモは帰りの電車で筆記して、下宿で清書したものである。




(完)
by japanbujutsu | 2016-12-27 17:49 | 武術論考の部屋 Study
流祖直筆の伝書というのは非常に現存数が少ない。
しかし、そこに書かれている内容こそが、その流儀のオリジナルであり、真伝なのである。

ここに真之神道流の祖、山本民左衛門が差し出した直筆の伝書がある。

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しかもそれは流儀の免許に際して差し出される殺活の法の伝書「胴釈之巻」。

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人体図は彩色されている。
免許の直筆も所蔵しているので、これで免許の二巻が揃った。





(完)
by japanbujutsu | 2016-12-25 17:48 | 秘伝書の部屋 Secret densho
婦女子の武術 真中道流懐剣

婦女子が学ぶ代表的な武術に長刀(薙刀)、鎖鎌、懐剣がある。
そのうち、現在でも女性が学んでいるのは薙刀のみであり、鎖鎌と懐剣はほとんど修行者を見ることがない。
大体において、この高度な情報化社会にあって、古武道ほど日本国内に知られていない文化は珍しいのではないだろうか。
10人に訪ねたとして古武道を知る者は1名いればいい方である。
それほど古武道とはマイナーな存在である。
これは文部科学省を筆頭とする日本社会の体制そのものに問題がある。

さてさて、ここでは懐剣について述べないといけない。
当協会の所蔵する伝書に 「真中道流懐剣」 の切紙がある。

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なんと、その授与者は武士(徳末左一郎)であるが、被授者は小河於酉という女性である。
女性が修行した武術の実体についてはまだまだ研究の余地がある。
ちなみに、かつて私論では、女性は武術を学ぶことはできても、指南することはできなかったと指摘していたが、つい最近、女性が武術を指南していた事実を知る機会があった。
いずれ発表したい。

誤りを改めるに憚ることなかれ。



(完)
by japanbujutsu | 2016-12-23 17:12 | 秘伝書の部屋 Secret densho
天道流短刀

天道流の 『目録外』 に 「短刀」 の形がある。
非常に優れた理合いを有する技法群であり、短刀の技を磨くのにもっとも重要な 「入身」 を徹底的に稽古する。

この中に「實正の位」の形がある。
入身して相手の右腕を我が左腕で巻き込み、短刀で脇腹を突く技である。
これは小長刀の「清志岩崩短刀留」の終末動作と同じであり、先に紹介した 『天道流薙刀術解説』 に我が師匠と西垣きん師範の写真が掲載されている。

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現在、我が協会でも天道流を学ぶ者は、関西支部長とドイツのベルリン支部長だけであり、何とも心許ないかぎりである。

我が協会は才能がある者には出し惜しみはせず、どんどん教えていく。
後輩が先輩を技量で追い越すことはなんら問題のあることではない。
そこは武術の世界なのだから。

遠隔地からの通い稽古(月一回、あるいは年間数回)でも、武術の下地があれば、どんどん教伝します。
覇気ある人の来場をお待ちします。

現在、天道流の古伝通りの伝統形を伝えているのは全国で当協会のみです。




(完)
by japanbujutsu | 2016-12-21 17:47 | 天道流武術 Tentô ryu
天道流大長刀

現在、水月塾では薙刀は穴澤流と柳剛流を教えている。
両流儀ともに女性には細身の薙刀 (七尺) を使わせているが、男性は長大な男薙刀 (八尺) を使わせている。

ところで、天道流にも実は 「大長刀」 (表七ヶ条、奥十六ヶ条)が伝えられている。
筆者は天道流については薙刀を学ぶ意思がなかったため、大長刀についても素通りしてしまっていたのだが、今思うとこの大長刀だけは学んでおけばよかっと後悔している。

いろいろ調べたが、現在、天道流の大長刀を稽古している団体はまったくない。
だから伝承されているのか、いないのかもわからない。

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我が師匠阿部豊子師範は、その師西垣きん師範と共著で昭和十四年に 『女子武道天道流薙刀術解説』 を上梓しているが、その写真を見ると、どうも大長刀も小長刀も同じ七尺の薙刀で演じているようなのである。

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これはどういうことなのだろうか。
理由はいくつか考えられるが、それは天国の師匠に尋ねなければわからない。

そのうち復元でもしてみようかと思っている。




(完)
by japanbujutsu | 2016-12-19 17:04 | 天道流武術 Tentô ryu
真一伝流武者組

水月塾の稽古納めに姫路支部長の西躰師範が見えた際、いつものように伝書を持参してくれた。
浅山一伝流に興味があり購入したというその伝書は真一伝流というが、江戸森戸系の流れであることは確かである。

この伝書の価値は、形の覚書であることで、かなり詳細に記述されていることから、ある程度の復元は可能である。

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誤りを恐れずにどんどん復元して、研修してほしいと思う。





(完)
by japanbujutsu | 2016-12-17 17:43 | 秘伝書の部屋 Secret densho
平成28年度 支部長稽古納め

11日は国内支部長の稽古納めだった。

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関西支部長山根氏と埼玉支部長瀬沼氏は柳剛流と柳生心眼流の向捕りを稽古した。

その他の支部長は各流居合を伝習し、一年の稽古を終了した。

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伝統が崩れて古流の体裁を失っている流儀が多い中、当塾だけは頑なに伝統を保持していくことを固く誓った。






(完)
by japanbujutsu | 2016-12-15 17:43 | 演武会・講習会 Seminar
12月10日。

この日は心月流と会津流 (これまで白井流とされてきた手裏剣は、実は白井流ではなく、別の流儀である可能性が高いことから、ここでは便宜的に会津流とする) の手内剣を打つ。

二種類を数本左手に混ぜて持ち、任意に右手に一本移して素早く三間からの直打。
どちらであっても瞬時に手の内で見極め的中させる。
角度は悪いが、最初の打剣で全中したのは実力か、奇跡か・・・・・・

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これはおもしろい。

はやり丸棒手内剣が筆者には向いている。





(完)
by japanbujutsu | 2016-12-12 17:48 | 手内剣探究 shunaiken

by japanbujutsu