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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

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野外稽古場

わが水月塾本部には野外稽古場が複数ある。
いずれも人里離れた山の奥である。
今回、紹介するのは、私が好天の日にいつも居合や手内剣、金鷹拳を稽古する場所。
正面に富士山をいただく景色抜群の野外稽古場である。
澄んだ空気の中で伸び伸びと練武できる。

一昨日はポカポカ陽気に恵まれたため、稽古に見えた埼玉支部長をその稽古場に案内した。

柳剛流居合

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荒木流抜剣

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(完)
by japanbujutsu | 2017-01-31 17:56 | 武術論考の部屋 Study
さまざまな目録

関口流抜刀における諸藩伝の目録伝書を見ていると、その箇条名が必ず一つや二つ異なっていることに気付く。

今回、紹介する目録は、服部弥兵衛光安の系統で天和二年(1682)の発行である。

流祖オリジナルの目録は、表(6)と裏(中段:5)を合わせて11箇条である。

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ところが、この目録では、表が7、裏が6で、合わせて13箇条となっている。

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他藩の伝承では表が1箇条増えている場合、二本目に「無布施経(ふせないきょう)」が加わっているが、この目録ではそれが「右剣」となっている。

流祖が一本目に左剣を置き、二本目に右剣を置かなかった理由をこの相伝者たちは理解していなかったのだろうか。

より詳しい検討は 『水月』 でなしたいと思う。




(完)
by japanbujutsu | 2017-01-29 17:08 | 関口流抜刀 Sekiguchi ryu
再び一重身について

武術の最も基本的な体構えとなる半身と一重身。
半身は体面が前に対して45度を向き、一重身は体面が完全に側方を向く。
右半身は右足が前、左半身は左足が前になる。

古流武術ではもっとも基本にして重要視される構えである。
力を一点に集中させるためにこの構えを常用する。
剣道のように体が正面を向いていたのでは、打突による力が分散して、得物に力が入らない。
特に、長い得物(棒・槍・薙刀)を使う場合には必須の構えである。

写真は力信流棒術の演武。

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仕・打ともに完全一重身となっている。
だからしっかりと後ろ足の踵も床に着いている。






(完)
by japanbujutsu | 2017-01-27 17:11 | 技法研究の部屋 Skill
紋付のこと

現在、我が協会の本部道場にアメリカのボストンから来ている熱心な門人がいる。
小・中学校で英語を教えている。
武道は空手の経験者。
昨年、松代藩文武学校で居合を演武することになったが、紋付を持っていない。
かと言って柔道着で居合を演武するわけにもいかない。

結局、特注の家紋で注文することになった。
彼の先祖はスコットランド系ケルト人で、古くは狩猟を家業としていた。
そのため家の紋章は犬、または狩猟笛。
着物業者に聞いたら犬は複雑で刺繍ができないということで、狩猟笛をデザインにした。
今、ヨーロッパの武道を修行している人たちの紋付を見ると、日本の師範の家紋を真似て付けていたり、流祖の家紋を付けていたりするが、これは大きな間違いである。
紋付こそ自分の家のものを付けないといけない。

こういうところからも海外には日本の文化が誤って普及してしまうのである。
正しい日本の文化を伝えなければいけない。

ちなみに我が小佐野家の家紋は「丸に三つ柏」。

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(完)
by japanbujutsu | 2017-01-25 21:53 | 武術論考の部屋 Study
平成7年 青森県居合道連盟櫛引八幡宮新春奉納演武

平成7年正月、青森県居合道連盟が毎年恒例の初抜会を櫛引八幡宮でやるから参加しないか、と師匠の小瀬川先生からお誘いを受けた。
是非、ということで勇んで出掛けた。
新幹線で行くので一度の訪八(2泊3日)で約8万円が飛ぶ。
それでも通い続けた。
すでにあれから22年も経った。
光陰矢のごとし。
翌年の十二月、筆者は免許皆伝をいただいた。

この奉納演武に参加した流派は無双直伝英信流と神道無念流。
英信流約20名に対して、神道無念流は数名。
しかも神道無念流の人たちは皆、剣道をやっているのか腰高でまったく精彩を欠いている。
しかし、掛け声を発するからまだいい。
英信流の無声の演武は3人も見ればもう結構。
我慢も修行かとつくづく思ったことを覚えている。

当日の記念撮影。

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正面から見て宮司の左が小瀬川先生、後列左から三人目が筆者。





(完)
by japanbujutsu | 2017-01-22 17:50 | 神道無念流居合 Munen ryu
真っ向切りの姿勢

真っ向 (正面) 斬りの姿勢について、古流居合術と現代居合道では何が違うのか。
ここで言う現代居合道とは全剣連加盟の八流派とその制定居合をいう。

下写真は熊本藩伝関口流抜刀の真っ向斬りにおける姿勢である。
※必要以上に腰を落とす必要はない。

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全剣連の居合との大きな違いは二つ。

①上体の向き
②踵

全剣連の居合道に所属する多くの剣士は剣道の出身者である。
そのため上体が真っ直ぐ正面を向いている。
だから斬るときに極端とも言えるほど弧を描くように前に出してから刀を引いている。
古流 (全剣連八流派以外の多く) では身体は斜め向きになり、腰はさらに横を向く。
これにより故意に弧を描くように振り下ろさなくても、自然にそのような軌跡を描いて斬れるようになる。
また、後足の爪先は横に開き、踵はしっかりと床に着ける。
これはすべての古流武術における大原則である。

もちろん剣術も同断。
斬り込みで踵が上がる流派は古伝を継承していない場合が殆どである。
かつては一刀流系でも踵を上げていなかったことは多くの古文献で確認することができる。

正しい刀の使い方を知ってほしいが、連盟で段位を取得することだけを目的にしている人たちには暖簾に腕押しである。




(完)

 
by japanbujutsu | 2017-01-20 17:59 | 技法研究の部屋 Skill
古流における片膝立ちの姿勢

以前にも何回か述べたが、非常に重要なことなので、再度論じておく。
正座(これに類するすべての座法を含む)から片足を前に出し、片膝を立てたときの姿勢である。
この動作を伴う武術は特に柔術と居合。

この姿勢で特に問題になるのは尻の高さである。
尻を完全に踵から離し、尻を高く立てる姿勢は、古来からそのようにしていた理合が存在すれば、それはもちろんそれでよい。
ところがいろいろ調べて見ると、どうも江戸時代には尻を踵から離さない低姿勢のまま形に入る流儀が多かったことがわかる。

居合では、英信流や田宮流が古伝書では低姿勢になっているが、現在は立ててしまっている。
柔術でも竹内流の分派である四心琢磨流柔術では下図のように低姿勢で取り合っているが、現伝の竹内流は高腰 (たとえば 「忽離」 ) である。

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難度の高い技法は時代が下がるに従い、どんどんと安易な動作に変質していく。
質的レベルを維持することは日本武術の伝承においてもっとも難しいことかも知れない。
しかし、このことは他の伝統芸にも共通して言えることであろう。





(完)
by japanbujutsu | 2017-01-18 17:47 | 技法研究の部屋 Skill
搦め捕りのこと

水月塾制定柔術形の取り口10種類の最後は 「搦め捕り」 になっている。
敵が捕の背後から両腕諸共抱え込む取り口である。

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海外でこの形を教えると、必ず非礼な奴がいて、 「これでも外せるか?」 と力一杯締めてくる。
彼らは無礼を承知で 「試し」 に来るのである。
できなければ認めない主義である。
だからこうした非礼者にはしばらく立ち上がれないほど痛めつけることにしている。
しかし、もしこれに対処できなかったら、これは一大事、セミナーの死活問題にもなるから、柔術や素手の武術を教えるときは要注意である。
指導にも百戦錬磨が必要である。
ちなみに最近は、このような無礼者は、支部長(ホスト)が 「お前たちの来る場所ではない」 と追い返してくれる。
また、以前は巨漢がやってきて 「俺を投げることができるか」 というような無礼な輩もいた。
これも当身をくれて気絶するほど投げ倒す。
ちなみに我が協会の支部長は皆100kg近いから普段の稽古で重量級には慣れている。

日本人でさえ古武道を真に理解することは難しいのだから、外国人にその真意を伝えるのは容易なことではない。





(完)
by japanbujutsu | 2017-01-16 17:20 | 技法研究の部屋 Skill
武術形は美しくなければならない

真の古武道の教授を受けたことのない者、あるいは現代武道や格闘技をする者がよく言うこと、
「武道・武術は強いことが第一条件、強くなければ話にならない」と・・・

何度も書くがこの 「強い」 というのは何を意味しているのだろうか。
多分、彼らが言うのは「喧嘩に強い」ことなのだろう。
その喧嘩とは何か?
殴り合い、蹴飛ばし合いだろう。
だったら、まったく目的の違う古武道に対して、強いだの弱いだの、見当違いのことを言うべきではない。
殴り合いに強くなるために古武道があるのではない。
喧嘩に強くなりたいのだったらボクシングでも極真空手でもやればいいだろう。

古武道は今さら言うまでもなく、江戸時代には武術、あるいは武芸と呼ばれていた。
もちろん今もそのように言って問題はない。
術や芸は難度の高い技術の上に成立し、それに「美」と「礼」が要求される。
喧嘩や格闘技とはまったく次元の異なる世界の身体文化である。
江戸時代における武士の心技体の一致に見る 「総合的な身体の強さ」 は、今の喧嘩における暴力的な強さとはまったく異なるものであり、両者を同じ土俵に上げて論じること自体が間違っている。

このような低次元なことを書くのはまったく気が進まないが、未だに強さの概念を取り違えている輩が多いのは困ったものである。

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              実に見事な業前を披露した兵法天下一二天一流師範松永展幸

このような伝統的剣術をいくら稽古しても現代の競技剣道には勝てないし、ましてや殴り合いに強くなるはずもない。





(完)
by japanbujutsu | 2017-01-14 17:44 | 武術論考の部屋 Study
本年より日本柔術を必修とする

本年(2017) からの新たな協会規定として、全会員に日本柔術を必修とする。

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これは初心者の新入会員はもちろん、他流を修行してきた者でも目から鱗が落ちるほどに武術の術理が凝縮されているためである。
むしろ他流経験者の方が身を以て体感することができるだろう。
我田引水ではなく、海外のセミナーや日本における日常の稽古から会員諸氏が発言している感想である。

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やはり柔術はすべての武術の母であり、基本であることは確かである。
柔術をやらない者はとにかく身体が固いし、怪我が多い。
これは武術をやる者にとってはかなり致命傷である。

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また、当会は国際組織を形成している関係で、海外の会員との交流・親善を目的としており、すべての会員が同じ武術を研鑽することが望ましい姿であることにもよる。

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(完)
by japanbujutsu | 2017-01-12 17:53 | 日本柔術 Nihon Jûjutsu

by japanbujutsu