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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

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幻の総合武術 河一方流 ④ 居合 小太刀

居合は 「左乱」

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右手を持ちかえており、最後の極めの場面かと思われる。
腰を落としているのは古流の特徴をよく表している。
刀には下げ緒が見られない。
これが居合稽古刀である。
もちろん角帯もしていない。

小太刀は 「無名剣」

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剣先を倒した八相の構えであるが、両手を深く巻き込んでいるのはどういうことか。
これも絵師による単純な誤りなのだろうか。





(つづく)
by japanbujutsu | 2017-03-30 17:03 | 秘伝書の部屋 Secret densho
幻の総合武術 河一方流 ③ 棒術 薙刀

棒術と薙刀の図も数葉描かれている。
棒術は 「車意」
棒を左肩に掛けた構え。

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薙刀は 「火車」

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いわゆる門構えと称する構えであるが、神道流系の構えとは左右の持ち手が逆であり、真似をしてみたが、この構えからは次の動作に移れないことが判明した。
絵師の描き間違いだろう。

いずれもが打太刀を欠いた一人構えの絵で、これでは形の想定がまったく分からない。





(つづき)
by japanbujutsu | 2017-03-28 17:45 | 秘伝書の部屋 Secret densho
甲陽水月流手内剣の内 人剣・重ね打ち

甲陽水月流手内剣のうち、人剣(五寸水月針剣)を 「眼留剣重ね打ち」 で打つ。
重ね打ちとは一度に二剣を打つ手段であり、これはこの人剣のみが可能な打ち方となる。
一打に集中すれば高い命中率を生み出せるが、実戦を考慮して間合い二間から連打で打ってみる。
とは言うものの、連打の場合は右手に二本を素早く取り上げるのもまた至難の業であり、これからの大きな課題でもある。
二剣の調整が困難を極めるため外しも多いが、二剣が同時に刺さるときの瞬間は爽快である。







(完)
by japanbujutsu | 2017-03-26 17:07 | 手内剣探究 shunaiken
幻の総合武術 河一方流 ② 柄捕

河一方流の二回目は 「柄捕」 を題材にする。
柄捕は大抵の古流柔術にはある。
体系立てている場合もあれば、単発的に入る場合もある。
想定としては敵が鯉口を切る前、切った直後、抜ききった直後の三つがある。

この柄捕が体系立てられている流儀としては関口流系が知られている。
前後左右の敵に対してそれぞれに対処できる工夫が見られる。
河一方流でも体系立ててあり、この形の場合は敵が我の胸襟を左手で取り、右手を柄に掛けた刹那、右手で敵の左手を取り、左手で柄を取るという場面である。

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実はこの捕り方だと次の動作に出ることが困難なのである。
敵の柄手を外した後、刀を腕に当てて、仰向けに倒す技が普遍的ではある。

こうした形 (技) は文化であり、現代の競技武道には存在しない世界である。





(つづく)
by japanbujutsu | 2017-03-24 17:22 | 秘伝書の部屋 Secret densho
幻の総合武術 河一方流 ①

河一方流は、安永年間、河野十郎左衛門敬忠が開創した柔術が主体の流儀である。
明治にはすでに聞かなくなった流儀なので、幕末期当たりに滅びたのだろう。

この流儀が面白い絵目録を残しているので、しばらく見ていくことにしよう。

本日は柔術の中から 「すて身投」。
敵が右手で胸襟を掴んでくるのを捕は右手で我が胸襟を、左手で敵の前帯を掴み、左膝を着く。

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ここまでがこの図に関して説明できる部分である。
果たしてこの体勢からいかにして捨て身投げに入るのかが問題である。
が、実はこの体勢からの捨て身投げは、我が水月塾の制定柔術における基本練習手の中の捨身投がこの体勢から入れるのである。

技法研究はこうした古典からいろいろと学ぶことができる。






(つづく)
by japanbujutsu | 2017-03-22 17:26 | 秘伝書の部屋 Secret densho
擲標

中国の武術書 『剣経』 に「擲標」という兵器が掲載され、それが日本に流れて国風化された。

擲は投げるという意味、標は日本の手裏剣と同じ武器。
中国ではこれに縄を付けた縄標が有名である。

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さて、この伝書は以前にも当ブログで紹介したが、今回は擲標に的を絞って見てみたい。

標を擲げるのだから、武技としてはそのまま手裏剣と同じものとなる。
しかし、これがどのように和風化していったのか大いに疑問である。
伝書には擲標の下に 「奪気乗隙」 とある。

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正に気を奪い、隙に乗じて攻めるのである。
ということはこの標は決め技ではなく、脅し用の道具ということになろうか。

伝書にはさらに、

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「細竹の柄鉄の鉾前重後軽前粗後細」とあり、竹製の柄があったことがわかる。

それ以上の詳細は伝書からは知る由もない。





(完)
by japanbujutsu | 2017-03-20 17:35 | 手内剣探究 shunaiken
甲陽水月流手内剣の内、人剣(五寸針)の連打

本年開創した甲陽水月流手内剣は、天剣 (七寸)、地剣 (六寸)、人剣 (五寸)の三剣があり、これを三剣一統として三才を象る。
いずれも丸棒型の打針手裏剣を使用する。
これには拘りがあり、これまで他の手裏剣術者が採用していなかったというのが理由の一つでもある。
しかし、さすがに人剣には軽量故に間合いの制約があり、最大で二間とするのが限界である。
それを補完するために、遠間用の地剣と天剣を採用している。

この五寸針手裏剣を四間以上で的中させると言う者がいるが、空気抵抗を考えれば物理的に不可能である。
一度、動画を見たいものだ。

今回は、人剣を30本連打してみた。
何度も撮り直すは面倒なので、何本かは外しているが、一度録画したものをそのまま公開する。
数打ち連打や重ね打ち (一度に二剣を打つ) ができるのも人剣の利点である。




この五寸針手裏剣を打ってみたい人はいつでも体験できます。
問い合わせください。





(完)
by japanbujutsu | 2017-03-18 17:13 | 手内剣探究 shunaiken
道場名

日本武術がもっとも稽古されている外国といえばヨーロッパ諸国である。
ところが、それを指導する日本の師範が誤った知識を拡散するから、とんでもない日本武術が蔓延している。
忍法、忍術はその代表格。
もう手が付けられない。

それからもう一つ。
道場名である。
これも日本の師範が何も指導しないから、彼らは誤った観念で道場名をつける。
●●道場。
この●●がダメ。
ひどい場合には動物や魚、昆虫の名前まである。
まるでそこは動物園。
わが元ルーマニアの支部道場にも 「山武士道場」 なるものがあり、改名を勧めたが、日本の剣道の先生に命名してもらったと言って応じなかった。
多分、山伏養成所なのだろう。
第一、武士は山にはいない。
頭が硬くて話にならない。
せめて日本人に常識が少しでもあるならば、アドバイスをしてやってほしい。
甲源一刀流練武道場「燿武館」というふうに。

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(完)
by japanbujutsu | 2017-03-16 22:55 | 武術論考の部屋 Study
示現流兵法 ②

このページには木刀の握り方と左右の構えを載せている。
本書(『日本武道史』)では「蜻蛉の構え」という表現は使っていない。

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先に紹介した横木打ちは薬丸流が行うもので、東郷示現流では行わない。
稽古は日常の服装でそのまま行うということを聞いたことがあるが、やはり図のように稽古着に着替えるべきであろう。

気になるのは正面体で後ろ足の踵が上がっていることである・・・




(完)
by japanbujutsu | 2017-03-14 16:10 | 武術論考の部屋 Study
示現流兵法 ①

薩摩の秘剣、示現流。

自分の家の近くにそんな剣術があったら毎日通っていただろう。
なぜ、鹿児島の人たちは、薩摩武士の魂ともいえるこの剣術を学ばないのだろうか。
沖縄の国際通りが空手祭りでは拳士で埋め尽くされるというのに、鹿児島はどうだろう。
情けなくないのだろうか。

さて、それはそれとして示現流とは魅力的な剣術である。
なにしろ稽古場が野天だ。
その図が 『日本武道史』 に出ている。
それによると、次のようである。
広さは縦十五間、横九間に埒を巡らし、白砂を敷き、正面に四箇所の立木装置を設ける。

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立木装置は叉木二本を三尺の高さに五尺を隔てて相対して立て、その上に長さ六七尺、直径二三分乃至五六分の柞(イスノキ)の丸木三十本ばかりを束ねて横に架け渡す。

これでできあがり。
白砂に柞というのがいかにも薩摩らしくていい。

※ただし、この横木打ちは薬丸自顕流においてもっぱら行われているものである。




(つづく)
by japanbujutsu | 2017-03-12 17:37 | 武術論考の部屋 Study

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