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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

中学校武道必修は早急に撤廃せよ!

日本武道館が運営する「中学校武道必修化サイト」には、次のように書いてある。

中学校武道必修化の概要
平成20年3月改訂の中学校学習指導要領に、第1、第2学年の保健体育で武道が必修になることが明記され、平成24年度から完全実施されました。それまで、中学校の保健体育で、武道の領域は学年ごとに選択となっていましたが、この改訂により、男女共に全ての中学生が第1、第2学年において武道を学ぶことになりました。第3学年は、引き続き選択となります。

中学校保健体育で武道が必修となった経緯
平成18年12月に約60年ぶりに改正された教育基本法では、教育の目標として「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」が新たに規定されました。その後、平成20年1月の中央教育審議会答申の中で、「学習体験のないまま領域を選択しているのではないか」との指摘と、「武道については、その学習を通じて我が国固有の伝統と文化に、より一層触れることができるよう指導の在り方を改善」することが示されました。これを受け、新学習指導要領では武道を含めたすべての領域が必修となり、武道が「伝統と文化を尊重し……」と謳う改正教育基本法の教育の目標を実現する役割を担うことになりました。

とある。ここでいう「武道」でもっとも採用されているのが練習に一番カネがかからず、道着だけ着用すればすぐに練習ができる柔道であり、よってここでも柔道について論究する。
 (※本来の武道(武術)には「道着」なる用語はなく、「稽古着」といい、また「練習」とは言わず、「稽古」というが、今の現代武道は完全にスポーツなので、ここでもあえて道着、練習という用語を使用した。)

この文章を起草した人間は武道を本当に楽しいと思っているのだろうか。そして、武道をが本当に日本の伝統と文化を表象していると思っているのだろうか。

筆者は東大卒の頭でっかちの役人さんが考えていることなど毛頭納得するつもりはない。

武道が、柔道が、本当に素晴らしく、本当に楽しく、本当に日本の伝統文化を体験できるものだとしたら、中学校で柔道を学んだ生徒がなぜ、高校で柔道部に入部しないのだろうか。

結論から言えば、文部科学省が言う「武道」は「真の武道」ではなく、完全なスポーツであり、しかも身体が大きい者が絶対的に有利な競技である。武道が護身術に有用であるとしたら、身体の大小で強弱が決まるのは誠以て不合理である。

直接、身体と身体が接触する柔道はすべてルールに固められ、弱者が強者に勝つ機会は極めて少ない。体力に劣る者が同じ持ち駒で戦って大きい者に勝てるはずがない。もし、受身だけ教えて試合をさせないのだとしたら、それは柔道ではなく「受身道」である。

試合は競技者双方が同じ条件で戦うのが鉄則である。すでに体力で差があり、一週間にただの何時間かの練習で技もろくに身に付かず、そんな状態で試合をして、果たして体力が無く、闘争心の稀釈な生徒が柔道を好きになるのだろうか。

着物に袴をつけた武士の正装は、まさしく日本古来の伝統ある衣装である。剣道も弓道も薙刀も全部袴を着用している。柔道だけが袴を着けない。現在の柔道着スタイルは武士の正装から羽織り・紋付き着物・袴を取り去った、襦袢と股式だけの「誠にはしたない格好」である。
 (※空手は大正時代に沖縄から本土に入り、昭和三十年代以降大学を中心として普及した後進武道である。現在見られる空手着は柔道着を模して作られた)

裸に柔道着、夏は悪臭が漂い、冬は裸足で鳥肌が立つ。こんな柔道のどこに教育的効果を期待しているのだろうか。こんなものの何を以て「国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」ができるというのだ。

今や外国で一番人気のない武道が柔道と剣道。それを文部科学省のお役人さんたちは知っているのだろうか。知っているはずはない。知っていたら、必修化などというバカなことはしないはず。

日本の本当の伝統武術は、柔術でも剣術でもしっかりと袴を着用し、形の修行を通してしっかりと技術を身につけさせる。試合は絶対にしない。してはいけない。その代わり学んだ形が完全に身に付くまで何度も何度も同じ形の履修を繰り返す。そして早くても十年、ようやく技術が身に付くのである。それが本来の武道の在り方である。

所詮、体育の一環である授業で武道を教えるのは無理。以前の柔道の授業のようにただルールを教えて乱取りをさせる。こんなことで生徒が武道に興味を持つことができるはずはない。

無知な保護者が子どもに礼儀を身につけさせるために、町道場へ送り迎えをして通わせているが、今の武道で礼儀を正しく学ばせることははっきり言ってあまり期待できない。

サッカーや野球だって充分に礼儀を教えることはできる。

以上、簡単に柔道が教育にふさわしくない理由をいくつか述べた。
武道の必修に強く反対する。


中学、高校における柔道事故の死亡者は1983年から2010年の28年間で実に114名にも上る。(名古屋大学大学院:内田良準教授の資料より)
年平均4人以上の死亡者を出すこの数字は、他のスポーツに比べても、突出して高い数字である。

# by japanbujutsu | 2013-05-18 17:21 | 武術論考の部屋 Study
一無流柔術の当身禁穴図

一無流柔術とはあまり聞かない流儀名である。

『武芸流派大事典』には一応、名前だけは出ているが、解説が何も書かれていない。

紹介する伝書は当身だけの独立した伝授巻で、人体の正面と背面が図示されている。

完全に中華思想に依っており、禁穴名は漢字一文字で示されている。

金的は「死去禁穴」と記され、技法として「蹴込」と記されている。

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伝授人は遠藤豊治方高。

被授者は嶋屋重右衛門。

授与年月日は延享四年(1747)五月二十五日となっている。

遠藤豊治が流祖だろうか。
# by japanbujutsu | 2013-05-17 22:05 | 秘伝書の部屋 Secret densho
居合演武における下緒の扱い

明治から昭和にかけての居合の名人中山博道が伝えた長谷川英信流、無双直伝英信流、夢想神伝流、夢想神伝重信流、その他・・・・。

現在の居合人口を見ると、間違いなく、その九割以上はこれらの流れである。

明治時代の大日本武徳会の戦後の組織が今の全日本剣道連盟になっている。

武徳会も全剣連もその最高権威は中山博道だった。

だから五月の全剣連主催の京都大会で居合を演武する人たちは、皆全剣連の高段者であり、当然のようにここで演武される流派の九割以上が中山博道の流れである。

ここで演武をされている方々の下緒が、演武中どのようになっているか。

ほぼ全員が下緒を袴の前帯に挟んでいる。

何のことはない、中山博道の真似をしているだけである。

驚いたことに、中山博道に関係のない僅かな人たちでさえも下緒を前帯に挟んでいる。

写真左は中山博道、右はその師匠の一人細川義昌。

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中山は下緒を前帯に挟んでいるが、細川は下緒を外している。

結果から述べると、下緒を前帯に挟むという作法は今のところ江戸時代の文献では確認されていない。

権威というのは文化までも抹消してしまうらしい。

幸いなことに、筆者が学んだ居合の流派はすべて鞘に掛けて垂らしておくだけである。

本来は正しい作法が少数派になってしまうと、それが不作法になってしまったりする。

恐ろしいことだ。

こんなことになってしまうと、古流も何もない。

ここに江戸時代の居合伝書の絵図と仙台藩伝影山流を明治時代まで伝えていた天野古弘の写真を紹介する。

絵図の下緒は垂らしたまま。

影山流では鞘にぐるぐる巻いている。

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これが古流の真の姿である。

居合を稽古する人たちには古伝をもっと研究してもらいたい。
# by japanbujutsu | 2013-05-14 23:17 | 技法研究の部屋 Skill
真之神道流々祖直筆の免許巻

伝書を通じて歴代の師範と対話ができる。

古流武術ならではの魅力の一つ。

特に流祖と対話ができるとなると、その流儀の修行者にとっては希有の体験となる。

ここに紹介するのは真之神道流柔術の流祖、山本民左衛門英早直筆の伝授巻である。

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わずか1mの免許。

この免許を受けるためにどれほどの辛苦の修行をなしたことだろう。

宝暦三年(1753)の発行。

260年前に書かれたものである。

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表面の上下は金彩に彩られ、裏面には金粉が散らしてある。

何とも貴重な巻物であるが、現在、この流儀を継承する人がいないのは非常に残念なことである。
# by japanbujutsu | 2013-05-11 19:26 | 秘伝書の部屋 Secret densho
京都の武術 新海流

少なくとも明治時代までは京都市内に伝承していた武術がある。

新海流。

剣・柔・棒・縄の総合武術である。

流祖は京都東寺の住人、樋口南海茂広。

建仁寺禅居庵摩利支天堂に明治三十三年に掲げられた新海流剣術の奉納額がある。

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願主は井尻長久斎源正信。

当初掲げられていた木刀は盗み取られて現存しない。

そして筆者の手元には、この新海流柔術の秘伝「当身急所図」の伝書がある。

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よくよく見ると、人間の図が、寸分違わず描かれている。

何のことはない、木版にして押しているのである。

これは便利である。

明治の掲額であれば、昭和の時代まで伝承者がいてもいいような気もするが、聞いたことはない。
# by japanbujutsu | 2013-05-10 20:15 | 秘伝書の部屋 Secret densho

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