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国際水月塾武術協会 International Suigetsujuku Bujutsu Association

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本会が伝承している武術流派と古武道全般の技法・歴史・文化などを解説します。文章・記事・写真の転載は固く禁止します。

十手は捕方の専有物ではない

柔術の流儀には十手や捕縄を含まない素手に特化した流儀もある。
天神真楊流なども小太刀は使うが十手は使わない。
起倒流、関口流などの雄流には道具を使わないものも少なくない

一方、やはり地方の総合武術では柔術・捕手を主体として様々な道具を用いる流派が多い。
十手も武術の一般としてこれを伝える流儀は多くある。
しかし、筆者が学んだ中では渋川一流と甲州陣屋伝捕方武術にあるだけである。

それではその十手。
武術で稽古をする以外では、それをだれが日常的に所持していたのだろうか。
一般には捕方 (与力や同心) が占有する物と思われている。
ところが意外にも火消しが十手を持つことがある。
火消しといえば「鳶口」 であるが、普段は十手を所持していることはあまり知られていない。
今回は、二つの火消しに関する資料を紹介する。
一つは十手を持っている写真

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もう一つは鼻捻を持っている写真

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いずれも幕末から明治初期に撮影されたもの。

指揮棒としての役目をしたのだろうか。





(完)
# by japanbujutsu | 2018-01-29 17:34 | 武術論考の部屋 Study
伝書の解読

筆者は武術史と郷土史を独学で始めた。
というよりもこれを教える人なんかどこにもいなかった。
この未知なる歴史に光を当てるためには一次資料である「古文書の解読」が必要不可欠だった。
しかし、これも指導者なんかいない。
町のカルチャーセンターに古文書講座なるものがあったが、そんなものに通っても読めるようになるわけがない。
とにかく独学で古文書を毎日読みまくった。
『古文書解読辞典』を山のように買い込んで、とにかく読んだ。
一文字を読むために一週間かかることは珍しいことではなかった。
トイレの壁にコピーを貼り付け毎日にらめっこ。
読めたときは本当にうれしい。
さて、そこでである。
皆さんはここに紹介する伝書をすらすら読めるだろうか。
同じ日本人が日本語で書いた文章である。
もし、あなたが歴史を研究しようという気持ちが少しでもあったら、古文書の勉強をしてください。
何日かかろうともあきらめずにやり続ける。
そうしなければ読めるようにはならない。
下の本覚克己流の伝書序文は武家の御家流の正しい崩しで書いてあるので筆者はすらすらと読める。

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人は何かやろうと思ったら決断と実行が大切。
たとえば、あなたが真剣に武術の修行に励み、師範になったとする。
この伝書と同じ伝書を門人に与えなくてはならない。
ならば金釘流ではなくて、御家流を学ぶために書道教室に通うべきである。
通う決断がないのなら、師範になる資格もない。
筆者は海外でよく言う。
英語文化圏でない門人にはとにかく英語を勉強しなさいと。
しかし、まったくダメ。
始めようともしない。
英語を話せる門人には日本語を学びなさいと。
しかしこれまた全く実行しない。
日本語が理解できなければ日本武術も理解できないことを彼らは知らない。
武術は技ばかりではないことを。
技だけ知ってすべてを知ったと思ったら大間違い。
日本文化はそんなに浅はかなものではない。
みなさん、今年は決意し、一日も早く自分に欠けていることを始めてください。
決断と実行が必要です。
動かなければ始まりません。         

以上






(完)
# by japanbujutsu | 2018-01-27 17:54 | 秘伝書の部屋 Secret densho
殿中における大小二刀差し

殿中では大小は外すといわれているが、ここに殿中において二刀を帯びている江戸時代の絵がある。

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これをみると、いろいろと面白いことに気づく。

まず、殿中の奥にいる二人は平服(着流し)で袴を着用せず、帯刀も見られない。
次に外の砂場にいる者は、百姓だろうか、尻からげの一本差しである。
そして手前にいる二人の公家は長袴に二刀を差している。
この絵を見て奇異な感じはしないだろうか。
よく見てほしい。
そう、二刀を右腰に差している。
まず、長袴なので、進退が極めて不便であり、まずこの着衣では剣術の足捌きができない。
そして、右腰の刀も咄嗟の場合に抜くことは極めて困難である。
すなわち、これは殿中で刀を抜かせないための作法の一つであることがわかる。

一枚の絵の中に三つの身分の者を描いているのは珍しい。





(完)
# by japanbujutsu | 2018-01-25 17:05 | 武術論考の部屋 Study
ブダペスト講習会 表彰式

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今回、新たに昇段、相伝を受けた者は、

日本柔術 初段2名
居合術 二段1名
甲陽水月流柔術初伝目録 2名
甲陽水月流柔術中伝目録 1名

となった。

相伝目録は本来、他見多言無用ではあるが、海外の会員はそのようなものを見たことはないし、今後の稽古の励みになればということで、遠くから開陳して、雰囲気だけ見てもらい、すぐに閉じた。

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日本ではもちろん神前で執り行うべき儀式である。

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(完)
# by japanbujutsu | 2018-01-23 20:40 | 演武会・講習会 Seminar
ハンガリー講習会 穴澤流薙刀

穴澤流薙刀はヨーロッパでは過去にドイツで2名の女性が志したが、いずれも稽古を中断してしまっている。

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ヨーロッパでは古流の薙刀を稽古する者が極めて少ない。

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東欧諸国では薙刀そのものを入手することさえできない。

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チェコのフィリップ氏が穴澤流を学んではいるが、門人がいないために稽古をすることができない。
教伝は始まったばかりである。

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助教の吉元氏とルーマニアのクリスティーナ氏による上段の構え。






(つづく)
# by japanbujutsu | 2018-01-21 17:46 | 演武会・講習会 Seminar

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